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ライノウイルス

デジタル大辞泉

ライノウイルス(rhinovirus)
風邪(はなかぜ)の原因となるウイルス一種インフルエンザウイルスとは異なるものとして発見され、100以上の型がある。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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日本大百科全書(ニッポニカ)

ライノウイルス
らいのういるす
rhinovirus

ピコルナウイルス科の1本鎖RNA(リボ核酸)ウイルス。かぜ患者の鼻粘膜、咽頭(いんとう)から分離される。直径は20~30ナノメートル(1ナノメートルは10億分の1メートル)、酸性(水素イオン濃度指数pH3~5)で不安定となる。ヒト胎児気管の臓器培養によって分離できる。ヒトライノウイルスとウシライノウイルスなどがあり、ヒトライノウイルスはヒトとチンパンジーに病原性を示す。かぜ症候群(急性上気道感染症)の病因となる。血清学的には100以上の型がある。また、本ウイルス感染による免疫は、血清型にかかわらず2~16週間続くとされる。なお、感染に対する抵抗性は血清中の既存の抗体によらず免疫グロブリンA(IgA)のような分泌抗体によると考えられている。

[曽根田正己]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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内科学 第10版

ライノウイルス(コクサッキーウイルス,エコーウイルス,エンテロウイルス)
(3)ライノウイルス(rhinovirus)
概念
 ライノウイルスは,かぜ症候群(普通感冒)の原因ウイルスのなかで最も頻度の高い(30〜50%)ウイルスであり,その名称も“鼻”を意味する“rhino”に由来している.ライノウイルスによる普通感冒は非常にありふれた疾患であり通常は予後良好であるが,乳幼児や慢性肺疾患などの基礎疾患をもつ高齢者および気管支喘息患者などにおいては重症化する場合もあるため,注意が必要である.
病因
 エンテロウイルスなどと同じピコルナウイルス科に属するプラス一本鎖RNAウイルスである.直径約30 nmの正二十面体構造をとり,エンベロープ(被膜)は有さない.100種類以上の血清型が同定されており,同時に複数の型が流行することも知られている.ウイルス増殖の至適温度は鼻腔内とほぼ同じ33〜35℃であり,鼻腔への微量のウイルス接種によっても感染が成立する.
疫学
 ライノウイルスの感染は,乳幼児期から始まって幼小児期に急速に増加し,その後は生涯を通して繰り返し起こる.感染した小児から家庭内や学校で広がるパターンが多い.季節的には秋と春に流行のピークがある.感染経路は接触および飛沫感染であり,鼻汁で汚染した手指を介して鼻腔や眼の粘膜に感染する場合が多い.
臨床症状
 主症状は鼻汁,鼻閉,咽頭痛である.潜伏期間は平均で約2日間である.一般的に,咽頭痛は速やかに消失し,水様の鼻汁は膿性に変化する.成人の場合には,発熱はみられないかあっても軽微であることが多い.咳嗽は約30%に認められる.全身倦怠感や頭痛がみられることもある.通常,これらの症状は約1週間以内に回復するが,一部の患者では2〜3週間まで遷延する場合もある.ウイルス性の副鼻腔炎や中耳炎はしばしば認められる.他覚症状としては,咽頭や鼻腔粘膜の発赤・腫脹がみられる.
検査成績・診断
 特異的な一般臨床検査所見はなく,通常はかぜ症候群として臨床診断が行われる.簡易迅速診断キットは使用されていない.ウイルス分離やPCR法などによる核酸検出,血清抗体価測定などは日常臨床で利用されることは少ない.
合併症
 約0.5〜2%の患者で二次感染による細菌性の副鼻腔炎や中耳炎が合併する.気管支喘息や慢性気管支炎の患者では,それらの急性増悪がみられる場合がある.
治療・予防
 特異的な治療薬はなく対症療法のみとなる.細菌による二次感染が合併した場合には抗菌薬投与を考慮する.有用性が確立したワクチンはない.予防には手洗いによる手指の消毒が特に重要である.[藤井 毅]
■文献
Heikkinen T, Jarvinen A: The common cold. Lancet, 361: 51-59, 2003.
Turner RB: Rhinovirus. In: Principles and Practice of Infectious Disease 7th ed (Mandell GD ed), pp2389-2398, Churchill Livingstone, New York, 2010.
Winther B: Rhinovirus infections in the upper airway. Proc Am Thorac Soc, 8: 79-89, 2011.

出典:内科学 第10版
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