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レニン

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

レニン
renin
腎糸球体近接細胞でつくられる蛋白分解酵素の一つで,α2 -グロブリンに作用して,いったんアンギオテンシン Iをつくるが,これは血漿あるいは組織中の転換酵素の作用で活性化されたアンギオテンシン IIとなる。強い血管収縮作用,昇圧効果を示す。したがって,レニンの酵素活性は,これをイヌなどに静脈注射し,その後の昇圧効果をはかって定量される。原発生レニン産生腫瘍では血漿レニン活性は著しい高値を示す。 (→昇圧因子 )

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

レニン(renin)
腎臓の傍糸球体細胞から血中へ分泌されるたんぱく質分解酵素の一。アンギオテンシノーゲン加水分解してアンギオテンシンとする働きがあり、血圧を上昇させる。

出典:小学館
監修:松村明
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編集協力:田中牧郎、曽根脩
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栄養・生化学辞典

レニン
 [EC3.4.23.15].腎臓の傍糸球体細胞から分泌されるプロテアーゼで,レニン基質(アンギオテンシノーゲン)に作用してアンギオテンシンIを生成して血圧上昇を引き起こす作用をする.

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

レニン【renin】
主として腎臓の傍糸球体細胞から放出される一種のタンパク質分解酵素で,高血圧の発症あるいは維持に重要な役割を果たすものとして注目されている。1898年ティゲルシュテットR.Tigerstedtらはウサギの腎臓の水抽出液に血圧を上げる作用のあることを見いだし,この物質をレニンと命名した。ところがその後の研究により,レニンそのものには血圧を上げる作用はなく,レニンがタンパク質分解酵素として働いて血清タンパク質からつくられるアンギオテンシンが血圧を上げる作用のあることが明らかとなった。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

レニン
れにん
renin

血管収縮作用をもち、脊椎(せきつい)動物の視床下部に働いて飲水行動を引き起こすアンジオテンシンの生成に関与するプロテアーゼで、腎臓(じんぞう)の傍糸球体細胞、下垂体、顎下腺(がくかせん)などでつくられる。血中濃度は食塩摂取量が多いと低下する。ヒトのレニンはまず406個のアミノ酸からなるプレプロレニンとして合成され、N末端のプレペプチド23残基を切り離してプロレニンとなり、さらに43残基のプロペプチドを切り離して最終的に340残基のレニンとなる。分子量はヒトでは約4万で、糖タンパク質である。アンジオテンシノーゲンのアミノ末端から10および11番目のロイシンとバリンLeu-Val(ブタではLeu-Leu)の間のペプチド結合を切断してアンジオテンシンⅠとする。これはさらに、アンジオテンシン変換酵素により、カルボキシ末端からヒスチジル‐ロイシンHis-Leuを切り離されてアミノ酸8個のアンジオテンシンⅡ(Asp-Arg-Val-Tyr-Ile-His-Pro-Phe)となり、平滑筋収縮作用を現し、強い血管収縮による血圧上昇をもたらす。レニンは活性部位にカルボキシ基(カルボキシル基)をもち、アスパラギン酸(酸性)プロテアーゼに分類されているが、至適pHは中性ないし弱酸性(pH5.5~6.0)である。放線菌がつくるペプスタチンに強く阻害される。

[野村晃司]

『国府達郎・山本研三郎編『レニンと高血圧』(1986・メディカルトリビューン)』『日本比較内分泌学会編『ホルモンハンドブック』(1988・南江堂)』『三浦謹一郎編『プロテインエンジニアリング』(1990・東京化学同人)』『村上和雄・堀比斗志著『遺伝子工学から蛋白質工学へ』(1990・東京大学出版会)』『平田結喜緒編『血管分子生物学』(1995・メディカルレビュー社)』『荻原俊男他編『実地診療におけるレニン・アンジオテンシン系抑制薬の手引』(1995・医薬ジャーナル社)』『日和田邦男他編著『レニン・アンジオテンシン系と高血圧――レニン発見100周年を記念して』(1998・先端医学社)』『稲上正他著『わが国における循環調節ペプチド・因子研究のサクセスストーリー』(1999・日本臨牀社)』『日和田邦男他編『ACE阻害薬のすべて』(1999・先端医学社)』『伊藤貞嘉・堀正二編『アンジオテンシン変換酵素阻害薬と臓器保護』(2001・医薬ジャーナル社)』『日和田邦男編『高血圧研究の歴史』(2002・先端医学社)』『伊藤貞嘉著『腎と高血圧――レニン・アンジオテンシン系抑制薬の意義』(2003・メディカルレビュー社)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

レニン
〘名〙 (renin Renin) 腎臓の傍糸球体細胞から分泌される一種の蛋白分解酵素。腎障害時にこれの分泌が亢進すると血清中の他の物質に働いて動脈壁を収縮させて血圧を上昇させる物質(アンギオテンシンII)をつくる。〔薬の効用(1964)〕

出典:精選版 日本国語大辞典
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四訂版 病院で受ける検査がわかる本

レニン

基準値

0.5~3.0ng/mℓ/時(早朝安静空腹臥位)

高血圧症や浮腫性疾患などをチェック

 に示すように、レニンは腎臓から分泌されるホルモンで、血圧を上昇させる役割があります。

 また、肝臓から分泌されるアンギオテンシノゲンという糖蛋白をアンギオテンシンに分解して血圧を上昇させ、さらには、このアンギオテンシンが副腎からのアルドステロンというホルモンの分泌を促進して、血圧を上昇させるように働きます。

 すなわちレニンは、レニン自体のほかにアンギオテンシン-アルドステロンに作用することで血圧を上昇させるのです。

 したがって高血圧症や浮腫ふしゅ性疾患においては、このレニン-アンギオテンシン-アルドステロン系を調べます。

検査値からの対策

 異常値がみられたら、薬物を服用している場合は、投薬を中止して2週間以上たってから再検査をします。入院患者では、同じ日に時間をかえて、3回以上採血して日内変動を調べます。

 腎動脈の狭窄きょうさくなどが原因で、上記のレニン-アンギオテンシン-アルドステロン系の分泌が過剰になっておこる腎血管性高血圧では、外科的に狭くなった動脈を広げて、腎臓への血流を多くする腎動脈形成術を行います。

■レニン・アンギオテンシン-アルドステロン系の概要


疑われるおもな病気などは

◆高値:アルドステロンが低値→アジソン病、21-水酸化酵素欠損症など

    アルドステロンが高値→腎血管性高血圧、レニン産生腫瘍、悪性高血圧、褐色細胞腫、甲状腺機能亢進症、うっ血性心不全、肝硬変など

◆低値:アルドステロンが低値→循環血漿量の増大、甲状腺機能低下症など

    アルドステロンが高値→原発性アルドステロン症、原発性副腎過形成など

医師が使う一般用語
「レニン」

出典:法研「四訂版 病院で受ける検査がわかる本」
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