@niftyトップ

辞書、事典、用語解説などを検索できる無料サービスです。

ミトコンドリア

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

ミトコンドリア
mitochondria
すべての真核細胞に多数存在する細胞器官コンドリオソーム糸粒体とも呼ばれた。糸状,粒状,ラケット状など,長さ 1~2μmの小体で,細胞呼吸機能を担う重要な顆粒。有気的条件下ではヤヌスグリーンBで青色生体染色されるが,無気的条件下では染色されないか,あるいは還元脱色される。電子顕微鏡的には表面は二重,厚さ約 4nmの単位で包まれ,内膜が内部の基質内に突出して多数のクリステ (櫛状構造。多くは動物細胞) やビライ (小毛構造。多くは植物細胞) を呈する。基質にはクエン酸回路脂肪酸代謝に関与する酵素が存在し,また膜系には有気呼吸に必要な電子伝達系が局在し,細胞内呼吸すなわち細胞内エネルギー獲得の役割を果たしている。少量のデオキシリボ核酸 DNAも存在し,自己増殖能を有し一部分蛋白質はこれに基づいて合成されるが,ほかの多くの蛋白成分はDNAの遺伝情報に支配される。進化的起源については,古く進化途上で,一部の小型の好気的原核細胞が,ほかの原核細胞内にもぐり込んでミトコンドリアに変化したという生説 (寄生説) が有力視される。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

知恵蔵

ミトコンドリア
細胞のエネルギー代謝の中心をなす細胞小器官。長さ数nm(ナノメートル)の細長い二重膜の袋で、内膜はひだ状に折れ込んでクリステという突出部をもつ。クリステ上に並ぶ酵素群の働きで、糖分子の酸化エネルギーを用いてATPを生産する。1細胞当たり100〜200個あるが、肝細胞では2000個を超える。独自のDNAと遺伝暗号もち、原始真核細胞内に共生的に寄生した好気性細菌が起源と考えられている。核の支配を受けず、卵の細胞質を通じて子孫に伝わるため、その塩基配列を比較して、母系の遺伝系列をたどることができる。この方法で人類の起源をたどった結果、行きついた20万年前の仮想の先祖女性は、ミトコンドリア・イブと呼ばれている。
(垂水雄二 科学ジャーナリスト / 2007年)

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

デジタル大辞泉

ミトコンドリア(mitochondria)
《ギリシャ語で、糸と粒のの合成語》すべての真核生物の細胞質中に存在する、糸状または顆粒(かりゅう)状の細胞小器官。内外二重の膜に包まれ、内部にクリスタとよばれるひだ状突起がある。呼吸およびエネルギー生成の場で、電子伝達系トリカルボン酸回路などに関与する酵素群をもち、一連の反応によりATP(アデノシン三燐酸(りんさん))の合成を行う。細胞の核とは別にDNA(デオキシリボ核酸)をもち、独自に分裂によって増殖する。糸粒体。糸状体。コンドリオソーム。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

栄養・生化学辞典

ミトコンドリア
 細胞内の小器官で,酸化的リン酸化の主たる場で,細胞のATP合成にあずかる.その他,肝臓のミトコンドリアには尿素サイクル酵素の一部があり,副腎皮質のミトコンドリアにはステロイドホルモン合成酵素の一部が存在して,ホルモン合成の代謝経路の一部を担っている.進化の過程で,共生した微生物が残ったものとの仮説がある.独自のDNAをもち,増殖する.通常複数形のミトコンドリア(mitochondria)が使われる.

出典:朝倉書店
Copyright (C) 2009 Asakura Publishing Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

ミトコンドリア【mitochondria】
真核細胞の代表的な細胞小器官。単数形はmitochondrion。肝細胞では約2500,植物細胞では100~200あり,その数は呼吸の代謝レベルを反映している。形はその名がmito(糸),chondria(粒)を意味するように一般的には幅0.5μm,長さ1~数μmの桿状で,時として分枝したり,椀状のものが出現するが,同じ種の細胞に関しては,比較的定形である。高濃度にタンパク質,リン脂質が含まれるので周囲の細胞質より屈折率が高く,生細胞でも位相差顕微鏡で観察できる。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

日本大百科全書(ニッポニカ)

