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三言二拍【さんげんにはく】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

三言二拍
さんげんにはく
San-yan Er-pai
中国,明末の口語短編小説集5種の総称。「三言」とは馮夢龍 (ふうむりょう) の編著古今小説』 (『喩世明言』) ,『警世通言』『醒世恒言』をさし,「二拍」とは凌濛初 (りょうもうしょ) の編著『拍案驚奇』『二刻拍案驚奇』をさす。「三言」は天啓年間,「二拍」は崇禎初期と,明末の一時期に相次いで出版されたもので,各本とも 40編を収めるが,ただ『二刻拍案驚奇』のうち1編は戯曲で,1編は『初刻拍案驚奇』と重複する。『清平山堂話本』などに始った話本 (わほん) の系統をひく短編小説集出版の風潮の総決算ともいうべきもので,この5種からすぐれた作を選んだ『今古奇観』が出版されて非常に流行したため,その母体である「三言二拍」の影が薄くなり,「三言」は近年日本で再発見されるまでは,書名が伝わるだけであった。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

さんげん‐にはく【三言二拍】
中国、明末に刊行された口語体の短編小説集の総称。三言とは、馮夢竜(ふうぼうりゅう)編著の「喩世(ゆせい)明言」「警世通言」「醒世(せいせい)恒言」、二拍とは、凌濛初(りょうもうしょ)編著の「拍案驚奇」「二刻拍案驚奇」をいう。

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

さんげんにはく【三言二拍 Sān yán èr pāi】
中国,明代末期(17世紀前半)に出版された五つの口語体短編小説集の総称。すなわち馮夢竜(ふうぼうりゆう)編の《喩世明言》(原題は《古今小説》),《警世通言》《醒世恒言》の〈三言〉と,凌濛初(りようもうしよ)編の《初刻拍案驚奇》《二刻拍案驚奇》の〈二拍〉とを言う。各書とも40巻,計200巻。各巻が小説1編であるが,重複1編と《二刻拍案驚奇》第40巻が実は戯曲であるのを除き,全部で198編の小説を収める。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

さんげんにはく【三言二拍】
中国、宋・元・明三代の口語体の短編小説集の総称。三言とは、明末、馮夢竜編の「喩世明言」「警世通言」「醒世恒言」をいい、二拍とは、凌蒙初編の「初刻拍案驚奇」「二刻拍案驚奇」をいう。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

三言二拍
さんげんにはく
馮夢龍(ふうぼうりゅう)によって編集された『古今小説(ここんしょうせつ)』(1621?刊。のち『喩世明言(ゆせいめいげん)』と改題)、『警世通言(けいせいつうげん)』(1624)、『醒世恒言(せいせいこうげん)』(1627)、および凌濛初(りょうもうしょ)の『拍案驚奇(はくあんきょうき)』(1628)、『二刻拍案驚奇』(1632)の総称。明(みん)の嘉靖(かせい)年間(1522~67)に洪(こうべん)が、宋(そう)代以降、講釈師によって語られてきた小説(講釈の一種)のテキスト(話本(わほん))を『六十家小説』として刊行したのを受け、馮・凌2氏がこれ以降の話本や自己の創作をも加えて編集刊行したもの。各40編よりなるが、『二刻拍案驚奇』が戯曲を1編収め、かつその1編が『拍案驚奇』と重複するため総計198編からなる。「三言二拍」により、明末に存在していた話本のほとんどは目にしうるわけであるが、旧作も馮・凌2氏による改変を受けており、これをそのまま宋・元(げん)の話本とみなすことはできない。また刻するにふさわしくないと判断された話本が収められなかったことも、『六十家小説』の一部である『雨窓欹枕集(うそうきちんしゅう)』『清平山堂話本』、万暦ごろに刊行された『熊竜峯(ゆうりゅうほう)四種小説』および当時の通俗類書から知られる。「三言二拍」はその後このなかから40編を選んだ『今古奇観(きんこきかん)』が刊行されるに及び、中国では廃れるに至った。しかしその刊行よりおよそ100年を経て相次いで輸入された日本では、その一部に訓点を施した『小説三言』も刊行され、都賀庭鐘(つがていしょう)、上田秋成(あきなり)ら江戸時代の読本(よみほん)作家に多大な影響を及ぼすとともに、また明治に入って再発見されたその刊本は話本研究を大いに進展させた。[大塚秀高]
『松枝茂夫他訳『宋・元・明通俗小説選』(『中国古典文学大系25』所収・1970・平凡社) ▽辛島驍訳『全訳中国文学大系10~14 醒世恒言1~5』(1958・東洋文化協会)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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