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二次性あるいは薬剤起因性血小板減少症

六訂版 家庭医学大全科

二次性あるいは薬剤起因性血小板減少症
(血液・造血器の病気)

 血小板減少とは、血小板数10万/μℓ以下の状態と定義されています。

●二次性血小板減少症

 基礎疾患があり、血小板造血の抑制や自己抗体産生による血小板の破壊により血小板の減少がみられる病態で、機序(仕組み)別に以下のように分類されます。

①遺伝性巨大血小板減少症

 ITPと誤診されやすい疾患群です。その一種であるメイ・ヘグリン異常では、赤血球くらいの巨大な血小板、血小板減少、白血球封入体(ふうにゅうたい)がみられます。最近、原因として収縮蛋白ミオシン重鎖(じゅうさ)の遺伝子変異が報告されています。

 そのほか、バーナード・スーリエ症候群、アルポート症候群などがあります。

②自己免疫性疾患

 膠原病(こうげんびょう)(とくに全身性エリテマトーデス)、甲状腺疾患などで血小板が減少することがあります。

③血小板造血異常

 急性白血病などの血液悪性腫瘍や固型がんの骨髄浸潤(こつずいしんじゅん)では巨核球(きょかくきゅう)低形成を起こします。

 巨核球は、血小板の母体ともいうべき細胞で、骨髄の巨核球の細胞質が毛細血管腔に突起を伸ばし、それがちぎれて血小板となり、血管内に放出されることがわかってきました。再生不良性貧血では造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)レベルでの異常により(はん)血球減少を来します。

④無効造血

 造血幹細胞が分化増殖する過程で死滅する病態で、悪性貧血、発作性夜間血色素尿症(けっしきそにょうしょう)骨髄異形成(こつずいいけいせい)症候群などがあげられます。

⑤ウイルス感染症

 麻疹(ましん)風疹(ふうしん)、インフルエンザなどでは、血小板自己抗体の産生や巨核球産生の抑制を介して血小板が減少します。

⑥同種抗体産生

 胎盤(たいばん)を通して母体の血小板に対する同種抗体(自分のものでない血小板膜抗原に対する抗体)や自己抗体が胎児に移行して血小板減少を起こす場合や、輸血後血小板減少症があります。

 輸血後血小板減少症とは、不適合輸血により輸注された血小板に対して同種抗体が形成され、輸血後1週間くらいから血小板が減少するものです。

⑦血管内微小血栓形成による消費

 血栓性(けっせんせい)血小板減少性紫斑病(しはんびょう)溶血性尿毒症(ようけつせいにょうどくしょう)症候群、播種性(はしゅせい)血管内凝固症候群、抗リン脂質抗体症候群があげられます。

⑧脾臓内血小板プールの増加

 脾臓(ひぞう)内に貯留する血小板数(血小板プール量)は、健康人は約30%程度ですが、肝硬変(かんこうへん)、バンチ症候群、悪性リンパ腫など脾腫(ひしゅ)がみられる疾患では増加し、また破壊が起こるため末梢での血小板数が減少します。

●薬剤起因性血小板減少症

 薬剤使用歴があり、最初に薬剤を使用してからある一定期間(通常1週間くらい)あとに血小板減少症が出現した場合、本症を疑います。以下のような2つの作用機序が考えられています。

①薬剤による血小板産生低下

 抗がん薬、代謝拮抗薬、サイアザイド系利尿薬、エストロゲン製剤やアルコールによる骨髄巨核球低形成のためです。

②免疫学的機序による血小板破壊

 ヘパリン、キニジン、キニン、ジギタリス製剤、金製剤、サルファ薬などは血小板抗体の産生を誘発する代表的な薬剤です。

 薬剤による血小板減少症を疑った場合は投薬の中止が第一です。中止後3週間以内に血小板数は回復します。

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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