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ラジオ・アイソトープ【らじおあいそとーぷ】

日本大百科全書(ニッポニカ)

ラジオ・アイソトープ
らじおあいそとーぷ
radioisotope
アイソトープ(同位元素)のうち放射性のものをいう。放射性同位元素放射性同位体ともいい、略してRIと称する。すべての元素にラジオ・アイソトープが発見されており、その数は約2000である。ラジオ・アイソトープは科学の研究に用いられるだけでなく、工業、農業、医療など広い分野で応用面が開発されており、とくに医学的診断や治療への利用がかなりの部分を占めている。ラジオ・アイソトープの使用は、日本においては「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」(昭和32年法律第167号。放射線障害防止法などと略称)により規制されている。2010年(平成22)3月31日の時点で、この法律に基づき、放射性同位元素または放射線発生装置の使用を文部科学大臣に許可された事業所(許可事業所)が2449、その放射能が下限数量の1000倍以下の密封された放射性同位元素のみの使用を文部科学大臣に届け出た事業所(届出事業所)が3350あり、これらの総数は5799となる。ラジオ・アイソトープの大部分は、原子炉や加速器による核反応でつくられるが、日本では現在、ほとんどのラジオ・アイソトープを輸入に頼っている。製品には、無機化合物、有機標識化合物、放射性医薬品、標準試料、密封線源(放射性物質を容器に密封し、外部を汚染することなく放射線を照射できる放射線源)などがある。
 ラジオ・アイソトープの取扱いは、放射線障害防止法に従って慎重に行う必要がある。事業所には、国家試験による免状を有する放射線取扱主任者を配置し、放射線障害予防規程を作成するなどの厳しい規制がある。なお、診断、治療等の医療行為により人体に注入したラジオ・アイソトープは法の規制の対象外である。
 実際の取扱いは、放射線の遮蔽(しゃへい)、遠隔操作などにより、不必要な被曝(ひばく)を防止し、とくに口、鼻、皮膚からのラジオ・アイソトープの体内への進入防止に努めねばならない。また、使用、保管中の環境への漏出や盗難を防ぐ措置が必要である。使用済みのラジオ・アイソトープとそれにより汚染した物は、焼却、圧縮、固化等により減容(効率的に廃棄するために容積を減少させること)し、廃棄施設に廃棄する。日本アイソトープ協会は、岩手県滝沢市に滝沢研究所という廃棄施設を有し、2007年末までに200リットルのドラム缶にして55万本を搬入している。
 原子力発電に伴う放射性廃棄物のうち、低レベル固体廃棄物は各発電所の敷地内に保管の後、青森県六ヶ所村の埋設施設に処分される。使用済み核燃料の再処理施設で生ずる高レベル放射性廃液はガラス固化して地下数百メートルの処分場に廃棄する。しかし、その場所は未定である。[市川富士夫]
『滝上誠著『医学・薬学研究のためのラジオアイソトープ実験入門』(1997・医歯薬出版) ▽本間義夫・前田稔編『薬学におけるラジオアイソトープ・放射線』(2001・広川書店) ▽日本アイソトープ協会編『やさしい放射線とアイソトープ』4版(2006・日本アイソトープ協会) ▽飯田博美・安東醇・川井恵一著『放射線安全管理学』(2008・通商産業研究社) ▽日本アイソトープ協会編『放射線取扱の基礎 第1種放射線取扱主任者試験の要点』6版(2009・日本アイソトープ協会) ▽日本アイソトープ協会編『密封線源の基礎 第2種・第3種放射線取扱主任者のために』5版(2010・日本アイソトープ協会) ▽日本アイソトープ協会編『アイソトープ手帳』11版(2011・日本アイソトープ協会)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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