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不知火(漁火の異常屈折現象)【しらぬい】

日本大百科全書(ニッポニカ)

不知火(漁火の異常屈折現象)
しらぬい

九州の八代(やつしろ)海(不知火海ともいう)と有明(ありあけ)海で見られる漁火(いさりび)の異常屈折現象をいう。昔は八代海方面が本場であったが、現在は有明海のものが有名。出現の条件としては、月のない午前3時前後の大潮の干潮時がよく、それは旧暦の月初めか月の終りごろにあたる、とくに旧暦の8月朔(ついたち)と12月末には光源となる漁火の数が多く、他の月の出現よりは注目される。出現時間はおよそ2時間半である。

 遠浅の干潟の部分の水温は下がっても、沖の深みの水温は下がらず、両所で3℃くらい水温の違う場合、微風が吹くと、付近の海域は密度の異なる小気塊で満たされ、それらがレンズと同じ働きをして、光源からの光が左右に屈折し、その結果一つの漁火がいくつかに分かれたり、または併合したりして明滅するのである。『万葉集』に筑紫(つくし)の枕詞(まくらことば)として、白縫、斯良農比、之良好日などとあるが、その後、不知火が使われるようになるまでの間に、数百年間このことばが用いられなかった時期があるので、現在いわれている不知火は前の枕詞とはいちおう別のことと考えられる。不知火はこの地方では千灯籠(せんとうろう)とか竜灯(りゅうとう)ともよばれ、昔は出現すると御神酒(おみき)をあげ三味線・太鼓でにぎわったという。また不知火のよく出現した年は漁がよいという俗信もある。

[根本順吉]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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