●不等式【フトウシキ】
デジタル大辞泉
ふとう‐しき【不等式】
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世界大百科事典 第2版
ふとうしき【不等式 inequality】
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
不等式
ふとうしき
inequality
(1) a>b(a はb より大きい)
(2) a≧b(a はb より大きいかまたは等しい)
(3) a<b(a はb より小さい)
(4) a≦b(a はb より小さいかまたは等しい)
ある変数についての不等式が与えられたとき,不等式を満たすような変数の値全体の集合を不等式の解と呼ぶ。また不等式の解を求めることを,不等式を解くという。不等号を含んだ数式が変数の 1次式であるとき,特にその不等式を 1次不等式と呼ぶ。不等式の両辺に同じ実数を加えても,不等号は変わらない。この性質を用いて,不等式を解く際に,等式と同様に移項の操作をすることができる。不等式の両辺に正数を掛けたり割ったりしても不等号は変わらないが,両辺に負数を掛けたり割ったりすると不等号の向きが反対になる。実数の大小に関する不等式は次の性質をもつ。
(1) a≦a,a≧a
(2) a≧b かつ a≦b ならば a=b
(3) a≦b かつ b≦c ならば a≦c
これらは順序の公理として,抽象的に定式化される性質である。
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日本大百科全書(ニッポニカ)
不等式
ふとうしき
数や式の大小関係を示す記号>,<,≧,≦を不等号といい、不等号を用いて表した式を不等式という。不等式は、実数の大小関係が基本になっている。したがって、不等式を扱うときは、かならず実数の範囲内で考えることにする。
a>b ⇔ a-b>0
a>b ⇔ 数直線上ではaはbの右側の点
が、不等号の基本の意味である(⇔は必要十分条件であることを示す)。
不等式の基本性質は
(1)a>0,b>0ならばa+b>0
a<0,b<0ならばa+b<0
(2)a>0,b>0またはa<0,b<0ならばab>0
a>0,b<0またはa<0,b>0ならば ab<0
(3)a>b,b>cならばa>c
(4)a>bならばa+c>b+c,a-c>b-c
(5)a>b,c>0ならばac>bc,a/c>b/c
a>b,c<0ならばac<bc,a/c<b/c
不等式の解法は
〔1〕一次不等式の場合、基本性質を利用して、x>a,x≧a,x<a,x≦aの形に帰着させる。たとえば、3x+5>5x+1の解は、
(3x+5)-5x-5>(5x+1)-5x-5(基本性質(4))
-2x>-4, x<2(基本性質(5))
こうしてx<2を得る( )。
〔2〕二次不等式の場合、
ax2+bx+c⋛0 (a>0)
の形に整理してから、ax2+bx+c=0の解を考える。この解の状況によって、 のように分類される。
〔3〕高次不等式の場合、因数分解して、因数の符号を考えて処理する。たとえば、
x3-2x2-5x+6>0の左辺は(x-1)(x+2)(x-3)と因数分解される。 の符号の分析により、不等式の解は
-2<x<1, 3<xとなる( )。
〔4〕分数不等式の場合、すべての項を一辺に集めて通分し、因数の符号を考えて処理する。たとえば、
これを移項して
この最後の不等式の各因子の符号の分析は例2と同じく、 のようになる。ゆえに、解は
-2<x<1, 3<x
となる( )。
〔5〕このほか、無理式を含む不等式、指数関数、対数関数、三角関数を含む不等式など、さまざまな不等式がある。
不等式の解法では、不等式が正しいために不等式の中に含まれる文字がとりうる値の集合を求めた。これに対して、与えられた条件を満たすすべての文字の値の組合せについて、不等式が恒等的に成立することの証明が必要となる場合もある。たとえば、
a>0,b>0のときa3+b3≧a2b+ab2
を証明するには、
a3+b3-a2b-ab2
=(a+b)(a2-ab+b2-ab)
=(a+b)(a-b)2≧0
同様に
a2+b2+c2≧ab+bc+ca
を証明するには、
a2+b2+c2-ab-bc-ca=(1/2){(a-b)2+(b-c)2+(c-a)2}≧0
このような、文字がどのような実数値(あるいは正の実数値)をとっても成立するものは、絶対不等式とよばれる( )。
[竹之内脩]
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精選版 日本国語大辞典
ふとう‐しき【不等式】
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