●モデュール
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
モデュール
module
建築用語。建築の各部分を一定の寸法の体系で整える場合の基準寸法。古代ヨーロッパにおいて,人間の肢体の部分の長さをもとに定めた,計測の基準単位をモデュルスと呼んだことに由来する。古来ギリシア建築,ローマ建築,さらにはルネサンス建築などにおいて用いられたオーダーや,日本の木割など,なんらかの形でモデュールは存在してきたが,第1次世界大戦中,アメリカの A.ベミスが主張し,今日ではそれぞれの建築家によってさまざまなものに用いられている。特にル・コルビュジエが黄金比をもとに定めたモデュロールの体系は有名である。
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知恵蔵
モデュール
建築を設計する際に用いられる基準寸法。時代や地域によって異なり、その意味では日本の伝統建築で長らく用いられてきた一間(いつけん)や三尺もモデュールの一種だが、最も一般的には、柱の底面の半径を建物全体の基準に見立てた西洋の古代建築における基準寸法のことを指す。ル・コルビュジエは、この古くからあったモデュールを、黄金分割の発想を取り入れたモデュロール(Modulor:orは金を意味するフランス語)として再構成し、成人男子の理想身長を182.9cmに見立てるなど、具体的な数値と図解によって機能主義建築の必要性を力説、「住むための機械」としての住宅設計に大いに活用した。その強い影響を、日本人の体格に合わせた日本型モデュロールを提唱し、新東京都庁舎の設計に当たってそれを基準寸法として採用した丹下健三にもうかがうことができる。
(暮沢剛巳 建築評論家 / 2007年)
(暮沢剛巳 建築評論家 / 2007年)
出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
リフォーム用語集
モデュール
建築生産面での基準寸法または基準寸法の組み合わせによる寸法体系。柱の芯々寸法を3尺(91cm)とする「3尺モジュール」、廊下や階段巾などにゆとりをもたせた、芯々1mを基準寸法とする「メーターモジュール」などがある。
出典:リフォーム ホームプロ
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世界大百科事典 第2版
モデュール【module】
モジュールともいう。測定単位あるいは機能単位を示す用語として多くの技術分野で用いられている。古い用語としてギリシア,ローマの石造建築の比例を定めるために用いられた〈モドゥルス〉があり,ローマ時代にウィトルウィウスによって著された《建築十書》には,円柱基部の直径を1モドゥルス,すなわち寸法の基本単位として,柱の高さや柱間など神殿各部の寸法を導く方法が詳述されている。現代の建築モデュールもやはり寸法の単位であるが,比例のためというよりもむしろ量産構成材のための寸法規格という意味合いが強い。
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家とインテリアの用語がわかる辞典
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