●二硫化炭素【にりゅうかたんそ】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
二硫化炭素
にりゅうかたんそ
carbon disulfide
出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
デジタル大辞泉
にりゅうか‐たんそ〔ニリウクワ‐〕【二硫化炭素】
出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
栄養・生化学辞典
二硫化炭素
出典:朝倉書店
Copyright (C) 2009 Asakura Publishing Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
世界大百科事典 第2版
にりゅうかたんそ【二硫化炭素 carbon disulfide】
出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.
日本大百科全書(ニッポニカ)
二硫化炭素
にりゅうかたんそ
carbon disulfide
炭素と硫黄(いおう)の化合物。水分や揮発分を除いた木炭と硫黄を850~950℃で反応させる。純粋なものは無色、屈折率の高い液体で、一種の香気をもつが、普通、不純物のため黄色に着色し不快臭をもつ。揮発性、きわめて引火しやすく、点火すれば青色の炎をあげて二酸化炭素と二酸化硫黄などになる。放置すると分解しやすく、光があると促進され、不快臭のある黄色液体になる。きわめて引火しやすく青い炎をあげて燃える。水には溶けにくい。0.174mL/100mL(20℃)。アルコール、エーテル、ベンゼンなどとはよく混ざる。二硫化炭素は直線形の分子S-C-Sである。蒸気を塩素ガスと熱すると四塩化炭素(テトラクロロメタン)が得られる。水と150℃以上に熱すると二酸化炭素と硫化水素に分解する。アルコール中で水酸化アルカリと反応してキサントゲン酸塩をつくる。
CS2+C2H5OK→C2H5OCSSK
また、硫化アルカリM12Sとはチオ炭酸塩M12CS3をつくる。硫黄、白リン、ヨウ素、樟脳(しょうのう)、樹脂、ゴム、油脂などのよい溶媒である。ビスコースレーヨン、四塩化炭素、ゴム加硫促進剤、農薬、浮遊選鉱剤(キサントゲン酸塩)の製造に用いるほか、溶剤として用いられる。有毒で中毒症状をおこすことがある。蒸気は空気と混合すると爆発しやすい。
[守永健一・中原勝儼]
出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
精選版 日本国語大辞典
にりゅうか‐たんそ ニリウクヮ‥【二硫化炭素】
出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
化学辞典 第2版
二硫化炭素
ニリュウカタンソ
carbon disulfide
CS2(76.14).天然に,石炭や原油にも微量含まれている.工業的には,木炭と硫黄蒸気を過熱するか,触媒の存在下でCH4と硫黄蒸気を反応させて合成する.気体では,S-C-Sの直線形分子.S-C約1.56 Å.固体は正方晶系.密度1.263 g cm-3.融点-111.6 ℃,沸点46.5 ℃.揮発性,引火性,屈折率が大きい.液体は無色で長く放置すると,室温でもしだいに分解して黄色味を帯びる.分解は光で促進される.純粋なものはエーテルのような芳香をもつが,市販品の純度のものは悪臭をもつ.175 ℃ 以上で重合して
の黒色塊となる.水には難溶.エタノール,ベンゼン,エーテル,クロロホルム,四塩化炭素などとは任意の割合でまじる.硫黄,黄リン,ヨウ素,樹脂,ゴムなどを溶かす.アルコール性水酸化アルカリとはキサントゲン酸塩をつくる.
CS2 + C2H5OK → C2H5OCS2K
アミンとはチオカルボン酸をつくる.
CS2 + (C2H5)2NH + NaOH → (C2H5)2NCS2Na
金属硫化物とはチオ炭酸塩をつくる.
CS2 + CaS → CaCS3
これらの例のように,CS2はOR-,HS-,R2NHとアルカリ溶液で反応してそれぞれROS2-,CS32-,R2NCS2-をつくる.レーヨン人絹,四塩化炭素,キサントゲン酸塩などの製造用に用いられるほか,溶剤(P,S,Se,I2,油脂,樹脂,ゴムなど),浮遊選鉱用液の製造,農薬や殺虫剤の製造などにも用いられる.有毒.[CAS 75-15-0]
出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
東京工業大学名誉教授理博 吉村 壽次(編集代表)
信州大学元教授理博 梅本 喜三郎(編集)
東京大学名誉教授理博 大内 昭(編集)
東京大学名誉教授工博 奥居 徳昌(編集)
東京工業大学名誉教授理博 海津 洋行(編集)
東京工業大学元教授学術博 梶 雅範(編集)
東京大学名誉教授理博 小林 啓二(編集)
東京工業大学名誉教授 工博佐藤 伸(編集)
東京大学名誉教授理博 西川 勝(編集)
東京大学名誉教授理博 野村 祐次郎(編集)
東京工業大学名誉教授理博 橋本 弘信(編集)
東京工業大学教授理博 広瀬 茂久(編集)
東京工業大学名誉教授工博 丸山 俊夫(編集)
東京工業大学名誉教授工博 八嶋 建明(編集)
東京工業大学名誉教授理博 脇原 將孝(編集)
Copyright © MORIKITA PUBLISHING Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの項目は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
「二硫化炭素」の用語解説はコトバンクが提供しています。
●二硫化炭素の関連情報
関連キーワード
| Adobe CS2| クロロ白金酸塩| チオ炭酸(塩)| ヨウ化リン| 塩化セレン| 臭化リン| チオシアン酸アンモニウム| 硫化炭素| デカボラン|