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中等教育【ちゅうとうきょういく】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

中等教育
ちゅうとうきょういく
secondary education
初等教育高等教育中間段階の教育。また初等教育のうえに接続する第2段階の教育。年齢的には青年期の教育。日本の現行学制では中学校および高等学校の教育。前者前期中等教育後者後期中等教育ともいう。歴史的には,まず高等教育への予備教育として発生し,他方初等教育が延長されて完成教育として成立した。したがって内容的には,知育中心の普通教育と中等程度の実際的,応用的職業教育の2面を含んでいる。

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デジタル大辞泉

ちゅうとう‐きょういく〔‐ケウイク〕【中等教育】
初等教育と高等教育との中間段階の教育。六・三・三制における中学校と高等学校、およびこれに準じる水準の教育。

出典:小学館
監修:松村明
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世界大百科事典 第2版

ちゅうとうきょういく【中等教育 secondary education】
学校制度の上では初等教育高等教育の中間に位置する教育であるが,その性格は歴史的に変化しており,今日なお流動的である。歴史的にいえば,中等教育は高等教育(大学や旧制高校等)に接続する特権的な教育として制度化された。その意味で,初等教育の延長あるいは初等教育後の社会教育としての〈勤労青()年教育〉(青年教育)とは基本的性格を異にするものであった。中等教育と青年教育の間に存在した教育の二重構造の問題は,その後近代社会発展にともなう国民教育要求の増大に応じて,中等教育そのものの内部問題としても無視しえなくなった。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

中等教育
ちゅうとうきょういく

学校教育の段階区分のうち、初等教育(小学校教育)と高等教育(大学教育を中心とする)の間に位置する段階。日本の現行教育制度に即していえば、中学校と高等学校における教育をいう。

 中等教育という概念は、19世紀中葉にヨーロッパに誕生したが、その中心に位置する学校は、大学準備教育をエリートに対して行う古典語文法学校(イギリスのグラマー・スクール、フランスのリセやコレージュ、ドイツのギムナジウムなど)であった。そのため、中等教育とは、庶民を対象に日常生活の準備として行われる初等教育に対置され、高等教育と直結する身分階級的な特権的エリート教育とみなされた。同じ年齢段階でも、やがて大学教育を受けるような社会階層にある者は、小学校に入学するのではなく、中等教育学校に付設されている初等教育部門か家庭教育かを経て中等学校に入学し、一方、小学校卒業者は中等学校に進学する道はなく、高等小学校か職業学校か実社会かに進んだのである。第一次世界大戦後、民主化運動の一環として統一学校運動がおこり、すべての国民子弟に共通の初等教育(ドイツでは基礎学校、フランスでは第一段階教育とよばれる)が確立されて、中等教育はそれに続く第二段階教育の性格をもつこととなった。

[桑原敏明]

中等教育の問題点

中等教育には宿命的な難問がつねに付きまとう。すなわち、この段階で学校教育を終えて実社会に出る者に対する完成教育と、さらに高等教育に進学する者に対する準備教育との調整という問題である。より基本的には、高度の国民的共通教養と学習・発達の個性化をどう調和させるかという問題である。第二次世界大戦までは、中等教育を学問的、職業的、実務的の3部門に分化(=3分岐制)し、これを別々の学校に分担させる方式が一般的であった。戦後は「すべての者に完全な中等教育を」を合いことばに、中等教育の統合が改めて問題にされ、3分岐制をとっていた国々でも総合制中等学校への改革を進めている。この改革は、中等教育を前期、後期に区分し、前期中等教育を、共通教育を施しながら適性を観察する時期、後期中等教育を、生徒ひとりひとりの特性に応じて徐々に進路に応じた教育を施す時期とする傾向を含んでいる。しかし、後期中等教育は進路別教育の時期だとして、学校やコースを多様化・細分化してしまうと、日本の例のように、受験教育の弊害が現れる。教育における共通化・共同化と、個性化・個別化は、中等教育だけの問題ではなく、生涯にわたる教育全体を通じた問題だとする認識が必要である。

[桑原敏明]

日本の中等教育の現状

今日の日本では、中学校卒業者の96.4%(2008)が高等学校に進学しており、高等学校は準義務教育化しているといえる。

 1998年(平成10)の学校教育法一部改正により、1999年に中学校・高等学校の前・後期中等教育をあわせた中高一貫教育を施す公立の「中等教育学校」が誕生した。中高一貫教育を行う学校は、中等教育期間の「ゆとり」ある安定的な学校生活を目的として、後期課程(高校段階)進学時の試験制度を実施しない。しかし、一方では前期中等教育(中学校段階)進学時の選択肢(しかも、選抜制を含む)が増えることとなるため、受験競争の低年齢化や受験エリート校化につながるおそれが生じるなどの問題が指摘されている。また、第二次世界大戦後の学制改革によって達成した単線型六三制侵食への危惧(きぐ)、高等学校間格差の増大への思惑などが加わり、一気には進展していない。

[桑原敏明]

『内田糺・森隆夫編『中学校・高等学校の歴史』(『学校の歴史 第3巻』・1979・第一法規出版)』『望田幸男編『国際比較 近代中等教育の構造と機能』(1990・名古屋大学出版会)』『今井重孝著『中等教育改革研究――ドイツギムナジウム上級段階改革の事例』(1993・風間書房)』『米田俊彦著『資料にみる日本の中等教育の歴史』(1994・東京法令出版)』『望田研吾著『現代イギリスの中等教育改革の研究』(1996・九州大学出版会)』『中島章夫・浅田匡編著『中等教育ルネッサンス――生徒が育つ・教師が育つ学校づくり』(2003・学事出版)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

ちゅうとう‐きょういく ‥ケウイク【中等教育】
〘名〙
① 初等教育と高等教育の中間における教育。六・三・三制においては、三・三に当たる中学校・高等学校の教育をいう。
※国文学緒言(1890)〈上田万年〉「国文学が一般中等教育上の一学科となり」
② 旧制の中等学校の教育。

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