●乱気流【らんきりゅう】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
乱気流
らんきりゅう
aircraft turbulence
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デジタル大辞泉
らん‐きりゅう〔‐キリウ〕【乱気流】
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パラグライダー用語辞典
乱気流
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世界大百科事典 第2版
らんきりゅう【乱気流 air turbulence】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
乱気流
らんきりゅう
aircraft turbulence
航空機が飛行中に受ける動揺のこと。大気の流れの中に回転の向き、回転軸の方向の違う大小さまざまな渦があるとき、渦の回転方向と基本流の方向が同じ場合には風は強く、反対だと弱くなる。こうして風は振幅や周期の異なる変動をする。
[中山 章]
乱れのエネルギー
風の時間平均値からの差(変動量)を2乗したものが乱れのエネルギーだが、航空機が揺れるにはこの乱れのエネルギーが必要で、軽い小型機は小さいエネルギーでも揺れ、重い大型機では大きいエネルギーでないと揺れない。乱流理論によれば、乱れのエネルギーは基本流の鉛直シア(鉛直方向での風の変化)と成層の不安定によってつくられる。
乱気流の強さを決めるもう一つの条件は渦の大きさである。非常に小さい渦は乱れのエネルギーも小さく、機体に一様に作用する。また機体よりもはるかに大きい渦では機体全体が流れの中に入るため、いずれの場合も乱気流はない。しかし、航空機よりある程度大きい渦の場合には、飛行速度が大きいため、航空機の各部に違った力が作用し複雑な運動となる。現用の大型機では10メートル~1キロメートルくらいの渦がこれに該当する。したがって、大型機に対する強い乱気流の発生には、この大きさの渦のエネルギーが大きいことが条件で、たとえば晴天乱気流では、ケルビン‐ヘルムホルツ波Kelvin-Helmholtz wave(K‐H波。ケルビン‐ヘルムホルツ不安定波、K‐H不安定波ともいう)はこの条件を満たしている。
[中山 章]
乱気流とウインドシア
ウインドシアwindshearは水平方向、鉛直方向に風向や風速の急激な変化がある状態の中を飛行する航空機が、単位時間に受ける風の変化量(ベクトル)として表される。これは周期の長い変動をもった風の急変が関係する。対地速度VG、対気速度Va、風ベクトルUの間には
VG=Va+U
の関係が成り立つ。大型機は大きな慣性をもっているから、風の急変に遭遇してもごく短い時間(Δtとする)は対地速度は変化せず、ΔVG/Δt=0である。したがって、-(ΔVa/Δt)=ΔU/Δtとなる。追い風が増す場合や、向い風が減ずる場合は右辺が正であるから対気速度は減少し、その結果、揚力も減少する。また、前記の関係式はベクトルであるから、突然に下降流域に入ると、航空機の姿勢は変化しないが、気流の方向が変わるので、迎え角は小さくなり揚力は減少する。大型機の事故はウインドシアによるものがもっとも多く、マイクロバーストはその一つである。変動周期の短い風は乱気流に影響し、長いものはウインドシアとして揚力に関係するが、これらは共存していることが多い。もちろん、乱気流による航空機の複雑な運動も揚力に関係するが、航空気象ではそこまでは考えない。気象現象としてみると、乱気流やウインドシアは、積乱雲、晴天乱気流(ケルビン‐ヘルムホルツ波)、風下波(山岳波)、低層地形による乱流に伴って発生する。また、乱気流による航空機の振動は、乗客に不快感を与えるばかりでなく金属疲労の原因にもつながる。
[中山 章]
『小倉義光著『お天気の科学――気象災害から身を守るために』(1994・森北出版)』▽『中山章著『最新 航空気象――悪天のナウキャストのために』(1996・東京堂出版)』▽『大野久雄著『雷雨とメソ気象』(2001・東京堂出版)』▽『加藤喜美夫著『航空と気象ABC』3訂版(2003・成山堂書店)』
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精選版 日本国語大辞典
らん‐きりゅう ‥キリウ【乱気流】
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