●マレイン酸【マレインさん】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
マレイン酸
マレインさん
maleic acid

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
世界大百科事典 第2版
マレインさん【マレイン酸 maleic acid】

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.
日本大百科全書(ニッポニカ)
マレイン酸
まれいんさん
maleic acid
不飽和ジカルボン酸の一種。フマル酸の幾何異性体で、シス形の1,2-エチレンジカルボン酸である。1817年にリンゴ酸の乾留により無水物として得られた。五酸化バナジウムを触媒として、ベンゼンを気相で空気酸化すると無水マレイン酸とともに得られる。無水マレイン酸は水と反応させるとマレイン酸になるので、マレイン酸のみを得ることができる。融解とともに異性化してトランス形のフマル酸になるが、160℃以上の温度では無水マレイン酸になる。無水物の生成はシス形のマレイン酸でおこりやすく、トランス形のフマル酸では高温にしないとおこらない。
水、エタノール(エチルアルコール)に溶ける。リンゴ酸やコハク酸の合成原料、アルキド樹脂の原料となるほか、油脂の防腐剤や、羊毛・木綿の染色仕上げ剤、薬剤のマレイン酸塩調製などの用途がある。生体内での役割は少なく、ある種の細菌でフマル酸への異性化酵素がみいだされている。
[廣田 穰・池田加代子 2016年2月17日]
出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
化学辞典 第2版
マレイン酸
マレインサン
maleic acid
(Z)-butenedioic acid.C4H4O4(116.07).不飽和の二塩基酸.五酸化バナジウムを触媒としてベンゼンやブテンを気相酸化して得る.このとき,無水マレイン酸とともに得られるが,反応物を水に吸収させるとマレイン酸のみが得られる.無色の結晶.融点130~131 ℃,沸点138 ℃.pK1 1.94,pK2 6.22.水,エタノール,エーテルに易溶.フマル酸と幾何異性の関係にある.マレイン酸は160 ℃ で容易に無水マレイン酸にかわり,また種々の条件下でフマル酸に異性化する.有機合成上重要なリンゴ酸,コハク酸,酒石酸などの原料となる.アルキド樹脂や不飽和ポリエステル樹脂などの原料にもなる.強い刺激性を有する化合物.[CAS 110-16-7]
出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
東京工業大学名誉教授理博 吉村 壽次(編集代表)
信州大学元教授理博 梅本 喜三郎(編集)
東京大学名誉教授理博 大内 昭(編集)
東京大学名誉教授工博 奥居 徳昌(編集)
東京工業大学名誉教授理博 海津 洋行(編集)
東京工業大学元教授学術博 梶 雅範(編集)
東京大学名誉教授理博 小林 啓二(編集)
東京工業大学名誉教授 工博佐藤 伸(編集)
東京大学名誉教授理博 西川 勝(編集)
東京大学名誉教授理博 野村 祐次郎(編集)
東京工業大学名誉教授理博 橋本 弘信(編集)
東京工業大学教授理博 広瀬 茂久(編集)
東京工業大学名誉教授工博 丸山 俊夫(編集)
東京工業大学名誉教授工博 八嶋 建明(編集)
東京工業大学名誉教授理博 脇原 將孝(編集)
Copyright © MORIKITA PUBLISHING Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの項目は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
「マレイン酸」の用語解説はコトバンクが提供しています。
●マレイン酸の関連情報