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仲裁【ちゅうさい】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

仲裁
ちゅうさい
arbitration
紛争当事者が合意により,紛争についての判断を正規の裁判所にではなく,第三者である私人または機関にゆだね,その判断に服することによって紛争を解決する方法をいう。 (1) 民事訴訟上の仲裁 民事訴訟法第8編に規定されていたが 1996年の改正で「公示催告手続及ビ仲裁手続ニ関スル法律」 (明治 23年法律 29号) に移管された。当事者の合意がなければ成立しないが,正規の裁判では裁判機関が定まっているのに対し,仲裁では当事者が仲裁人を選定するので,双方に妥当な解決を期待できるという利点がある。 (2) 労働法上の仲裁 一般私企業における仲裁は,関係当事者の双方から労働委員会に申請されたとき,または労働協約に基づいて当事者の双方または一方から申請があったとき,労働委員会の中に設けられている仲裁委員会が行なう (労働関係調整法) 。いずれの場合も両当事者の合意を基礎にしており,公共部門を除けば強制仲裁は行なわれない。仲裁裁定は労働協約と同様の効力をもつ。 (3) 国際法上の仲裁 当事国間の紛争をその選任した第三者の判断によって解決すること。第三者を当事国で選ぶ点で国際司法裁判と異なり,その判断が拘束力をもつ点で国際調停と異なる。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

ちゅう‐さい【仲裁】
[名](スル)
対立し争っているものの間に入ってとりなし、仲直りをさせること。「仲裁に入る」「けんかを仲裁する」「仲裁役を買って出る」
紛争中の当事者または当事国の合意に基づいて、第三者の判断によって紛争を解決すること。
労働争議に際し、労働委員会に設けられる仲裁委員会が仲裁裁定を示して争議の解決を図ること。→斡旋(あっせん)調停

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
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産学連携キーワード辞典

仲裁
「仲裁」とは、特許権侵害における裁判外の紛争解決手段の1つ。紛争当事者以外の第3者を仲裁人としてたて、紛争解決の判断を下してもらう方法のことを指す。「仲裁」は、調停と異なり、仲裁人の判断には強制力が伴う。通常、紛争解決のプロセスとして「調停」をまず行い、不調に終わった場合、仲裁に移行するケースが多い。仲裁は紛争当事者と仲裁者間だけの非公開で行える点がメリットである。なお、仲裁人に対して、不服を申し立てることはできない。

出典:(株)アヴィス
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世界大百科事典 第2版

ちゅうさい【仲裁】
争いの当事者双方が,争いの解決を第三者にゆだね,それに基づいてなされた第三者の判断が当事者を拘束することにより紛争の解決に至る制度。仲裁は当事者の合意により紛争が解決される調停,当事者の一方の申立てに基づき,国内のまたは国際的な裁判所が強制的に紛争を解決する訴訟とは異なる(国際法上の仲裁裁判については〈国際裁判〉の項参照)。
[民事上の仲裁]
 民事上の仲裁には,〈公示催告手続及ビ仲裁手続ニ関スル法律〉の定めるもののほか,制定法上のものとして公害紛争処理法(1970公布)および建設業法(1949公布)によるものがあるが,ここでは前者のみ説明する。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

仲裁
ちゅうさい

仲裁の語は、一般に、当事者が選んだ第三者たる私人(仲裁人、仲裁委員会など)に紛争についての判断を任せて、その判断に服従することを約束し、それに拘束されることにより紛争を解決する方法として、さまざまな場合に用いられている。法律上の用語としても、国際法上、民事上、労働法上などの紛争解決の方法として使用されている(国際法上は「国際裁判」を参照)。なお、民事訴訟法上の仲裁手続に関する規定は、旧民事訴訟法(大正15年法をいう)中、その第8編「仲裁手続」に規定されていたが、旧旧民事訴訟法(明治23年法をいう)以来、ほとんど改正されることがなかった。1996年(平成8)の民事訴訟法の全面的改正にあたっても、第7編「公示催告手続」とともに、改正されずに残されることとなったが、新民事訴訟法(平成8年法律第109号)には入らず、独立した法律「公示催告手続及ビ仲裁手続ニ関スル法律」(明治23年法律第29号)の第764~805条として温存されていた。しかし、その後、新たに仲裁法(平成15年法律第138号)が制定され仲裁手続を規定し、今日に至っている(「公示催告手続及ビ仲裁手続ニ関スル法律」は、「公示催告手続ニ関スル法律」と改称し、その後廃止された)。

[内田武吉・加藤哲夫]

民事紛争解決手段としての仲裁

本来は、国家の司法裁判所により判断されるべき民事上の紛争を、当事者の合意に基づいて、裁判所にかわる私的な裁判機関の仲裁判断により裁定するのが仲裁手続であるから、他の紛争解決手続とは次のような相違がある。まず、紛争解決の基準となる判断の成立のために当事者の合意は必要でない。その点で裁判上の和解や調停と異なる。また判断機関が国家機関たる裁判所ではなく、当事者により選定された私人たる仲裁人である点で、民事訴訟とは異なる。そこで、仲裁判断には確定判決と同一の効力が与えられている(仲裁法45条1項本文)が、すべての点について同一なのではなく、仲裁判断によってはただちに強制執行をすることはできない。強制執行のためには、国家機関としての裁判所によって執行を許す旨の執行決定を得たうえでなければ許されない(同法45条1項但書)。なお、当事者間に当該事件につき仲裁合意が存在するにもかかわらず、それを無視してその事件を民事訴訟による訴えとして提起したときは、仲裁合意の存在が訴訟上の障害(消極的訴訟要件)となって、起こされた訴えは不適法として却下される(同法14条1項本文)。

