@niftyトップ

辞書、事典、用語解説などを検索できる無料サービスです。

ミョウバン

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

ミョウバン
alum
普通にミョウバンと呼ばれるものは,MAl(SO4)2・12H2O の一般式をもち (Mはアルカリ金属) ,M2SO4 と硫酸アルミニウム Al2(SO4)3 との複塩のことをさす。Mはまたアンモニウム,タリウムなどによって置換することができ,アルミニウムは3価の鉄,クロムによって置換することができる。いずれも立方晶系に属する正八面体 (ときに立方体) の大きい結晶である。単にミョウバンというときは,カリウムアルミニウムミョウバン KAl(SO4)2・12H2O をさすことが多い。これはカリウムミョウバンとも呼ばれる。媒染剤,硬膜剤,皮なめし,写真用定着剤などとして使用される。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

栄養・生化学辞典

ミョウバン
 Al2(SO4)3K2SO4・24H2O.

 膨張剤,保色剤などに使われる食品添加物

出典:朝倉書店
Copyright (C) 2009 Asakura Publishing Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

ミョウバン
みょうばん / 明礬
alum
一般式MM(SO4)212H2OあるいはM2(SO4)M2(SO4)324H2Oで示される複塩の総称。Mは1価の金属イオンあるいはアンモニウムイオンで、ナトリウムNa、カリウムK、ルビジウムRb、セシウムCs、アンモニウムNH4、タリウムTlなどがある。Mは3価の金属イオンで、アルミニウムAl、ガリウムGa、インジウムIn、バナジウムV、クロムCr、マンガンMn、鉄Fe、コバルトCo、ロジウムRh、イリジウムIrなどがある。これらのうちM=K,M=Alのとき、すなわちKAl(SO4)212H2O(カリウムアルミニウムミョウバン)が、もっとも古くから知られており、これが初め「明礬」とよばれていたものである。現在でも単にミョウバンというときはこのものをさすことが多い。「ミョウバン」の語は、ラテン語の「苦い塩」という意味のalumenに由来し、天然産のアルミニウムを含む硫酸塩がアルミニウムaluminiumの語源ともなっている。また「明礬」は「透明な礬類」の意味で含水硫酸塩のことであり(礬はアルミニウムの硫酸塩を意味する)、このものがガラスのような光沢をもっていることから名づけられたようである。[中原勝儼]

ミョウバン類の種類と構造

いずれも美しい正八面体結晶をつくり、特徴ある性質を示すので、それぞれの金属イオンの名称でよばれる(普通はM、Mの順)。ただしカリウムおよびアルミニウムは省略されることが多い。すなわち(NH4)Al(SO4)212H2Oはアンモニウムミョウバン、KCr(SO4)212H2Oはクロムミョウバンなどのようによぶ。硫酸塩ではなくセレン酸塩MM(SeO4)212H2Oでもまったく同形結晶をつくることもあるので、このような場合にはセレンミョウバンということもある。たとえば、KAl(SeO4)212H2O,TlCr(SeO4)212H2O,CsGa(SeO4)212H2Oなどがそうであり、それぞれセレンミョウバン、クロムタリウムセレンミョウバン、ガリウムセシウムセレンミョウバンなどとよんでいる。
 ミョウバン類はその結晶構造からα(アルファ)、β(ベータ)、γ(ガンマ)のように分類されることがあるが、普通のミョウバンは多くαでその代表的なカリウムアルミニウムミョウバンの構造はのようである。すなわちK[(H2O)6]+と[Al(H2O)6]3+の陽イオンが三次元的に交互に並び、これらのイオン四つの組でつくる立方体のそれぞれの中心に四面体の硫酸イオンSO42-が入っている構造である。このときの[Al(H2O)6]3+におけるAl-OH2距離は1.98オングストローム(Å)で、この結合は共有結合性が強く、[Al(H2O)6]3+は明らかに錯イオンをつくっている。これに対して[K(H2O)6]+ではK-OH2 2.94Åで、これは錯イオンというよりは、単なる水和イオンと考えられる。そのほかのミョウバンでも、多くはこれと同じような構造のαミョウバンであるが、Mのイオン半径が大きくなると硫酸イオンとの相互作用が出てきて、配位形式が変わってきてβミョウバンとなる。逆にMのイオン半径が小さいときは、硫酸イオンがαミョウバンと異なる位置に入るが、これがγミョウバンである。
 ミョウバン水溶液は、[M(H2O)6]3+が解離して弱酸性を示すが、水溶液から成長させると正八面体の大結晶が生じ、うまくすると1稜(りょう)の長さ数十センチメートルのものが得られる。[中原勝儼]

