●五十音図【ごじゅうおんず】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
五十音図
ごじゅうおんず
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デジタル大辞泉
ごじゅうおん‐ず〔ゴジフオンヅ〕【五十音図】
[補説]五十音図
あ | い | う | え | お | |
か | き | く | け | こ | |
さ | し | す | せ | そ | |
た | ち | つ | て | と | |
な | に | ぬ | ね | の | |
は | ひ | ふ | へ | ほ | |
ま | み | む | め | も | |
や | ゆ | よ | |||
ら | り | る | れ | ろ | |
わ | ゐ | ゑ | を | ん |
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世界大百科事典 第2版
ごじゅうおんず【五十音図】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
五十音図
ごじゅうおんず
50字の仮名を、縦に5字ずつ10行に並べた図表。
古くは「五音」「五音五位之次第」などともよばれた。また、縦の5字を「行」といい、横の10字を「段(または列)」という。古くは片仮名や万葉仮名で書かれるのが例であったが、近年では平仮名で書かれることも多い。
五十音図は、原理としては、それぞれの仮名の発音のうち、子音要素の共通するものを行に、母音要素の共通するものを段にまとめたものである。したがって、本来は50の異なった発音を示しているべきであるが、現在では同音となって区別のないものも多く(イとヰなど)、音節の一覧表としては不十分なものとなっている。また、古くさかのぼっても、ヤ行のイ、ワ行のウなどは、ア行のものと別の音韻として存在したことは確かめられていない。しかし、日本語における各種の音韻変化や、活用形にみられる音韻交替(あめ―あまがさ、書かない、書きます等)を説明する表としてきわめて便利なものであり、現在でもヤ行・ワ行を改編した形で学校教育を中心として広く用いられている。さらに、仮名をすべて含んでいて体系的で記憶しやすいことから、辞典・名簿などで語の配列の基準(五十音順)として用いられている。
現存する最古の五十音図は、醍醐(だいご)寺蔵の『孔雀(くじゃく)経音義』(平安時代末期写)に付記されたものである。これは行も段も現行の順序とは異なり「キコカケク」から始まっている。このように、古い時代のものは配列の順序が一定せず、現在の形に一定したのは南北朝時代以降のことである。なお、現在の順序は明らかに悉曇(しったん)章(サンスクリットの字母表)に基づくものであるが、五十音図の起源自体は、むしろ日本語の音韻表あるいは漢字音の反切(はんせつ)の便宜のためにつくられたものとみられている。成立年代は平安時代の初期であり、おそらく僧侶(そうりょ)の学問研究の世界で生まれたものであろう。
[近藤泰弘]
『大矢透著『音図及手習詞歌考』(1918・大日本図書/復刻版・1969・勉誠社)』▽『山田孝雄著『五十音図の歴史』(1938・宝文館)』▽『橋本進吉著『国語音韻の研究』(1950・岩波書店)』▽『馬淵和夫著『日本韻学史の研究』(1963・日本学術振興会)』
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精選版 日本国語大辞典
ごじゅうおん‐ず ゴジフヅ【五十音図】
(2)古くから仮名遣い、活用、語源などの説明に用いられてきた。平安時代中期にその起源はあり、悉曇学(しったんがく)の影響で成立したとも、漢字音の反切(はんせつ)のためにできたともいわれている。行段の順序は、当初一定していたわけではない。
(3)現存最古の音図は醍醐寺蔵「孔雀経音義(くじゃくきょうおんぎ)」に付記されたもので、寛弘元~長元元年(一〇〇四‐二八)頃成立した。「イ」「エ」はそれぞれア行とヤ行に両出し、「ウ」はア行とワ行に両出しているが、当時の音韻で両行の「イ」「ウ」「エ」に区別はなかったと見られる。「オ」と「ヲ」の発音は鎌倉時代に区別されなくなり、五十音図上で「オ」と「ヲ」とが誤って転換したものが江戸時代まで普通に用いられた。
(4)「ン」は図中に収められないが、現代では、これを張り出しわくに入れて示すことがある。最近では、ヤ行に「イ」「エ」を書き入れず、ワ行を「ワ」だけとし、または「ワイウエオ(ヲ)」のように改めたものがある。五音図。反音図。仮名反(かながえし)の図。五十連音図。五十音。
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