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モデル・ビルディング【モデルビルディング】

日本大百科全書(ニッポニカ)

モデル・ビルディング
もでるびるでぃんぐ
model building
計量経済学では、経済予測や経済分析を行うに際して、経済を構成する個々の経済的変量(経済変数)の間の因果関係を一組の方程式体系によって表現することが行われる。すなわち、まず、経済学の知識を援用して研究対象とする経済のもつ経済変数間の因果関係を一般的な数式として設定し、ついで、変数間を結び付ける具体的な係数を、それらの経済変数に関する過去のデータに基づいて推定する。こうすることによって、その経済についての模型(モデル)ができあがる。これらの一連の作業が、モデル・ビルディングとよばれるものである。
 いま、ある経済社会の動きの基礎にある構造を、その経済を構成する主要な変数として、国民所得Y、消費支出C、投資Iの三変数を中心として表現するものとする。まず、人々の消費行動および企業の投資活動に関する経済理論を手掛りとして、消費および投資の動きを説明する方程式を一般的な数式として定める。さらに、これらの合計値は社会全体の総需要として国民所得Yに一致するという国民所得統計に関する知識を用いて一つの均等式を置く。以上によって、経済社会の構造が、次のような一組の連立方程式として表現されることになる。

これらの式のなかで、変数につけたtは時間を表し、Kは現存する生産設備量であり、uvは消費行動および投資活動において確率的に変化する部分を表現するものとして導入された変数である。そして、αおよびβは経済変数間の因果関係の強さを示す係数であり、パラメーターとよばれる。
 これは、一つの簡単な経済モデルの例である。このようにして設定された経済変数間の理論的な因果関係に対して、次には、研究対象となっている経済の具体的な姿を与えなければならない。それは、変数間を結び付けているパラメーターのもつ値を推定することによって行われ、この作業が、構造方程式の推定とよばれるものである。これは、モデルに採用した各経済変数が過去に示した実際の統計数値に基づいて種々の方法を用いて行われる。こうして得られた推定結果については、さまざまな角度から検討を行い、先に設定したモデルが、研究対象とする経済の姿を正しく表現しているか否かが検証される。そして、不都合な点があれば、ふたたび経済理論に立ち戻り、モデルの修正が行われる。このようにして、経済の実態を安定的に表現しうる経済モデルに到達するように努めるのである。この一連の作業が、計量経済学におけるモデル・ビルディングの具体的な内容である。[高島 忠]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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