●仏伝図【ぶつでんず】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
仏伝図
ぶつでんず
仏教説話図のうち釈尊の出生直前から涅槃 (ねはん) 直後までの事績を表現したもの。中国,日本でも描かれているが,特に紀元前のインドで最も流行した。作品としては,ストゥーパの塔門や欄楯 (らんじゅん) を荘厳 (しょうごん) した彫刻が多く,バールフット,サーンチー,ブッダガヤーなどのものが有名。彫刻以外の仏伝図としては,グプタ朝のアジャンタ壁画にすぐれたものがある。なお日本では絵因果経が絵巻としてもすぐれている。
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世界大百科事典 第2版
ぶつでんず【仏伝図】
釈迦の伝記に基づいてその生涯のさまざまな出来事を描いた絵画や浮彫。中国では本行経変(ほんぎようきようへん)ともいう。釈迦の前生の物語の絵画化である本生図,仏弟子や敬虔な信者の過去および現在の物語に取材する譬喩(ひゆ)物語(アバダーナavadāna)図,大乗仏教経典の内容を図示した変相図(大乗経変)とともに,仏教説話図を構成する。インドでストゥーパを荘厳(しようごん)するために欄楯(らんじゆん)や門に本生図とともに表現したことにはじまり,バールフットやサーンチー第1塔のそれが最初期の代表作である。
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