●代官【だいかん】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
代官
だいかん
出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
デジタル大辞泉
だい‐かん〔‐クワン〕【代官】
2 荘官の一。一定額の年貢納入を請け負い、支配の実務を行った。
3 戦国時代、大名のもとで地方役人として実務に当たった者。
4 江戸時代、幕府・諸藩の直轄地の行政や治安をつかさどった地方官の称。
出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
世界大百科事典 第2版
だいかん【代官】
【古代,中世】
平安時代の中期ごろから律令国家の土地国有制が崩壊にむかい,中央貴族の所領である荘園や,在地武士の開発所領が全国各地に現れてくる。これにともない,彼らの所領支配を代行するものとして,〈代官〉が一般的に登場してくる。これは,中央貴族の所有する荘園が全国各地に分散したり,在地武士の開発所領が広大な面積をほこるようになるにつれ,彼らの直接支配が困難になったという事情によるものにほかならない。
出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.
日本大百科全書(ニッポニカ)
代官
だいかん
本来は本官を代理する人の呼称。中世以降は所領を預り年貢収納をつかさどる者を代官と称したが、江戸時代では幕府、諸藩の直轄地の行政、治安を担当した地方官をいう。鎌倉時代から地頭代(じとうだい)(地頭の代官)の一般的呼称となったが、戦国期や豊臣(とよとみ)政権下では蔵入地(くらいりち)(直轄領)の年貢収納や水利土木の管理、軍事物資の調達に重要な役割を果たすようになった。江戸幕府初期には、関東を中心に代官頭(だいかんがしら)(伊奈忠次(いなただつぐ)、大久保長安(おおくぼながやす)、彦坂元正(ひこさかもとまさ)ら)の下に代官がおり、畿内(きない)、近江(おうみ)には豪商代官が存在したが、多くは地方巧者(じかたこうしゃ)が任ぜられ、その数も70名に及んだ。幕藩制社会の確立(寛文(かんぶん)・延宝(えんぽう)~元禄(げんろく)期)過程で、これらの世襲的・年貢請負人的な代官の多くは年貢滞納や不正を理由に失脚し、1725年(享保10)代官所経費支給仕法の改正により、各代官所で民政を担当する貢租徴税官へ改変した。
幕府代官は勘定奉行(かんじょうぶぎょう)に属し、旗本から任命され5~10万石を支配したが、中期以降には、主として勘定所役人のほか、農民や代官所の属僚からも抜擢(ばってき)された。しかし、その数は40~50名に減少し、検地・検見(けみ)・年貢収納、灌漑(かんがい)・治水、人別や五人組の差配などの地方行政、治安、検察にあたった。全国的に分布した各代官所においては、属僚には十数名の手付(てつき)、手代(てだい)、書役などを江戸と任地に勤務させ事務処理にあたらせ、鉱山には地役人(じやくにん)を置いた。代官の役高は150俵で、ほかに江川(えがわ)(伊豆(いず)の韮山(にらやま))、多羅尾(たらお)(近江の信楽(しがらき))、角倉(すみのくら)(京都)、高木(長崎)など世襲代官もいた。藩の代官はおもに郡代や郡奉行(こおりぶぎょう)のもとに置かれ、村方を支配し、年貢収納や宗門改(しゅうもんあらため)や検地奉行を兼務し、郡単位に民政を担当し、侍代官(さむらいだいかん)や在郷代官とも称し、規模や権限も小さかった。
[村上 直]
『村上直著『天領』(1965・人物往来社)』▽『村上直著『江戸幕府の代官』(1983・国書刊行会)』▽『村上直・荒川秀俊編『江戸幕府代官史料』(1975・吉川弘文館)』▽『村上直編『江戸幕府郡代代官史料集』(1981・近藤出版社)』
出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
精選版 日本国語大辞典
だい‐かん ‥クヮン【代官】

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
旺文社日本史事典 三訂版
代官
だいかん
鎌倉時代には主人に代わり事務を処理する者の総称。室町時代は守護代・地頭代などをさした。江戸幕府の代官は幕府直轄地や旗本知行地の徴税・訴訟・民政を執行。5〜10万石くらいの支配地ごとに置かれ,勘定奉行に属し,旗本が任ぜられた。世襲の例も多い。十数名の部下(手付・手代)をもち,任地の陣屋と江戸の屋敷で執務した。藩の代官は郡 (こおり) 奉行の下に属し,藩地を分担支配した。
出典:旺文社日本史事典 三訂版
執筆者一覧(50音順)
金澤利明 竹内秀一 藤野雅己 牧内利之 真中幹夫
Copyright Obunsha Co.,Ltd. All Rights Reserved.
それぞれの項目は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
「代官」の用語解説はコトバンクが提供しています。
●代官の関連情報