@niftyトップ

辞書、事典、用語解説などを検索できる無料サービスです。

乾漆像【かんしつぞう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

乾漆像
かんしつぞう
漆を用いてつくった。中国,唐代,日本の奈良時代盛行乾漆工の技法で,彫刻や工芸に用いられ,中国では夾紵(きょうちょ),日本では当時は即,そくと呼ばれた。制作法には脱乾漆(脱活乾漆)造と木芯(心)乾漆造がある。脱乾漆は泥土で原型をつくり,その上に漆を塗布した麻布を幾重にも張り,乾燥後,中の泥土を除去して頭部,手などの細部を木粉と漆を混ぜた木屎漆(こくそうるし)で成形。乾燥後に漆を塗り,金箔を押し,彩色して完成する。木芯乾漆は木でだいたいの形をつくり,木屎漆で細部を成形し金箔や彩色で仕上げたもの。前者に東大寺法華堂(三月堂)の『不空羂索観音像』,後者に高山寺の『薬師如来像』などの遺例がある。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉

かんしつ‐ぞう〔‐ザウ〕【乾漆像】
乾漆2の技法を用いて造られた彫像。脱活乾漆には東大寺法華堂不空羂索観音像・興福寺八部衆像など、木心乾漆には聖林寺十一面観音像などがある。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

かんしつぞう【乾漆像】

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

大辞林 第三版

かんしつぞう【乾漆像】
乾漆で造られた彫像。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

乾漆像
かんしつぞう
(うるし)と麻布(まふ)を材料としてつくった像。日本には7世紀ごろ中国からその技術が輸入されたらしい。当時は(そく)、即(そく)、夾紵(きょうちょ)などとよばれた。その製法に2種あり、その一つは脱活(だっかつ)乾漆(脱乾漆)とよばれる。これは、粘土で像のだいたいの形をつくり、その上に麻布を漆で何枚も(等身像で7、8枚という)はり合わせて層をつくり、内部の土を取り出し、その空洞に骨組みの木枠をつくり、像の表面を「こくそ」(漆に木の粉や抹香(まっこう)を混ぜたもの)で仕上げ、漆箔(はく)や彩色をする。東大寺三月堂不空羂索観音(ふくうけんじゃくかんのん)像、興福寺の八部衆や十大弟子像はこれである。もう一つは木心(もくしん)乾漆といい、木でだいたいの形をつくり、細部の表現を「こくそ」の盛り上げでする。かなり細部まで木で仕上げ、薄く「こくそ」をかけたものから、木心がほとんど柱のような像まで、いろいろである。この技法は脱乾漆より質の悪い漆でもつくることができるので、国家財政が破綻(はたん)をきたした奈良時代末期に行われた、いわば脱乾漆の代用品であった。唐招提寺(とうしょうだいじ)講堂諸像中にはこの種の像がある。
 乾漆像は、材料の可塑性が奈良時代の写実的作風とあって大いに流行したが、制作に手間がかかり、漆の値段も高かったので、しだいに衰えた。しかし木心乾漆像は、平安初期に入っても行われている。その後、鎌倉・室町時代に、宋(そう)の彫刻の影響で脱乾漆の作例が多少みられる。[佐藤昭夫]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

精選版 日本国語大辞典

かんしつ‐ぞう ‥ザウ【乾漆像】
〘名〙 乾漆で作られた彫像。主として上代(奈良時代)につくられた。
※日本美術史(1891頃)〈岡倉天心〉天平時代「本尊不空羂索観音は木心乾漆像にして」

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

旺文社日本史事典 三訂版

乾漆像
かんしつぞう
奈良時代に盛行した漆を用いた彫刻像
乾漆を用いてつくった像で,製法にはつぎの2種があった。(1)脱活乾漆…粘土で原型をつくり,その上に漆で麻布を数枚はり重ね,乾燥したのち中の土を脱し去り,本枠を入れる。(2)木心乾漆…木彫で像のあらづくりをし,麻布を漆ではってゆく。いずれも細部は木粉に漆を混ぜて仕上げた。

出典:旺文社日本史事典 三訂版
執筆者一覧(50音順)
金澤利明 竹内秀一 藤野雅己 牧内利之 真中幹夫
 
Copyright Obunsha Co.,Ltd. All Rights Reserved.
それぞれの項目は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

乾漆像」の用語解説はコトバンクが提供しています。

乾漆像の関連情報

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.

アット・ニフティトップページへ アット・ニフティ会員に登録

ウェブサイトの利用について | 個人情報保護ポリシー
©NIFTY Corporation