●マニ教【マニきょう】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
マニ教
マニきょう
Manichaeism
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朝日新聞掲載「キーワード」
マニ教
(2008-05-24 朝日新聞 朝刊 3社会)
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デジタル大辞泉
マニ‐きょう〔‐ケウ〕【マニ教】
[補説]「摩尼教」とも書く。
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世界大百科事典 第2版
マニきょう【マニ教 Manichaeism】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
マニ教
まにきょう
Manichaeism
マニが3世紀にイランで創始した普遍的宗教で、東西に広く伝播(でんぱ)し、歴史的な勢力となった。経典宗教としての特色をもち『シャブラーカーン』『いのちの書』『プラグマティア』『秘儀の書』『マニ書簡』などを経典とする。
[加藤 武]
教義
フランスの東洋学者ペリオが中国で発見したマニ教断簡(パリ国立博物館所蔵)によると、その教義は、二宗すなわち光と闇(やみ)、善と悪の二つの原理の対立に基づいており、三際とよばれる三つの時期に区分される。初際、つまり第一の時期にはまだ天地は存在していず、ただ明暗の区別があるのみである。明の性質は知恵で、暗の性質は愚かであった。そしてまだ対立矛盾はおこっていない。中際、つまり中期に入ると、すでに暗(闇)が明(光)を侵し始めていた。明がやってきて暗に入り込み混合した。大いなる苦しみのために、人は目に見える形体の世界から逃れようと願った。「火宅」(この世界)を逃れるためには真(光)と偽(闇)を見分け、救われるための縁をとらえなければならない。後際、つまり第三の時期には教育と回心を終える。真(光)と偽(闇)はそれぞれもときた根(ね)の国に帰る。光は大いなる光に帰り、他方、闇は闇のかたまりに帰る。以上の内容は、『テオドレ・バル・コーニー』とよばれる8世紀のシリア語の叙述ともよく一致する。
[加藤 武]
教団
マニは12人の教師、72人の司教、360人の長老からなる後継者を二つの群に分けた。一つはエレクトゥスelectus(選ばれた者)で、聖職者として五戒を守り厳しい修道を行った。いま一つはアウディトゥスauditus(聴問者)で、比較的緩やかな生活を許され、十戒を守った。ベーマbēmaの祭りを、教団はマニの殉教を記念する日としてもっとも重んじた。
[加藤 武]
伝播
マニ教は、キリスト教、ゾロアスター教、仏教、道教などを混合するとともに、キリスト教や仏教を名のることによって巧みに勢力を伸ばし、4世紀には西方で盛期を迎えたが、6世紀以後東方に向かい中国に達した。唐代の中国では摩尼(まに)教といわれ、則天武后(そくてんぶこう)は官寺大雲(だいうん)寺を建立している。
[加藤 武]
『岡野昌雄訳『アウグスティヌス著作集7 マニ教駁論集』(1979・教文館)』
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精選版 日本国語大辞典
マニ‐きょう ‥ケウ【マニ教】
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旺文社世界史事典 三訂版
マニ教
マニきょう
Manichaeism
マニはササン朝の人で,3世紀半ばごろ,ゾロアスター教にキリスト教・仏教を融合させ,徹底した善悪二元論のこの宗教を創始した。シャープール1世のとき一時厚遇されたが,その後,ササン朝で禁止され,国外に流布した。西方は北アフリカ・南ヨーロッパ,東方はトルキスタン・中央アジア方面で流行し,唐代の中国でも信仰を集めた。またウイグルにおいて一時国教となったが,イスラームの普及とともに衰えた。
出典:旺文社世界史事典 三訂版
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