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一行【いちぎょう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

一行
いちぎょう
Yi-xing
[生]弘道1(683)
[没]開元15(727)
中国,唐の真言密教をインドの善無畏金剛智に学んだ。真言宗五祖の一人。暦法にも通じていたという。主著は『大日経疏』『大衍暦』など。

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デジタル大辞泉

いち‐ぎょう〔‐ギヤウ〕【一行】
文章のひとくだり。文字の一列。
仏教の一つの行(ぎょう)。また、一つの行に励むこと。
いっこう(一行)4

出典:小学館
監修:松村明
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いちぎょう【一行】[人名]
[683~727]中国、唐代の僧。善無畏(ぜんむい)金剛智に学び、密教の基礎をつくった。、また暦法に詳しかった。著「大日経疏」「大衍暦(だいえんれき)」など。一行阿闍梨(あじゃり)。大慧禅師(だいえぜんじ)。

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いっ‐こう〔‐カウ〕【一行】
一緒に行く人々。同じ行動をする人々。「選手団一行
ひとつらなり。1列。「一行の雁」
一つの行い。「一行失すれば百行(はっこう)ともに傾く」「一言一行
書面一通。特に許可・借用などの証拠となる文書一通。いちぎょう。
「各五千石の―を頂戴せしめ」〈太閤記・六〉

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ひと‐くだり【一行】
文章の1行。また、文章・話の中の一部分

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世界大百科事典 第2版

いちぎょう【一行 Yī Xíng】
683‐727
中国の唐代の密教僧,天文学者。〈いっこう〉とも読む。本名は張遂,魏州(河南省)昌楽の出身。経史,暦象陰陽五行の学に精通するとともに,天台,禅をも学び,さらに善無畏より密教を伝授された。721年(開元9),李淳風麟徳暦(儀鳳暦)による日食予報にたびたび誤報があったことから,玄宗は一行に改暦を命じた。彼はまず梁令瓚と黄道游儀を作って太陽,月,5惑星の運行および恒星の位置を測定し,また水力で動く天球儀(水運渾象)を製作した。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

いっこう【一行】

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日本大百科全書(ニッポニカ)

一行
いちぎょう
(683―727)

中国、唐代の密教の高僧。天文暦学の科学者。魏州(ぎしゅう)(河北省)昌楽(しょうらく)の人。幼時より聡明(そうめい)で、長じて経史を学び、とくに天文暦算を究めた。出家して嵩山(すうざん)の普寂(ふじゃく)禅師(651―739)に禅要を学び、また荊州(けいしゅう)(湖北省)当陽山の悟真に律蔵を学ぶ。ついで天台山に登り、天台教学の秘奥(ひおう)を修めた。のち717年(開元5)召されて長安に赴き、深く玄宗(げんそう)の帰依(きえ)を受けた。そのころ716年に善無畏(ぜんむい)がインドから大陸を経て来唐し、ついで720年に金剛智(こんごうち)が南海を渡って来唐し、密教経典の伝訳の大事業をなすと、一行はとくに善無畏の訳場に列して『大日経』の訳出を助け、さらに師の指南を受けながら『大日経疏(だいにちきょうしょ)』20巻の大著を完成した。またこの間の721年、勅によって新暦を撰(せん)し、ついで『大衍暦(だいえんれき)』52巻を撰した。かくて名声はいよいよ高まり、一代の英才と仰がれたが、惜しくも45歳の若さで寂(じゃく)した。諡号(しごう)を大慧禅師(だいえぜんし)といい、玄宗自ら塔録(とうろく)を撰した。

