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ミニアチュール

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

ミニアチュール
miniature
一般に細密画と呼ばれる小型の技巧的な絵画をいう。 (1) 肖像画を主とする,ごく小画面の絵画の意味で,16世紀初頭~19世紀中頃に主としてヨーロッパで多く制作された。顔料にはエナメルが好んで使用され,板金属,象牙,羊皮紙などに描かれた。フランスではロココ趣味を反映した美しくあでやかな作品が生れ,イギリスでは王侯貴族の肖像画が盛んに描かれたが,18世紀にはアメリカでも流行した。普通の画家が描くこともあるが,16世紀のニコラス・ヒリヤードのようなミニアチュール画家が描くほうが多い。しかし 19世紀後半に写真技術が発達し,これに取って代った。 (2) 写本挿絵,彩飾ページ,縁飾り,イニシアル表題などの装飾用絵画をいう場合もある。中世初期から印刷術発明までの間,聖書写本の装飾として重要な役割を果した。インド,ペルシアなどにもすぐれた作品がある。

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デジタル大辞泉

ミニアチュール(〈フランス〉miniature)
《朱色の顔料ミニウム(〈ラテン〉minium)を用いたところから》西洋中世の写本の装飾文字・挿絵・装飾画。
緻密(ちみつ)に描かれた小さな絵。装身具・箱などに描かれたものや油彩画の小形のものなど。細密画。微細画。

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世界大百科事典 第2版

みにあちゅーる【ミニアチュール】

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大辞林 第三版

ミニアチュール【miniature】
朱色の顔料となるミニウム(ラテン minium)を用いて飾り文字を描いたことから 西洋中世の写本の挿絵および頭文字・表題・縁飾りなどの装飾画。
小さな油彩画。また、メダル・カード・化粧用具などに描かれた絵。細密画。微細画。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

ミニアチュール
みにあちゅーる
miniature フランス語 英語
手写本彩飾画enluminureをさす場合と、細密画をさす場合がある。語源的には、ラテン語の朱(ミニウム)からとする説と、より小さいを意味するラテン語ミヌスに由来するとの説があり、この両義が生まれた。手写本ではしばしば朱で文字や挿絵が描かれたためである。両者はしばしば混同されるが、芸術的にはまったく別のジャンルに属する。[中山公男]

手写本彩飾画

古代エジプトから15世紀の印刷術発明に至るまで、写本は数多く流通したが、その重要性と手写という性格から、単に文字を写すだけでなく、挿絵、装飾、装丁、また文字そのものの装飾化など、多かれ少なかれ美術品的性格をもつことになる。ギリシア、ヘレニズム、ローマの文化にも手写本彩飾画は存在したが、とくに古代末期からビザンティン、中世西欧のキリスト教文明にかけて、壁画、モザイク、ステンドグラス、板絵などと並ぶ、ときにはむしろこれらより重要な絵画芸術となる。すなわち、手写本の大半が聖書その他の聖典であり、教会などにおけるキリスト教典礼で占める役割の高さのため、宝石や貴金属細工などによって装丁されるようになっただけでなく、少なくとも初期には、キリスト教布教に際し、これらの書物が壁画や彫刻の図像の原典となることも多かったためである。
 写本は、古代にはパピルスを用いた書巻形式が常だったが、4世紀前後から羊皮紙の使用が一般的になり、それに対応して書冊(コーデックス)形式が普通となる。これら写本の装飾は、初期にはおもに修道院内のアトリエで行われ、しだいに教会、宮廷、貴族の庇護(ひご)下に優れた工房が輩出し、各時代により様式が異なるだけでなく、地方、工房によっても独自の画風を示すことになる。装飾は大別して、〔1〕書物の内容に対応する挿絵、〔2〕各ページの余白などの純粋な装飾、〔3〕文字そのもの、とくにイニシアルの装飾化、となる。そしてこの場合挿絵は、聖典のことばを内側から輝かすものという意味で、イラストレーションではなく、イルミネーション(彩飾画)といわれる。
 具体例としては、古代末期の『コットン創世記』(6世紀)、ビザンティンでは『ウィーン創世記』(6世紀)と書巻形式の『ヨシュアの画巻』(10世紀)、ヨーロッパ初期中世では、イニシアル・ページの抽象的、複雑な文様構成を示すアイルランドの『ケルズの書』(8世紀)、写本芸術の隆盛をもたらし宮廷画派など多様な画派を生み出したカロリング朝時代の『アダの福音書(ふくいんしょ)』(9世紀)、スペイン・ロマネスクのきわめて特異な様式で神秘性をみせる『ベアトゥス版黙示録』(11世紀)、ゴシック期の『聖王ルイの詩篇(しへん)』(13世紀)、愛書家ベリー公がランブール兄弟に描かせた『ベリー公のいとも豪華なる時祷書(じとうしょ)』(15世紀)などがある。
 また、ペルシア、インドなどにも優れた写本芸術があり、時代、地方によって多くの画派を生み出している。[中山公男]

細密画

きわめて緻密(ちみつ)な描法による小さな絵を、装身具の装飾として、あるいはたばこ箱、化粧用品の箱に描いたもの。16世紀にはグァッシュで羊皮紙に描かれたが、やがて金属板にエナメルで描く手法も一般化する。17世紀には薄い象牙(ぞうげ)板にグァッシュで描く手法が流行、19世紀末にはベラム紙(犢皮(とくひ)紙、羊皮紙よりも薄い)に描く方法も用いられた。また、16~17世紀のイギリスで流行した肖像画ミニアチュアは、ヘンリー3世の宮廷画家ルカス・ホーレンバウトによって創始された。18世紀フランスにパステル画を伝えたイタリアの女流画家ロザルバ・カリエラも象牙に肖像を描くことを得意とし、フランスに流行させた。肖像画のほか風景、花、恋人たちなど、その主題も多様化している。[中山公男]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

ミニアチュール
〘名〙 (miniature) 細密に描かれた小さな絵。細密画。元来は西洋中世の写本に用いられた装飾文字、模様、挿絵のこと。〔訂正増補新らしい言葉の字引(1919)〕

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旺文社世界史事典 三訂版

ミニアチュール
miniature (フランス)
初め写本用の細かい装飾文字,のち手写本のさし絵を意味し,近世以降は細かい筆づかいの小さい絵の総称。細密 (さいみつ) 画ともいう
語源はラテン語のminium(鉛丹)。中世ヨーロッパでは聖書・祈禱 (きとう) 書を飾った。一般にはイスラーム世界での細密画をさして用いられる。イスラーム諸国では9世紀にアッバース朝宮廷おこり,さし絵として流行し,イランを中心に普及した。13世紀半ばごろより,モンゴルの進出で,中国画の影響がはいり描線が細密となった。ムガル帝国の成立後,イランからインドへも伝わり,ムガル絵画やラージプート絵画に発展した。

出典:旺文社世界史事典 三訂版
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