 仲裁合意とは、私的自治の原則が妥当する私的利益に関する紛争(民事上の紛争)の全部または一部の解決を仲裁人にゆだねるとともに、その判断に服する旨の合意をいう(仲裁法2条1項)。すでに生じた民事上の紛争でも、将来において生ずる紛争でも合意の対象とすることができる。将来において生ずる紛争については、出訴権の放棄の効果が伴うから、一定の法律関係およびその関係から生ずる紛争に特定されることが必要であり(同法2条1項)、将来発生するすべての紛争に関する仲裁契約などは無効である。

 仲裁合意は、通常の私法上の契約の要件のほかに、原則として当事者が和解をすることができる民事上の紛争(離婚または離縁の紛争を除く)を対象とする場合に限り有効である(仲裁法13条1項)。その合意は、書面によらなければならない(同法13条2項)。

 仲裁人の選任手続は、当事者が合意により定めるところによる(仲裁法17条1項本文)。選任手続に関する合意があっても選任行為がなされない場合などには、一方の当事者は、裁判所に対し、仲裁人の選任を申し立てることができる(同法17条1項但書、5項、6項)。なお当事者は一定の事由がある場合には、仲裁人を忌避することができる(同法18条、19条)。

 仲裁判断をするための審理は、1人の仲裁人または2人以上の仲裁人の合議体による仲裁廷において行われる(仲裁法2条2項。その方式については同法32条以下)。仲裁廷が仲裁判断において準拠すべき法は、原則として、当事者が合意により定めるところによる(同法36条1項)。仲裁判断(裁定)は書面(仲裁判断書)に作成され、理由(同法39条2項本文)、作成年月日、仲裁地(同法39条3項)の記載、仲裁人の署名のあることが必要であり(同法39条1項)、その要件を欠くときは、仲裁判断は成立しない。一度成立した仲裁判断に対して、執行決定前あるいは執行決定が確定するまでの間(同法44条2項)、特定の事由がある場合には、仲裁判断取消しの訴えにより取消しを求めることができる(同法44条)。取消事由は、同法第44条1項1号~8号に列挙されているものに限られる。判断自体の不当性は、取消事由にならない。

 仲裁合意は、民事紛争を解決する方法として、国際商事取引に関する事件を中心に多く利用されている。それは、仲裁手続においては民事訴訟による場合と比較して、取引上の紛争解決に要求される簡易迅速性および手続の非公開による企業秘密の漏洩(ろうえい)防止などの利点があるからであり、また渉外事件訴訟に固有の準拠法決定など法適用による不安定を回避でき、各国共通の取引慣習に基づく判断が期待できるためといわれている。

[内田武吉・加藤哲夫]

労働法における仲裁

斡旋(あっせん)、調停と並ぶ労使紛争の調整手続の一つ。仲裁は、斡旋、調停と異なり、紛争の解決を紛争当事者以外の第三者(仲裁委員)に一任し、その判断(仲裁裁定)にかならず従うことによって紛争解決を図る手続であり、紛争当事者は、いったん仲裁による紛争の調整に同意すると、裁定内容を受諾するか否か問われることなくこれに拘束される。このため仲裁手続は、原則として関係当事者双方の同意に基づいてのみ開始される(任意仲裁)。関係当事者の一方のみの申請や、関係当事者以外の機関(労働委員会や知事または厚生労働大臣)の決議や請求に基づいて仲裁が開始される強制仲裁は、行政執行法人などについて例外的に認められている(行政執行法人の労働関係に関する法律33条、地方公営企業労働関係法15条)。

 労働委員会が行う仲裁の場合、仲裁委員は、公益委員または特別調整委員のなかから関係当事者が合意により選定した者につき、労働委員会の会長が指名するものとされ、この仲裁委員が3名で仲裁委員会を構成する(労働関係調整法31条、31条の2)。仲裁委員会は、双方の主張を聴くなど事実の調査および審議を行ったうえで、仲裁裁定を書面で作成する。仲裁委員3名の見解が3説に分かれ、いずれも過半数に至らないようなときは、仲裁裁定を作成することができず、仲裁は打ち切りとなる。作成された仲裁裁定は、労働協約と同一の効力を有するとされ(同法34条)、内容を明確にし、紛争の発生を予防する目的から、かならず書面に作成し、裁定の効力発生期日を明記しなければならないとされる(同法33条)。

 日本では、労働委員会の調整手続のうちで活用されるのは斡旋が圧倒的に多く、仲裁は調停よりもさらにまれにしか利用されていない。これは、仲裁裁定が労使双方の同意を必要とせずに両者を拘束するという性質上、どのような裁定が出されるかを懸念して仲裁の申請に踏み切れないものと思われる。なお、労使双方が、合意に基づいて、労働関係調整法による仲裁とは別に、独自の仲裁手続を定めることもできる。

[木下秀雄・吉田美喜夫]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

ちゅう‐さい【仲裁】
〘名〙
① 対立し争っているものの間にはいっていろいろとりなし、双方を仲なおりさせること。〔英和記簿法字類(1878)〕
② 第三者もしくは第三国が、争いを起こした当事者または当事国の間に立ち入って、双方の主張を調整し、裁断をくだして和解させること。
※近世紀聞(1875‐81)〈染崎延房〉一二「英国の公使ソルウヱード氏が中裁(チウサイ)によりて和議整ひ」
③ 労働争議に対し、第三者が公正妥当な判断によって当事者を最終的に拘束する裁定を下して争議を解決すること。また、その方法。日本では、労働委員会に設けられる仲裁委員会によって行なわれる。〔労働関係調整法(1946)〕

出典:精選版 日本国語大辞典
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