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ラクトン

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

ラクトン
lactone
有機物化合物の1分子内のカルボキシル基と水酸基から水を脱離して生じる式の分子内エステル総称。性質はエステルにきわめて類似し,環の大きさにより,β-ラクトン,γ-ラクトン,δ-ラクトンなどがある。β-ラクトンは環の立体的関係から不安定で,反応性に富んでいる。γ-ラクトン,δ-ラクトンは,相当するオキシ酸から容易に得られるが,環を構成する炭素原子数の多い大環状ラクトンは一般に合成困難で,特殊な条件を必要とする。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

ラクトン(lactone)
エステル基を環内に含む複素環式化合物の総称。を構成する炭素の数の違いにより、3員環はα-ラクトン、4員環はβ-ラクトン、5員環はγ-ラクトンとよばれる。果物や花の香気成分フェロモン麝香(じゃこう)などに含まれる。また、12以上の大環状のラクトンはマクロライドと総称され、強い抗菌作用を示すものが多い。

出典:小学館
監修:松村明
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編集協力:田中牧郎、曽根脩
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栄養・生化学辞典

ラクトン
 環内に-C(=O)-O-を含む複素環式化合物で,同じ分子内で-COOHと-OHがエステルを形成している形の化合物.五員環のものをγ-ラクトン,六員環のものをδ-ラクトンという.

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

ラクトン【lactone】
分子内に-COO-をもつ複素環式化合物の総称で,オキシ酸のカルボキシル基-COOHと水酸基-OHとの反応により生じた分子内エステルにあたる。4員環のものをβ‐ラクトンと呼び,順次環員数が増えるにつれてγ‐,δ‐,ε‐,……ラクトンと呼ぶ。β‐ラクトンから大環状ラクトンまで知られているが,γ‐ラクトンが最も安定でδ‐ラクトンがこれに次ぐ。各種の果実の中に微量に含まれるクマリンo‐オキシケイ皮酸のラクトンである。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

ラクトン
らくとん
lactone
環内にエステル基-COO-をもつ複素環式化合物の総称。環の大きさにより、4員環のβ(ベータ)-ラクトン、5員環のγ(ガンマ)-ラクトン、6員環のδ(デルタ)-ラクトン、……に分類される。β-、γ-ラクトン、……は、それぞれβ-、γ-ヒドロキシカルボン酸の環状エステルの構造をもつ。ラクトンの生成しやすさは環の大きさにより異なり、5員環のγ-ラクトンがもっとも安定で生成しやすく、ついで6員環のδラクトンが生成しやすい。ラクトン環が安定であるのでγ-およびδ-ヒドロキシカルボン酸は自発的に分子内脱水反応により環化してラクトンになるが、α-およびβ-ヒドロキシカルボン酸が自発的にラクトンになることはない。ラクトンは環状ケトンのバイヤー・ビリガー反応により合成できる。性質はエステルに似ていて、普通のラクトンは中性の液体である。エタノール(エチルアルコール)、エーテルなどの有機溶媒によく溶けるほか、低分子量のものは水にも溶ける。12員環以上の大環状ラクトンはマクロリドまたはマクロライドとよばれていて、エリスロマイシンなどの抗生物質や抗癌剤(こうがんざい)の基本骨格をなしている。[廣田 穰]

食品

ラクトンの多くのものは芳香があり、食品ではアンズ、モモなどの果物やバターなどの乳製品、また、ジャスミンなどの花やじゃ香といった多くのものの芳香成分として天然に存在する。これらから抽出し、食品、香水などの着香料として利用している。ラクトン類は、食品添加物の着香料の一種で、「毒性が激しいと一般に認められるものは除く」という注釈付きで認可されている。[河野友美・山口米子]
『中島基貴編『香りの技術動向と研究開発』(2004・フレグランスジャーナル社)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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化学辞典 第2版

ラクトン
ラクトン
lactone

ヒドロキシ酸のカルボキシル基とヒドロキシ基との間で,エステル化してできた環状分子内エステル.γ-ラクトン,δ-ラクトンが代表的な例であり,対応するヒドロキシ酸やハロカルボン酸の蒸留,あるいはグルタル酸,アジピン酸などジカルボン酸の銀塩をヨウ素と加熱すると得られる.ラクトンは一般に芳香をもつ液体で,低分子量のものは水,エタノール,エーテルに易溶.水酸化アルカリまたはアンモニアの作用により開環し,相当するヒドロキシ酸の塩またはアミドになる.δ-ラクトンは放置すると重合してポリエステルになる.β-ラクトン,ε-ラクトン,大環状ラクトンも合成されており,天然物も多い.ラクトンの合成法としては,γ-ラクトンのようにγ-ヒドロキシ酸をつくると自然に脱水生成する場合もあるが,対応するハロゲン酸のアルカリによる脱ハロゲン化水素反応や環状ケトンの過酸酸化(バイヤー-ビリガー反応)が用いられる.これらのラクトンは開環重合してポリエステルになりやすい.

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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