ミトコンドリア
みとこんどりあ
mitochondria

すべての真核細胞に存在する固有の細胞小器官。この語はドイツの細胞学者ベンダC. Benda(1857―1933)の命名によるもので、ギリシア語の糸mitosと粒chondrosを意味する語の複合語の複数形である。このため、糸粒体とよぶこともある。生きた細胞のミトコンドリアは、ヤヌス緑Bの50万分の1希釈液で青緑色に染色される。培養細胞を位相差顕微鏡で観察すると、ミトコンドリアの動きや形の変化がわかる。細菌類ではメソゾームがミトコンドリアにあたると考えられる。ミトコンドリアは直径0.5マイクロメートル、長さ2~3マイクロメートルの大きさのものが多い。電子顕微鏡で見ると、内外二重の膜に包まれた袋で、内膜から内方へ向かってクリスタとよばれるひだ状の隆起が櫛(くし)の歯のように突き出ている。クリスタとクリスタの間の部分はミトコンドリアの基質で、均質な物質からなる。基質に存在するクエン酸回路(クレブス回路)により得られた水素は、プロトン(H+)と電子(e-)に分かれ、続いて内膜に存在する電子伝達系により得られたエネルギーが、酸化的リン酸化の機構により、アデノシン二リン酸(ADP)からアデノシン三リン酸(ATP)を生成させる。生命活動に必要なエネルギー源としてのATPを供給する細胞の発電所として、ミトコンドリアはきわめてたいせつな細胞小器官である。そのほか、ミトコンドリアには二価陽イオンの取り込みと蓄積、冬眠動物に多い褐色脂肪からの熱発生、脂肪酸のベータ酸化および精巣、卵巣、副腎(ふくじん)のステロイドホルモン合成などの働きがある。ステロイド産生細胞のミトコンドリアは、管状ないし小胞状のクリスタをもっている。

 ミトコンドリアは、核とは別に独自のDNA-RNA系をもち、構造タンパクを合成し、自己増殖能がある。すなわち、ミトコンドリアは生物の進化の初期に一種の微生物(細菌のような原核細胞)として他の細胞に入り込み、共生関係を生じたという仮説がある。

[小林靖夫]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

ミトコンドリア
〘名〙 (mitochondria) 生物のほとんどすべての細胞質中に存在する糸状に並んだ顆粒状構造の細胞小器官。蛋白質とリン脂質が主成分。細胞内代謝に重要な役割を果たしている。糸状体。糸粒体。コンドリオソーム。プラストゾーム。〔癌(1955)〕

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

化学辞典 第2版

ミトコンドリア
ミトコンドリア
mitochondrion(単数形), mitochondria(複数形)

動物および植物細胞,微生物など好気的細胞に存在する微小(0.5~10 μm)な顆粒状の小器官.その大きさ,形は細胞や組織によって異なっているが,基本的には内外2層の膜と,それに囲まれた部分よりなる.ミトコンドリアの機能は有機物質の酸素による酸化(呼吸)のうち,トリカルボン酸サイクル,脂肪酸のβ酸化系および電子伝達系が内在し,また呼吸と共役する酸化的リン酸化反応系によってエネルギーを獲得する重要な機能を担っている.細胞内でミトコンドリアは頻繁に融合と分裂を繰り返している.

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
東京工業大学名誉教授理博 吉村 壽次(編集代表)
信州大学元教授理博 梅本 喜三郎(編集)
東京大学名誉教授理博 大内 昭(編集)
東京大学名誉教授工博 奥居 徳昌(編集)
東京工業大学名誉教授理博 海津 洋行(編集)
東京工業大学元教授学術博 梶 雅範(編集)
東京大学名誉教授理博 小林 啓二(編集)
東京工業大学名誉教授 工博佐藤 伸(編集)
東京大学名誉教授理博 西川 勝(編集)
東京大学名誉教授理博 野村 祐次郎(編集)
東京工業大学名誉教授理博 橋本 弘信(編集)
東京工業大学教授理博 広瀬 茂久(編集)
東京工業大学名誉教授工博 丸山 俊夫(編集)
東京工業大学名誉教授工博 八嶋 建明(編集)
東京工業大学名誉教授理博 脇原 將孝(編集)

Copyright © MORIKITA PUBLISHING Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの項目は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

ミトコンドリア」の用語解説はコトバンクが提供しています。

ミトコンドリアの関連情報

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.

アット・ニフティトップページへ アット・ニフティ会員に登録

ウェブサイトの利用について | 個人情報保護ポリシー
©NIFTY Corporation