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ワルツ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

ワルツ
waltz
19世紀にヨーロッパで愛好された4分の3拍子舞曲舞踊。フランスではバルス valseと呼ばれ,プロバンス地方を起源とする説もあるが,直接には 18世紀後半ドイツ舞曲のレントラーから発展したもので,語源はドイツ語で「回転する」 waltzenという意味。 19世紀初頭のウィーン会議 (1814~15) の頃に急速に人気が高まり,J.ランナーやヨハン・シュトラウス父子 (→シュトラウス (父) , シュトラウス (子) ) らによってウィンナ・ワルツ様式が完成した。交響曲にもベルリオーズの『幻想交響曲』やチャイコフスキーの『交響曲第5番』などに取り入れられ,ピアノ曲ではショパン,シューベルト,ウェーバー,ブラームスらの作品がある。またチャイコフスキーの『白鳥の湖』『くるみ割り人形』などのバレエ音楽のほか,R.G.シュトラウスの『ばらの騎士』などのオペラ,合唱曲など,あらゆる分野でみられるようになった。また舞踊としてのワルツは,カップルが手をとり合って踊る最初のものとして知られる。抱擁し,旋回しながら一方向に円を描いて踊るが,上流社会では当初風紀的理由から禁じられたこともあった。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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朝日新聞掲載「キーワード」

ワルツ
ドイツのマイスター試験を受ける前、企業や工場で働く代わりに行う修業。3年と1日以上旅をしながら、各地職人の技術を学ぶ約800年前からの伝統だ。資金を持たずに旅を始め、トレードマークを着て、公共交通に乗らず、原則徒歩とヒッチハイクで旅する。
(2010-06-09 朝日新聞 朝刊 三重全県 1地方)

出典:朝日新聞掲載「キーワード」

デジタル大辞泉

ワルツ(waltz)
18世紀末ごろにヨーロッパに起こった4分の3拍子の舞曲および舞踏。舞踏の伴奏を目的としない独立した器楽作品もある。円舞曲

出典:小学館
監修:松村明
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世界大百科事典 第2版

ワルツ【waltz】
18世紀末にオーストリア,南ドイツに生まれ,19世紀から20世紀初めまで社交ダンスのうち最も人気のあった3拍子の舞曲円舞曲とも訳される。ドイツ語のwalzen(旋回する)が語源とされ,抱き合った男女の1対が足を滑らせるようなステップで旋回し,同時にフロア円形に回るのが特徴である。類似した舞曲は古くから認められるが,直接の前身はオーストリアの農民舞曲レントラーLändlerと考えられる。 ウィーンで18世紀末にワルツが宮廷舞踊にとってかわった事実は,パートナーが直接抱き合うという民衆性とともに,舞踊史上象徴的な意味をもつ。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

ワルツ【waltz】
三拍子の優美な舞曲。一九世紀の初めに始まる。社交ダンスに用いられる中庸のテンポのものや、ウィーンワルツに代表される速いものなどがある。また、ピアノ曲など、舞踊に用いない器楽曲もある。円舞曲。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

ワルツ
わるつ
waltz英語
Walzerドイツ語
valseフランス語
の速さの三拍子の舞曲、およびその舞踊。「円舞曲」とも訳される。舞踊の特色は、男女が抱き合うように組み、重心を波状に移動させながら円を描いて踊る点にある。[田井竜一]

歴史

その直接の起源は、18世紀の中ごろにドイツのバイエルン地方やオーストリアで踊られていた緩やかな三拍子のレントラーLndlerなど、一般にドイツ舞曲と総称される舞曲にある。実際ワルツということばが使われ始めたのは1780年ごろで、「回る・回転する」を意味するwaltzenがその語源であるといわれている。その後新しい社交ダンスとして急速に流行するようになったが、一方で不道徳であるという理由により弾圧を受けたりもした。しかし1814年から15年にかけて開催されたウィーン会議を契機にヨーロッパ全土に広まり、あらゆる階層の人々によって踊られるようになった。[田井竜一]
ウィンナ・ワルツ
こうしたワルツ熱をさらに助長し、一世を風靡(ふうび)したのが、ヨーゼフ・ランナーやヨハン・シュトラウス父子らによって1820年代以降に確立された「ウィンナ・ワルツ」である。その特色は、第二拍目と第三拍目をすこしずらす独特なリズムと、いくつかのワルツをつなぎあわせ、それに序奏とコーダをつけた長大な形式にある。ウィンナ・ワルツの登場によって、ワルツは娯楽性と芸術性を兼ね備えたものになったといえる。なおウィンナ・ワルツの作曲家にはこのほかツィーラー、『スケートをする人々』のワルトトイフェル、『ドナウ川のさざなみ』のイバノビッチ、『金と銀』のレハールなどがいる。[田井竜一]
演奏会用ワルツ
またワルツの流行は芸術音楽の作曲家にも刺激を与え、多数の演奏会用ワルツが生み出されるようになった。その初期の例として、シューベルトのピアノ作品やウェーバーの『舞踏への勧誘』をあげることができる。その後、ショパン、リスト、サン・サーンス、シベリウス、グラズーノフなどの多くの作曲家がさまざまなワルツを書いている。またベルリオーズやチャイコフスキーは、交響曲にワルツを導入した。20世紀になると、ラベルやサティの作品などグロテスクな感じや懐古趣味的な色彩を帯びたワルツも生まれるに至った。[田井竜一]
バレエ、オペラにおけるワルツ
さらにワルツはバレエやオペラおよびオペレッタにも数多く用いられている。バレエではドリーブの『コッペリア』『シルビア』、チャイコフスキーの三大バレエなど、オペラではグノーの『ファウスト』、R・シュトラウスの『ばらの騎士』などのワルツが有名である。オペレッタではヨハン・シュトラウスの『こうもり』にみられるように、ワルツ調の歌が数多くつくられた。[田井竜一]

ワルツのバリエーション

ワルツは世界的に流行したが、同時に各地にもともとあった音楽と融合した独特のワルツも誕生した。たとえば北欧のものはバルシュvallsiなどとよばれるが、テンポはゆっくりしており、むしろレントラーに近い性格をもつ。またパリの下町で踊られるバルス・ミュゼットvalse musetteは一拍目にアクセントがあるワルツで、バッグパイプのミュゼット(のちにアコーディオンにとってかわられた)の伴奏で踊られる。北アメリカではボストンBostonとよばれるゆったりとしたワルツが愛好され、1920年代にはヨーロッパでも流行した。さらに南アメリカにも導入され、コロンビアのパシージョpasillo、ペルーのバルス・ペルアーノvals peruanoなどがよく知られている。とくにペルーのものは、3/4拍子と6/8拍子の混合拍子で、独特の力強さと味わいをもっている。[田井竜一]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

ワルツ
〘名〙 (waltz) 舞踊曲の一形式。一九世紀初頭からオーストリアで始まった四分の三拍子の舞曲で、優美、典雅、流麗な曲調が特色。ショパンのワルツに代表される芸術的器楽曲、ヨハン=シュトラウスの作に代表されるウインナ‐ワルツ、社交ダンス用のリズムを主体にしたワルツなどがある。円舞曲。ワルス。
※藪の鶯(1888)〈三宅花圃〉一「まだワルツがきまりませんなら願ひませうか」

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