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一妻多夫婚【いっさいたふこん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

一妻多夫婚
いっさいたふこん
polyandry
複婚の一種。1人の妻が多数の夫と同時に婚姻関係をもつものと,1人の妻が一定期間に次々と夫を変えて同棲するものとがあるが,後者の場合,妻の貸与習俗と混同される面があった。一妻多夫婚の場合,その分布や制度化の程度は一夫多妻婚に比して著しく限定されており,その動機もまちまちである。著名な例はインドトダ族チベット人アフリカのワフマ族,ヒマ人などにみられるにすぎない。チベット人の場合は,兄弟財産分割を避けるため,および労働力維持増大のためという要因が強く,ワフマ族の場合は,独立して妻をもてない兄弟が夫権を共有するという要因によっている。このように,兄弟間で妻を共有するという事例が多く,それも当該民族の間で望まれている制度というわけではなく,きわめて例外的である。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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世界大百科事典 第2版

いっさいたふこん【一妻多夫婚 polyandry】
1人の妻が2人以上の社会的に認められた配偶者をもつ婚姻形態。これは夫としての身分が明確であるかかにより,単なる妻貸しや愛人関係とは区別される。チベットなどにみられる,兄弟が1人の妻と同一世帯を形成するタイプと,トダ族のように妻が別々に住む夫たちのところを定期的に巡回するタイプ,あるいはナヤール族のように数人の夫が1人の女のもとを訪れるタイプがある。この制度では,複数の夫のうち誰を子どもの社会的父親と認定するかが常に問題となる。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

一妻多夫婚
いっさいたふこん

複婚plural marriage, polygamyの形態の一つで、1人の女性が同時に2人以上の男性を配偶者とする制度。ポリャンドリーpolyandryという。一妻多夫婚の事例は現実にはきわめて少ない。インドのトダやカダール、チベット人、ポリネシアのマルケサス島人、スリランカのシンハラなどの間でみられる。トダの人々の間でみられるように兄弟同士で妻を共有する場合が多いが、カダールやインドのナヤールにおいてのように、1人の妻と関係をもつ男同士が無関係である場合もある。前者は一妻兄弟婚fraternal polyandry, adelphic polyandryともよばれる。一妻多夫婚とされる多くの場合、実際に男たちによって共有されているのはその女性との性交の権利だけであり、これらの結び付きの結果生まれた子供は、しばしばその女性と最初に契約を結んだ男の実子とされるということから、これら一妻多夫婚が厳密には複婚ではないと考える論者もいる。ナヤールの間でのように、夫たちは妻のもとに通うだけで同居せず、生まれてくる子供に対していっさい責任を負わず家族を養う義務もないといったぐあいに、私たちのもつ結婚や家族に対する通念をもってしては理解が容易でないケースも多い。

[濱本 満]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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