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伊勢音頭【イセオンド】

デジタル大辞泉

いせ‐おんど【伊勢音頭】
伊勢地方の木遣(きや)り歌から発生した民謡。土搗(どづ)き歌・祝儀歌・道中歌・踊り歌などの総称近世伊勢参宮流行とともに全国に広まった。川崎音頭
享保年間(1716~1736)、伊勢の御師(おし)奥山桃雲が始めた長唄風の踊り歌。古市(ふるいち)の遊里で伊勢踊りに合わせてうたわれた。
歌舞伎狂言伊勢音頭恋寝刃(いせおんどこいのねたば)」の通称

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世界大百科事典 第2版

いせおんど【伊勢音頭】
伊勢神宮の20年ごとに行われる遷宮の際に,材木をひきながらうたう《木遣(きやり)》が三味線唄化したもの。〈ヤートコセ〉という囃子ことばはその掛声のなごりである。近世以降,伊勢参り旅人や,願人(がんにん)坊主などの下級の宗教者的芸能者の手により全国に運ばれ,《津軽願人節》《隠岐祝い音頭》など伊勢音頭系統の唄の分布はきわめて広く,各地に定着して祝唄(祝儀唄)や土搗(つちつき)唄に転用されているものも多い。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

伊勢音頭
いせおんど

三重県伊勢市の民謡。伊勢神宮で、20年に一度行われる式年遷宮に、社殿建て替え用の御用材を氏子が曳(ひ)いて運ぶおりの「お木曳き木遣唄(きやりうた)」。源流は不明であるが、中世の「木遣口説(くどき)」あたりを母体にして、江戸時代に今日の七七五五調、26文字形式に整えられたと思われる。この「お木曳き木遣唄」、俗に囃子詞(はやしことば)をとった「ヤートコセー」は、伊勢神宮の門前町としてにぎわった古市(ふるいち)や川崎の花柳界に入り、お伊勢参りの人たちの酒席の唄になったことから、伊勢土産(みやげ)として日本中に広まっていった。ところが1796年(寛政8)5月4日、古市の「油屋」で、客の医師孫福斎宮(まごふくいつき)が酒のうえから9人を斬(き)る大事件を起こした。この事件はすぐ芝居に仕立てられ、大坂道頓堀(どうとんぼり)・角(かど)の芝居の立て作者近松徳三(とくそう)は、加害者を御師(おし)にし、9人斬りを10人斬りにし、殺人のおりの下座(げざ)囃子に「ヤートコセー」を用いた。そして外題も『伊勢音頭恋寝刃(こいのねたば)』としたため、以来「ヤートコセー」は『伊勢音頭』とよばれるようになった。

[竹内 勉]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

いせ‐おんど【伊勢音頭】
[1] 〘名〙
① 近世、伊勢の宇治山田の船着き場、川崎の盆踊りから出た民謡の総称。盆踊りうた、木遣りうた、祝儀うた、道中うたなどを含み、伊勢参宮の流行とともに全国に広まった。いせおんどう。松坂音頭。川崎音頭。
※随筆・兎園小説拾遺(1829‐32)二「男女打交り〈略〉同音にて伊勢おんどをうたひながらの参宮もいせいよろしく」
② 江戸時代享保年間(一七一六‐三六)、奥山桃雲が俳人梅路に作詞させ、鍛冶屋長右衛門に節付けさせて広めた長唄風の踊りうた。古市の遊里などで行なわれ、三味線、胡弓などを伴奏とし、伊勢踊りに合わせて行なわれた。
※洒落本・風俗八色談(1756)二「伊勢音頭(イセオンド)に。色声をあやなし」
[2] 歌舞伎脚本。世話物。四幕七場。近松徳三作。本名題「伊勢音頭恋寝刃(こいのねたば)」。寛政八年(一七九六)七月、大坂角の芝居で初演。同年五月、伊勢古市遊郭の油屋で宇治山田の医師孫福斎(いつき)が妓女お紺のことから仲居のおまんほか数名を殺傷した事件を脚色したもの。一夜漬狂言の代表作。

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典

伊勢音頭
(通称)
いせおんど
歌舞伎・浄瑠璃の外題。
元の外題
伊勢音頭恋寝刄 など
初演
寛政8.7(大坂・藤川座)

出典:日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」
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