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下人【げにん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

下人
げにん
平安時代中期から明治頃まで用いられた属民の呼び名。平安,鎌倉時代は荘園の武士名主 (みょうしゅ) に属して家事,耕作,軍事に使役され,相続売買の対象とされた。室町時代から次第に一戸を構え,自立的経営を行い,隷属から脱却するものも現れてきた。江戸時代は譜代の奉公人のみならず年季奉公人のことをも下人と呼んだが,やがて下男,下女の名称がこれに代るようになった。 (→名子被官制度 )  

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デジタル大辞泉

げ‐にん【下人】
身分の低い者。
「広く此の人間世界を見渡すに…貴人もあり、―もありて」〈福沢学問のすゝめ
平安時代以後、荘官地頭などに隷属して雑役に従事した者。売買・質入れ・譲渡の対象となった。雑人。
江戸時代、年季奉公人のこと。

出典:小学館
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編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
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しも‐びと【下人】
召使い。下女、または下男。
「馬に乗りたる男(をのこ)ども四人、―はあまたあり」〈かげろふ・下〉
身分の卑しい人。また、地下人(じげにん)。
「あやしき―のなかに、生ひ出で給へれば」〈常夏

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しも‐うど【下人】

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世界大百科事典 第2版

げにん【下人】
平安時代中期以降用いられた身分呼称の一つ。奈良時代の奴婢(ぬひ)あるいは家人(けにん)に系譜を引くと言われる隷属民。時代により性格は変化し,同時期でも存在形態は一様ではなかった。平安時代においては寺家,貴族,武士,名主(みようしゆ)等に隷属する家内奴隷的存在で,農耕,雑役,軍役等に駆使された。所領田畠や家屋家畜と同様に譲与,売買,質入れの対象とされたが,所従と異なり土地を給与されることはなかったようである。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

下人
げにん

平安時代以降の隷属民の身分呼称。平安期王朝貴族の下級役人以下庶民一般をさす呼称として用いられた。その場合、かならずしも特定の人に人身的に従属する者をさしてはいなかったが、鎌倉期には売買、相続の対象となる奴隷身分呼称として「所従(しょじゅう)」とともに多く使われるようになる。鎌倉幕府法では「奴婢雑人(ぬひぞうにん)」と称し、その所有権をめぐる紛争を調停するためのルールが示されており、同様な法規定は戦国家法(かほう)にもみられる。このような存在は、中世社会にあって飢饉(ききん)時のみならず平常時でも、年貢(ねんぐ)や諸公事(くじ)の重圧やそれに起因した私的債務などによって租税負担者の家族が売られるなどして絶えず生み出された。生活形態は多様であり、家族をなし小規模の自己経営をもつこともあったが、法的保護はなく所有者の恣意(しい)により左右される存在であった。近世になると租税徴収体系が変化したことから、公権力は小農民維持政策をとり、租税負担者の奴隷身分への転落を阻止することになる。また奴隷労働による地主手作(てづくり)経営が衰え、奴隷的存在が減少し、下人とは一般的には期限を限りその労働力を提供する年期奉公人をさすことになるが、辺境地域には奴隷身分としての下人も残存した。

[磯貝富士男]

『安良城盛昭著『増補 幕藩体制社会の成立と構造』(1964・御茶の水書房)』『大山喬平著『日本中世農村史の研究』(1978・岩波書店)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

げ‐にん【下人】
〘名〙
① 目下の者。位階が下の者。
※権記‐長保二年(1000)九月二八日「此事雖小事、依下人所一レ申、已仰補給之由、而別有勅命抑留、為之如何
② 社会的身分の低い者。卑賤の者。しもじもの者。
※続日本紀‐延暦四年(785)六月癸酉「臣苅田麻呂等、失先祖之王族、蒙下人之卑姓
※仮名草子・ぬれぼとけ(1671)上「身をほろぼせし人々は、上人・下人にゑらびなく、いくせんまんと数しらず」
③ つまらない者。品性の劣っている者。
※玉葉‐文治元年(1185)一二月三〇日「披見聞書之処、雅賢被参議、是祖父懇望之上、経房之唇吻云々、太異様事也、経房者、当時卿相之中、頗為下人之由、年来存之、依此事頗見其心操了、雖少事心底者也」
④ 平安時代以後の隷属民。荘園の地頭や荘官、名主や地主などに隷属して、家事、農業、軍事など主家の雑役につかわれ、財産として土地といっしょに、あるいは別々に売買質入や譲渡の対象となった。雑人。奉公人。
※新編追加‐三六一・寛元元年(1243)四月二〇日「一、越堺下人事。地頭等有不知之子細、年来於拘留之輩者、不年紀、今更非沙汰之限、自今以後、相互慥可糺返也。但至百姓下人者、不地頭之所従
⑤ 江戸時代、年季奉公人のこと。主家への隷属性が強く、譜代奉公人として家事や耕作労働に使役され、初期の頃は売買質入の対象ともなったが、中頃からは下男・下女と呼ばれ次第に年季奉公人化した。
※心学五倫書(1650)「君につかふまつるも、おやにつかふまつるも、心をしめて、一大事にかけてつつしむなり。又下人(ゲニン)をつかふも、つつしむなり」

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しも‐うど【下人】
〘名〙 「しもびと(下人)」の変化した語。
※色葉字類抄(1177‐81)「下 シモフト」

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しも‐びと【下人】
〘名〙
① しもざまの人。人につかわれて雑事に従事する者。召使い。下男や下女。
※蜻蛉(974頃)下「しのびて、ただきよげなる網代車(あじろぐるま)に、馬にのりたる男どん四人、しも人はあまたあり」
② 身分の卑しい者。下賤(げせん)の人。しもじも。また、地下(じげ)の人。
※源氏(1001‐14頃)紅葉賀「もの、見知るまじきしも人などの、木のもと、岩がくれ、山の木(こ)の葉に埋もれたるさへ、少しものの心知るは、涙おとしけり」

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旺文社日本史事典 三訂版

下人
げにん
古代末期〜中世の家内奴隷的隷属民
②江戸時代の年季奉公人
所従 (しよじゆう) と同階級。名主 (みようしゆ) の財産として相続・売買・譲与・質入れなどの対象とされたが,家族を持ち得た。主人の屋敷内,のち外に小屋と多少の土地を与えられ,主家の家事・軍事の雑役や佃 (つくだ) などの耕作に従事した。鎌倉中期以後,生産力の増大,農業経営の変化に伴って,下作人(名子 (なご) ・被官)や自作農になるものもでた。
家事労働や雑役に使われた。

出典:旺文社日本史事典 三訂版
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