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二硫化炭素【にりゅうかたんそ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

二硫化炭素
にりゅうかたんそ
carbon disulfide
化学式 CS2無色,流動性の液体で,比重 1.29,融点-111℃,沸点 46.3℃。引火性,有毒。純粋のものは香気があるが,通常,含硫黄有機物の混在により黄色を呈し,不快がある。空気中で青色の炎をあげて燃え,二酸化硫黄を生じる。硫黄,リン,ゴム,油脂,ショウノウなどの良好な溶媒であり,殺虫剤四塩化炭素ビスコースの製造などにも使われる。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

にりゅうか‐たんそ〔ニリウクワ‐〕【二硫化炭素】
赤熱した炭素硫黄蒸気を反応させて得られる、特異臭のある無色の液体。引火しやすく、有毒。硫黄・(りん)・沃素(ようそ)・油脂・ゴムなどを溶かす。溶媒や殺虫剤・ビスコースの製造原料などに使用。化学式CS2

出典:小学館
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栄養・生化学辞典

二硫化炭素
 CS2.特異な臭気のある気体で,化学工業の原料になる.

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

にりゅうかたんそ【二硫化炭素 carbon disulfide】
化学式CS2で表される化合物。無色の液体であるが,不純物を含むものはいくぶん黄色を呈し,特異な不快臭をもつ。沸点が46.262℃と低く,揮発性のうえに引火燃焼しやすいので,取扱いの際は火気に注意する必要がある。また,非常に有毒でもある。気密容器に入れて,暗所,室温以下で保存することが望ましい。蒸気は空気と混合すると爆発性の混合気体(爆鳴気)を形成する。水にはわずかに溶け(22℃で0.22g/100g),エチルアルコールエーテルベンゼンとよく混ざる。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

二硫化炭素
にりゅうかたんそ
carbon disulfide

炭素と硫黄(いおう)の化合物。水分や揮発分を除いた木炭と硫黄を850~950℃で反応させる。純粋なものは無色、屈折率の高い液体で、一種の香気をもつが、普通、不純物のため黄色に着色し不快臭をもつ。揮発性、きわめて引火しやすく、点火すれば青色の炎をあげて二酸化炭素と二酸化硫黄などになる。放置すると分解しやすく、光があると促進され、不快臭のある黄色液体になる。きわめて引火しやすく青い炎をあげて燃える。水には溶けにくい。0.174mL/100mL(20℃)。アルコール、エーテル、ベンゼンなどとはよく混ざる。二硫化炭素は直線形の分子S-C-Sである。蒸気を塩素ガスと熱すると四塩化炭素(テトラクロロメタン)が得られる。水と150℃以上に熱すると二酸化炭素と硫化水素に分解する。アルコール中で水酸化アルカリと反応してキサントゲン酸塩をつくる。

  CS2+C2H5OK→C2H5OCSSK
 また、硫化アルカリM12Sとはチオ炭酸塩M12CS3をつくる。硫黄、白リン、ヨウ素、樟脳(しょうのう)、樹脂、ゴム、油脂などのよい溶媒である。ビスコースレーヨン、四塩化炭素、ゴム加硫促進剤、農薬、浮遊選鉱剤(キサントゲン酸塩)の製造に用いるほか、溶剤として用いられる。有毒で中毒症状をおこすことがある。蒸気は空気と混合すると爆発しやすい。

[守永健一・中原勝儼]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

にりゅうか‐たんそ ニリウクヮ‥【二硫化炭素】
〘名〙 炭素の硫化物。化学式 CS2 無色の液体。保存中分解して黄色不快臭を帯びる。引火性が強く、有毒で、消毒・殺虫作用がある。劇薬。硫黄・燐・沃素・臭素および多くの有機化合物を溶かす。殺虫剤、ビスコース・人絹の製造、ゴムなどの溶剤などに用いられる。

出典:精選版 日本国語大辞典
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化学辞典 第2版

二硫化炭素
ニリュウカタンソ
carbon disulfide

CS2(76.14).天然に,石炭や原油にも微量含まれている.工業的には,木炭と硫黄蒸気を過熱するか,触媒の存在下でCH4と硫黄蒸気を反応させて合成する.気体では,S-C-Sの直線形分子.S-C約1.56 Å.固体は正方晶系.密度1.263 g cm-3.融点-111.6 ℃,沸点46.5 ℃.揮発性,引火性,屈折率が大きい.液体は無色で長く放置すると,室温でもしだいに分解して黄色味を帯びる.分解は光で促進される.純粋なものはエーテルのような芳香をもつが,市販品の純度のものは悪臭をもつ.175 ℃ 以上で重合して


の黒色塊となる.水には難溶.エタノール,ベンゼン,エーテル,クロロホルム,四塩化炭素などとは任意の割合でまじる.硫黄,黄リン,ヨウ素,樹脂,ゴムなどを溶かす.アルコール性水酸化アルカリとはキサントゲン酸塩をつくる.

CS2 + C2H5OK → C2H5OCS2K

アミンとはチオカルボン酸をつくる.

CS2 + (C2H5)2NH + NaOH → (C2H5)2NCS2Na

金属硫化物とはチオ炭酸塩をつくる.

CS2 + CaS → CaCS3

これらの例のように,CS2はOR,HS,R2NHとアルカリ溶液で反応してそれぞれROS2,CS32-,R2NCS2をつくる.レーヨン人絹,四塩化炭素,キサントゲン酸塩などの製造用に用いられるほか,溶剤(P,S,Se,I2,油脂,樹脂,ゴムなど),浮遊選鉱用液の製造,農薬や殺虫剤の製造などにも用いられる.有毒.[CAS 75-15-0]

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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