●乳酸【にゅうさん】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
乳酸
にゅうさん
lactic acid
出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
デジタル大辞泉
にゅう‐さん【乳酸】
出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
栄養・生化学辞典
乳酸

図のL-乳酸はピルビン酸が還元されて生成する.筋肉の運動によっても生じ,その大半は肝臓に運ばれてグルコースへと再変換される.乳酸菌の生産する乳酸は乳酸飲料として利用される.ヒト血液の正常値は0.6〜1.8mEq/l.
出典:朝倉書店
Copyright (C) 2009 Asakura Publishing Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
世界大百科事典 第2版
にゅうさん【乳酸 lactic acid】

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.
日本大百科全書(ニッポニカ)
乳酸
にゅうさん
lactic acid
α(アルファ)-オキシ酸の一つで、オキシプロピオン酸ともいう。分子量90.08。1780年スウェーデンの化学者シェーレによって酸敗した牛乳から発見されたので、この名がつけられた。不斉炭素原子をもち、光学異性体があるもののうち、もっとも簡単な化合物の一つで、動植物界に広く存在する。
L-乳酸は解糖の最終産物としてピルビン酸の還元によって生ずるが、乳酸デヒドロゲナーゼがこの反応を触媒する。柱状晶。融点53℃。比旋光度(+)2.6度で、吸湿性。休息時にも血液中に正常成分として少量存在するが、運動時には筋肉中のグリコーゲンから大量に生じ、血液中の濃度が増加する。D-乳酸は厚い板状晶。融点は52.8℃で、比旋光度(-)2.6度である。DL-乳酸(ラセミ体で、D-乳酸とL-乳酸の混合物)は融点16.8℃で、旋光性は示さない。
製法には発酵法と合成法とがある。発酵法では、糖質を原料として乳酸菌による乳酸発酵により生成され、これは発酵乳酸とよばれる。乳酸菌の種類によってD-またはL-乳酸、あるいはラセミ体が生成される。合成法では、アルデヒドとシアン酸より乳酸ニトリル、乳酸メチルエステルを経て得られる。用途としては、食品添加物に指定されており、合成酒の配合剤、清涼飲料水、ドロップ、ゼリー、アイスクリームなどの酸味剤、清酒醸造用として発酵初期に雑菌の生育防止などに用いられる。乳酸飲料には広く用いられ、食品にもっとも古くから広く使用されている。このほか、医薬品などにも用いられる。
[飯島道子]
出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
精選版 日本国語大辞典
にゅう‐さん【乳酸】
出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
化学辞典 第2版
乳酸
ニュウサン
lactic acid
2-hydroxypropionic acid.C3H6O3(90.08).2-ヒドロキシプロパン酸ともいう.代表的なα-ヒドロキシ酸.不斉炭素をもち,L-,D-,DL-乳酸の3種類の異性体が存在する.L-乳酸は動物の組織や器官に存在し,疲労した筋肉中に蓄積されるので肉乳酸ともいわれる.発酵法やDL-乳酸から分割して得られる.潮解性の柱状結晶.融点53 ℃.
+2.6°(10% 水).長時間加熱すれば2分子間で2分子の水を失ってL-ラクチドになる.DL-乳酸は多くの植物や酸敗した物質中に存在する.2-ヒドロキシプロピオノニトリルの加水分解やピルビン酸の還元によって得られる.無色の結晶.融点18 ℃,沸点122 ℃(2.0 kPa).水,エタノールに可溶,エーテルに微溶.合成樹脂,可塑剤の原料として,また,めっき,染色,皮なめしにも使われる.食品分野では防腐剤,酸味剤として乳酸飲料をつくるのに用いられる.D-乳酸は板状結晶.融点52.8 ℃.
-2.6°(水).水,エタノール,エーテルに可溶,クロロホルムに不溶.[CAS 50-21-5][CAS 598-82-3:DL-乳酸]
出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
東京工業大学名誉教授理博 吉村 壽次(編集代表)
信州大学元教授理博 梅本 喜三郎(編集)
東京大学名誉教授理博 大内 昭(編集)
東京大学名誉教授工博 奥居 徳昌(編集)
東京工業大学名誉教授理博 海津 洋行(編集)
東京工業大学元教授学術博 梶 雅範(編集)
東京大学名誉教授理博 小林 啓二(編集)
東京工業大学名誉教授 工博佐藤 伸(編集)
東京大学名誉教授理博 西川 勝(編集)
東京大学名誉教授理博 野村 祐次郎(編集)
東京工業大学名誉教授理博 橋本 弘信(編集)
東京工業大学教授理博 広瀬 茂久(編集)
東京工業大学名誉教授工博 丸山 俊夫(編集)
東京工業大学名誉教授工博 八嶋 建明(編集)
東京工業大学名誉教授理博 脇原 將孝(編集)
Copyright © MORIKITA PUBLISHING Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの項目は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
「乳酸」の用語解説はコトバンクが提供しています。
●乳酸の関連情報