カリウムアルミニウムミョウバン

ミョウバン類の代表的なものである。カリウムミョウバンということもある。紀元前のギリシアですでにその存在が記録されている。ヨーロッパだけではなく、中国、日本でも媒染剤あるいは製紙用などに古くから使われている。硫酸カリウムと硫酸アルミニウムの酸性水溶液を濃縮、冷却すると得られる。明礬石KAl3(SO4)2(OH)6を粉砕し、硫酸に溶かして冷却しても得られる。無色の結晶で水に溶けやすく、エタノール(エチルアルコール)には難溶、グリセリンに可溶。水溶液は甘酸っぱい渋味がある。固体を160℃以下で穏やかに熱すると無水塩が得られるが、これは焼きミョウバンあるいは枯礬(こばん)という。急速に熱すると、92.5℃で結晶水に溶ける。200℃で結晶水を失い、三酸化硫黄(いおう)SO3を発して分解する。さらに熱すると硫酸カリウムと酸化アルミニウムになる。医薬品(湿布、防腐)、染色、顔料(レーキ)、製紙(サイジング)、皮なめし、めっき、食品添加剤、写真用硬膜剤、水の清澄剤などに用いられる。[中原勝儼]

アンモニウムミョウバン

硫酸アンモニウムと硫酸アルミニウムの酸性水溶液から結晶する無色の結晶。比重1.642。加熱すると結晶水を失い、高温では分解してアルミナとなる。アルミニウムカリウムミョウバンと同じように用いられる。[中原勝儼]

アンモニウム鉄ミョウバン

硫酸鉄()FeSO47H2Oの水溶液に硫酸を加えて煮沸し、硝酸で酸化する。この溶液に硫酸アンモニウムを加えて濃縮すると結晶として得られる。化学式(NH4)Fe(SO4)212H2O。淡赤紫色結晶。空気中では風解する。水に易溶、エタノールに不溶。150℃で(NH4)Fe(SO4)20.5H2Oとなり、230℃ではほとんど無水和物となる。媒染剤、写真用硬膜剤などに用いられる。[中原勝儼]

クロムミョウバン

硫酸クロム()と硫酸カリウムの混合水溶液から結晶が析出する。あるいは二クロム酸カリウムK2Cr2O7を硫酸酸性で、エタノール、二酸化硫黄などで還元して得られる。暗紫色結晶。25~30℃で結晶水の半分を失い、100℃ではさらに結晶水を失って緑色となり、350℃で完全に無水塩となり分解する。媒染剤、皮なめしに用いられる。[中原勝儼]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

化学辞典 第2版

ミョウバン
ミョウバン
alum

硫酸アルミニウムと一価金属の硫酸塩からなるMAl(SO4)2・12H2O型の複塩をいうが,広義には,M M (SO4)2・12H2Oをさす(M = Na,K,Rb,NH4など,M = Al,Cr,Feなど).いずれもM[M (OH2)6](SO4)2・6H2O型で,アクア錯体 [M(OH2)6]3+ の色が現れる.化学式の示す割合に,成分硫酸塩溶液を混合して蒸発結晶化して合成する.結晶を加熱すると60~120 ℃ でその結晶水中に溶解するが,さらに加熱すると結晶水を失い,高温では酸化アルミニウム二酸化硫黄などに分解する.水溶液は成分硫酸塩を混合した液とまったく同じであり,酸性を示す.単にミョウバンといえばKAl(SO4)2・12H2Oをさす.[CAS 7784-24-9:KAl(SO4)2・12H2O][別用語参照]硫酸カリウムアルミニウム焼きミョウバン

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
東京工業大学名誉教授理博 吉村 壽次(編集代表)
信州大学元教授理博 梅本 喜三郎(編集)
東京大学名誉教授理博 大内 昭(編集)
東京大学名誉教授工博 奥居 徳昌(編集)
東京工業大学名誉教授理博 海津 洋行(編集)
東京工業大学元教授学術博 梶 雅範(編集)
東京大学名誉教授理博 小林 啓二(編集)
東京工業大学名誉教授 工博佐藤 伸(編集)
東京大学名誉教授理博 西川 勝(編集)
東京大学名誉教授理博 野村 祐次郎(編集)
東京工業大学名誉教授理博 橋本 弘信(編集)
東京工業大学教授理博 広瀬 茂久(編集)
東京工業大学名誉教授工博 丸山 俊夫(編集)
東京工業大学名誉教授工博 八嶋 建明(編集)
東京工業大学名誉教授理博 脇原 將孝(編集)

Copyright © MORIKITA PUBLISHING Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの項目は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

ミョウバン」の用語解説はコトバンクが提供しています。

ミョウバンの関連情報

関連キーワード

マレーシア航空ベケット二重文節シンガポール航空ダビッド ベーマルウエア悪の華悪の華マルウェア赤髯王の呪い

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.

アット・ニフティトップページへ アット・ニフティ会員に登録

ウェブサイトの利用について | 個人情報保護ポリシー
©NIFTY Corporation