 一行は密教史上偉大な業績を残した人であるが、現代の中国ではむしろ天文暦法の科学者としての評価が高い。

[勝又俊教 2017年1月19日]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

いち‐ぎょう ‥ギャウ【一行】
〘名〙
② 文章のひとくだり。また、書かれた文字の一列。いちごう。
※延喜式(927)五〇「凡内外諸司解文。〈略〉不一行過十三四箇字」 〔李白‐寄遠詩〕
※造化妙々奇談(1879‐80)〈宮崎柳条〉二編「一行(イチギャウ)皆驚怖し。進退維れ谷まれり」
⑥ =いっこう(一行)⑤〔日葡辞書(1603‐04)〕
⑦ 仏語。一事に専心すること。また、一つの行(ぎょう)
※教行信証(1224)三「宗師云専念即是一行」
※一言芳談(1297‐1350頃)上「一行におもひさだめて後、人のとかくいへばとて、変改の条無下の事なり」

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いちぎょう イチギャウ【一行】
中国唐代の僧。嵩山、普寂より禅を、のち、善無畏、金剛智より密教を学ぶ。「大日経疏」二〇巻を撰して、密教の基礎を築いた。また、天文暦数にくわしく、従来の暦の計算を正し、「大衍暦(たいえんれき)」五二巻を著わした。一行阿闍梨。大慧禅師。(六八三‐七二七

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いっ‐こう ‥カウ【一行】
〘名〙
① ひとつらなり。一並び。一列。いちぎょう。
※延喜式(927)三八「前一行為辨官并諸司五位已上座
※本朝麗藻(1010か)下・過秋山〈具平親王〉「三叫寒猿傾耳聴。一行斜雁払頭過」
※俳諧・蕪村句集(1784)秋「一行の雁や端山に月を印(いん)す」 〔白居易‐喜小楼西新柳抽条詩〕
② 許可、賞与、借用などを旨とする文書。証拠の文言。いちぎょう。
※吾妻鏡‐寿永三年(1184)三月一七日「諸事、兼信可上司之旨賜御一行
※御成敗式目仮名抄(室町末)起請「兼又評定衆の中一行をかきあたへられは」
③ 一通の手紙。また、書状。いちぎょう。
※曾我物語(南北朝頃)五「一かうの書を魚の腹の中に入て、獄中にいれたり」
※日葡辞書(1603‐04)「Iccǒ(イッカウ)〈訳〉書状一通。ニカウ(二行)とは言わない」
④ 旅などをいっしょにしている仲間。同行の団体。旅の道連れ。
※五山堂詩話(1807‐16)一「一行聴者皆傷愁、為作喩辞沈憂
⑤ 一つの行ない。また、ちょっとした行ない。
※浮世草子・好色訓蒙図彙(1686)中「生つき虚弱の人、一行の後、心おもく、むねつかえ」 〔淮南子‐氾論訓〕
⑥ ひとたび行くこと。
※上井覚兼日記‐天正一三年(1585)閏八月二一日「小国表へ〈略〉一行可仕之由也」 〔晉書‐芸術伝・卜
⑦ 六か月の称。
[語誌]読み方には、少なくともイッカウ、イチガウ、イチギャウの三通りが認められる。「日葡辞書」では、漢音よみイッカウを「一通の書状」の意、その濁音形イチガウを「文字の書いてある行の数え方」の意、呉音よみイチギャウを「一つの行ない」の意としており、読みの区別が意味の区別に対応している。

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いつ‐ごう ‥ガウ【一行】
〘名〙 =いっこう(一行)
※松井本太平記(14C後)四「一つ行(ガウ)の書を魚の腹の中に収めて」

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ひと‐くだり【一行】
〘名〙
① 文章のいちぎょう。また、非常に短い文章。
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「手まどひをしてひとくだりの文も奉らぬに」
② 文章・物語の一部分。一区切り。一節。
※人情本・春色梅児誉美(1832‐33)初「此一条(ヒトクダリ)お長が苦心のくやしきを見て」
③ ひとくさりの通り文句。きまりきった口上。また、その一部分。一席。
※浄瑠璃・近江源氏先陣館(1769)二「とくと御合点なされしかと、出家気質の一行(クダリ)
④ 一つの列をなしているもの。また、その列。一列。いちぎょう。
※俳諧・桃青三百韻附両吟二百韻(1678)「法の声即身即非花散て〈芭蕉〉 余波(なごり)の鳫も一くだり行〈信章〉」

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