@niftyトップ

辞書、事典、用語解説などを検索できる無料サービスです。

ユイスマンス

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

ユイスマンス
Huysmans, Joris Karl
[生]1848.2.5. パリ
[没]1907.5.12. パリ
フランスの小説家。本名 Georges Charles Huysmans。著名な画家を輩出したフランドルの家系に生まれ,早く父を失った。しばらく法律を学び,1868年以来 30年間,内務省に勤務。散文詩『香料箱』Le Drageoir à épices (1874) のあと,小説『マルト』Marthe (76) でゾラに認められて自然主義作家グループと交わった。精彩ある生活描写に個性的作風を示し,『バタール姉妹』Les Sœurs Vatard (70) ,『世帯』En Ménage (81) ,『流れのままに』À vau-l'eau (82) などを発表。病的に鋭い感覚とデカダンスにあふれた傑さかしま』À rebours (84) を著したのち,超自然的世界への関心を深め,悪魔主義へと傾斜,中世の幼児殺戮者ジル・ド・レーを探究した『彼方』Là-bas (91) を経て,修道院に入りカトリックに改宗,『路上』En route (95) ,『伽藍』La Cathédrale (98) ,『修練者』L'Oblat (1903) などを書いた。また美術批評にもすぐれ,『近代美術』L'Art moderne (83) ,『画家論』Certains (89) などで印象派の紹介に努めた。その小説はフランス 19世紀末の美学,知性,精神生活の諸段階を要約したものといえる。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉

ユイスマンス(Joris-Karl Huysmans)
[1848~1907]フランスの小説家自然主義から唯美主義を経て神秘主義に転じた。作「さかしま」「彼方」など。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

ユイスマンス【Joris‐Karl Huysmans】
1848‐1907
フランスの小説家。本名Georges Charles Huysmans。生涯の大半を内務省属官に在職のまま文筆活動を続けた。処女作の散文詩集《ドラジェの小筥(こばこ)》(1874)はボードレール,ベルトランの影響があらわで,彼が真の進路を初めて見いだしたのは小説《マルト,一娼婦の手記》(1876)によってである。これがゾラに認められ,以後ゾラの弟子として自然主義を宣言する小説集《メダン夕べ》(1880)にも寄稿するが,生来神経質で世紀末的審美眼の持主である彼の資質が,技法的にはあくまでも細密な自然主義的手法を駆使しながらも,やがて自然主義文学観からの脱出を志向させ,小説《さかしまÀ rebours》(1884)を書かせた。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

日本大百科全書(ニッポニカ)

ユイスマンス
ゆいすまんす
Joris-Karl Huysmans
(1848―1907)

フランスの作家、美術評論家。本名はGeorges Charles Huysmans。オランダ系の画家の子孫でパリ生まれ。細密画家の父とともにフランスに帰化。父系の血は美術への嗜好(しこう)、母の再婚は女性不信として作品に影を落とす。学業終了後、内務省に入り、以後ほぼ晩年に至るまで小官吏として勤務のかたわら文筆活動に従事した。処女作『薬味箱』(1874)は印象派風の絵画的散文詩だったが、おりからの自然主義文学の流行を受けて散文に転向、『マルト、一娼婦(しょうふ)の物語』Marthe, histoire d'une fille(1876)を自費出版。ゾラに認められて、『バタール姉妹』(1879)や『世帯』(1881)、『流れのままに』(1882)などや自然主義宣言の小説集『メダンの夕べ』に『背嚢(はいのう)を背に』(1880)を発表する。しかし自然主義の題材の狭隘(きょうあい)さと単調さに飽き足らず、『さかしま』(1884)で自らの世紀末的審美眼を駆使した人工美の世界に転進を企て、さらに『彼方(かなた)』(1891)では神秘的自然主義として中世からの悪魔礼拝や神秘学に材を求め、カトリック回心後は中世キリスト教の探究『出発』(1895)以下三部作を発表。他方、『近代美術』(1883)などで、印象派画家を賞揚する犀利(さいり)な美術評論活動を展開した。

[秋山和夫]

『田辺貞之助訳『彼方』(1975・東京創元社)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

ユイスマンス
(Joris-Karl Huysmans ジョリス=カール━) フランスの小説家、美術評論家。自然主義から転じて、魂の神秘を象徴主義的に書いた。作「大伽藍」「さかしま」「彼方」など。(一八四八‐一九〇七

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

ユイスマンス」の用語解説はコトバンクが提供しています。

ユイスマンスの関連情報

関連キーワード

一八四八年の革命フランス史(年表)三月革命チェコおよびスロバキア史(年表)ルーマニア文学マルクス1848年の革命と自由戦争記念日労働者友愛会ガルニエ=パージェスアウスグライヒ

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.

アット・ニフティトップページへ アット・ニフティ会員に登録

ウェブサイトの利用について | 個人情報保護ポリシー
©NIFTY Corporation