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モンタージュ理論【もんたーじゅりろん】

日本大百科全書(ニッポニカ)

モンタージュ理論
もんたーじゅりろん
montage theory英語
теория монтажа Teoriya Montazha ロシア語
1920年代のソ連で活発に提唱、議論された映画理論。「モンタージュ」はもともとフランス語で、「機械や道具の組立て、設置、はめ込み」を意味する。映画の場合、広義にはフィルムの編集技法に含まれる。ただし、ソ連の映画監督たち、レフ・クレショフЛев Кулешов/Lev Kuleshov(1899―1970)、フセウォロド・プドフキン、セルゲイ・エイゼンシュテイン、ジガ・ベルトフらの各説では、美学的、あるいはイデオロギー的な意味合いが強い。なかでもエイゼンシュテインは、アトラクションのモンタージュ、オーバートーンのモンタージュ、垂直のモンタージュ等々、サイレント映画期からトーキー映画期にかけて(1920年代から40年代)、さまざまなモンタージュ理論を考察し、自己の作品に応用しようとした。モンタージュは撮影後の編集作業と密接に関連しているが、ベルトフは撮影前、すなわち肉眼が被写体を見つめる段階からモンタージュ作業が始まると考えた。個別的な違いは大きいにしても、ソ連のモンタージュ理論を大まかにくくると、材料としての断片的画面をどのように組織化するか、組織化した一連の画面はどのように観客へ作用するのかといった論点が共通していたといえるだろう。
 第二次世界大戦後、フランスの映画批評家アンドレ・バザンがモンタージュの映画を批判したため、モンタージュの時代は終わったとみなされたこともある。一方、イギリスの映画監督ピーター・グリーナウェイは、エイゼンシュテインやフランスのアラン・レネらの作品と理論を高く評価し、自らもきわめて個性的な作品を発表している。コンピュータによるデジタル映像時代を迎えたいま、映像の引用、複製、再編集は日常化しつつあり、今後のモンタージュ理論は新しく変貌(へんぼう)する可能性がある。[岩本憲児]
『岩本憲児著『エイゼンシュテイン解読』(1986・フィルムアート社) ▽岩本憲児著『ロシア・アヴァンギャルドの映画と演劇』(1998・水声社) ▽ジャック・オーモン他著、武田潔訳『映画理論講義――映像の理解と探究のために』(2000・勁草書房)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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