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久米舞【くめまい】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

久米舞
くめまい
大嘗祭など宮中儀式に行われる楽舞。神武天皇の大和東の際,従者の久米部が歌ったという勇猛な久米歌が『古事記』『日本書紀』にみえるが,久米氏滅亡ののちは大伴,佐伯両氏に受継がれ,白鳳または奈良時代に笛と和琴 (わごん) の伴奏と舞をつけ,宮中の儀式に用いられるようになった。平安時代には,大嘗祭豊明節会 (とよのあかりのせちえ) に佐伯,大伴両氏が舞った。室町時代に絶えたが文政1 (1818) 年に再興。現在は即位礼に巻纓 (けんえい) の冠,老懸,紅袍 (こうほう) に金剣を帯びた舞人が舞う。敵を斬る振りなどがあり,戦闘舞踊としての性格がうかがわれる。全体は「参入音声 (まいりおんじょう) 」「揚拍子 (あげびょうし) 」「伊麻波予 (いまわよ) 」「退出 (まかで) 音声」の4楽章と,短い前奏,間奏の類から成り,「揚拍子」と「伊麻波予」に先立つ和琴の間奏部で舞が舞われる。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

くめ‐まい〔‐まひ〕【久米舞/来目舞】
宮中の儀式歌舞。舞人四人。もと久米氏が、のちには大伴・佐伯(さえき)両氏が大嘗会(だいじょうえ)などに奉仕した。室町末期に廃絶、江戸末期に復興した。

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

くめまい【久米舞】
雅楽の一種目。久米歌首を参入音声(まいりおんじよう),揚拍子(あげびようし),伊麻波予(いまはよ),退出(まかで)音声の4部に構成し,これに器楽の伴奏と舞とを付けたもの。古代皇権の征服・統一を象徴する勇壮な舞で,大伴,佐伯両氏により伝承され,東大寺大仏開眼供養では20人の舞人によって奏された。宮中では大嘗会など重要な儀式にあたって吉志(きし)舞と並び奏されたが,応仁の戦乱期に断絶,1818年(文政1)仁孝天皇即位の大礼の際に再興された。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

くめまい【久米舞】
古代舞踊の一。神武天皇東征の際、兄猾えうかしを征討したとき、久米部くめべが歌った久米歌に舞をつけたものという。中古は大嘗祭だいじようさいの豊とよの明かりの節会せちえなどに行われ、明治以降は大嘗祭と紀元節に行われてきた。現在では四人の舞人が剣を抜いて舞う。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

久米舞
くめまい
宮廷儀式に用いる国風歌舞の一つ。その起源は、早く王権に服属した古代の久米一族の風俗歌舞にあるといわれる。のちにこの久米集団は大伴連(おおとものむらじ)のもとで来目部(久米部)(くめべ)を形成し、主として戦闘に携わったが、その勇猛さは『日本書紀』と『古事記』神武(じんむ)天皇の条にみえる一連の来目歌(久米歌)(くめうた)に示されている。雅楽寮が設置されると、久米舞もここにおいて教習され、宮廷の式楽としての様式化が進むようになる。『令集解(りょうのしゅうげ)』によると、大伴氏が琴を弾き、その支族の佐伯(さえき)氏が刀を持って舞ったとあるが、このような舞容に、武をもって朝廷に仕えた久米部の性格の反映がみられる。さらに752年(天平勝宝4)の東大寺大仏開眼供養(だいぶつかいげんくよう)のときにも、他の楽舞とともに久米舞が行われたが、平安時代になると久米舞は大伴・佐伯両氏によって大嘗会(だいじょうえ)の豊明節会(とよあかりのせちえ)に行われることが慣例化した。
 久米舞の伝承は室町時代に至るまで続いたが、しかしこの時代を境に衰微しやがて廃絶に至り、江戸時代の1818年(文政1)の大嘗会に再興された。ただし、今日宮内庁楽部に伝えられているその再興曲は、篳篥(ひちりき)、和琴(わごん)、笛による四人舞の新作曲であり、古態そのものの復活ではない。[高山 茂]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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