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休養【キュウヨウ】

デジタル大辞泉

きゅう‐よう〔キウヤウ〕【休養】
[名](スル)仕事などを休んで、気力や体力を養うこと。「温泉で休養する」

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
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栄養・生化学辞典

休養
 精神的もしくは肉体的もしくはその両方疲労から回復するために,労働などを休止すること.

出典:朝倉書店
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大辞林 第三版

きゅうよう【休養】
スル
仕事などを休んで体力・気力を養うこと。 -をとる ゆっくり-する
史記 匈奴伝 民力・兵力を養うこと。 民力-

出典:三省堂
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精選版 日本国語大辞典

きゅう‐よう キウヤウ【休養】
〘名〙
① 気力や体力を回復するために、仕事などをやすんで体を養うこと。
※思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉五「大したことが無い、帰って暫らく休養すると直ぐ治るであらふ」 〔呉志‐陸伝〕
② 民力、兵力を養うこと。〔史記‐匈奴伝〕

出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
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六訂版 家庭医学大全科

休養
きゅうよう
Rest
(生活習慣病の基礎知識)

 近年、24時間社会の拡大により、国民の睡眠を取り巻く環境は大きく変化しました。しかし、ヒトは日中に活動し、夜に眠るのが本来の生物学的な姿です。

 睡眠は、生活習慣の一部であるとともに、神経系、免疫系、内分泌系などの機能と深く関わる、生活を営むうえでの自然の摂理であり、健康の保持および増進にとって欠かせないものです。

 睡眠不足や睡眠障害などの睡眠の問題は、疲労感をもたらし、情緒を不安定にし、適切な判断力を鈍らせるなど、生活の質に大きく影響します。また、こころの病気の一症状としても現れます。

 近年では、とくに無呼吸を伴う睡眠の問題(睡眠時無呼吸症候群(すいみんじむこきゅうしょうこうぐん))が、高血圧、心臓病、脳卒中の悪化要因として注目されています。さらに、事故の背景に睡眠の問題がある事例が多いことなどから、社会問題としても顕在化してきているところです。

睡眠状況の実態

 厚生労働省による「国民健康・栄養調査」(平成27年)によれば、1日の平均睡眠時間は、男女とも「6時間以上7時間未満」が最も高く、それぞれ33.9%、34.2%でした。1日の平均睡眠時間が6時間未満の人の割合について、この10年でみると、平成19年以降有意に増加しています。

 睡眠の質については、1日の平均睡眠時間別にみると、6時間未満の人が、男女とも有意に不良です。6時間未満の人では、男女とも「日中、眠気を感じた」が最も高く、それぞれ44.5%、48.7%となっています。

睡眠不足の害

 歴史的な大事故のほとんどは、労働者の極度の睡眠不足が主要な原因のひとつにあげられています。睡眠が不足すると作業効率が悪くなり、不注意によるミスが多発し、ちょっとした居眠りが世界を巻き込むような大事故につながるのです。

 もっと身近な例では、交通事故があります。さまざまな調査の結果、睡眠不足の人が交通事故を起こす確率は、ぐっすり眠っている人の2~3倍とされています。また、交通事故の発生時間を調べてみると、事故の件数は夜~深夜の時間帯が非常に多いことがわかっています。これも睡眠不足による居眠り、不注意が事故の原因になるという事実を物語っています。

 自分たちは夜起きていても大丈夫だ、深夜に働いても頭がさえて注意力も十分だと思っていても、それは主観的な感覚です。実際は、主観的な眠気と客観的な眠気は解離しているということを認識しなければなりません。

体への影響

 睡眠は、疲労回復に重要な役割を果たしています。睡眠のメカニズムは十分には解明されていませんが、脳の視床下部から免疫調整物質や睡眠調節物質が放出されることによって、睡眠が誘導され、脳神経系‐免疫系‐内分泌系のバランスの維持回復が行われていると考えられています。睡眠障害が起こると、このバランスがくずれ、疲労が発生し、さまざまな自覚症状が現れてきます(表4)。

 睡眠不足が身体機能に与える影響としては、免疫系と循環器系の機能低下が最も重大なリスクであるといえます。免疫系の機能が低下すると肌荒れが生じたり、かぜをひきやすくなるほか、発がんの危険性が高まることもわかっています。循環器系では心臓への負担が増大し、不整脈が発生、血圧も上昇し、とくに高血圧の人は注意が必要です。

 睡眠不足のために、セロトニンやメラトニン、そして成長ホルモンの分泌が少なくなり、逆にアドレナリンの分泌は多くなる傾向にあります。アドレナリンの分泌が増えれば、尿中に排泄されるビタミン量も増え、結果としてはストレスに非常に弱くなります。近年、とくに無呼吸を伴う睡眠の問題は、高血圧などにより心臓病や脳卒中につながるとともに、血液中の糖の濃度を適切に維持する能力が低くなる(耐糖能(たいとうのう)の低下)ことが報告されています。

和田 高士

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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休養
きゅうよう
Rest
(生活習慣病の基礎知識)

 休養には、心身の疲労を回復する「休む」という側面だけでなく、人間性の育成や、社会・文化活動、創作活動などを通じて自己表現を図る「養う」という側面があります。人々が精神的価値を重視する傾向がある点からも、休養の考えが重要になってきています。

 このため、1994年「健康づくりのための休養指針」が策定され、生活リズムを保つことの重要性や、長期休暇をとることの普及を行っています(表20)。

睡眠の目的

 人は一生のうち、およそ20万時間、人生の3分の1を睡眠に費やしています。この睡眠は、私たちの体に欠かせない、大切なはたらきをしています。

 睡眠には、心身の回復と体力の節約という2つの役割があります。

 まず、心身の回復とは、疲れた脳を休ませるための眠りです。私たちが起きている間、意欲や意思などさまざまな大脳機能がはたらいていますが、疲れた脳は休ませてやらなければなりません。脳が疲れてくると、睡眠物質といわれる脳内物質が睡眠中枢にはたらいて、大脳を眠らせようとします。

 もうひとつは体力の節約で、夜になれば動かずに、エネルギーを蓄えるための眠りです。これは脳にある生物時計によってコントロールされており、夜になると信号を受けて眠りが起こります。

 昔から「寝る子は育つ」といわれますが、実際に成長ホルモンは昼間よりも夜間の深い睡眠中によく分泌されることがわかっています。この成長ホルモンは子どもの成長ばかりでなく、私たちの皮膚や血液の代謝過程にはたらき、身体の修復を助ける大切な役割を担っています。また、生体の免疫機構なども睡眠中にはたらいており、このことからも睡眠は身体機能の調整に欠かせないものといえます。

健康づくりのための睡眠指針~快適な睡眠のための7箇条~

 日本では、成人の23%に睡眠に関連した健康問題があり、14%が眠りを助けるために睡眠薬やアルコールを飲むことがあると示されています。このような状況を踏まえ、厚生労働省は2001年度に、より充実した睡眠についてのわかりやすい情報を提供することを目的に「健康づくりのための睡眠指針」を策定しました。

 本指針は、成人を対象として、睡眠の問題を予防・改善するための情報を7つの柱として整理したものであり、個々人の自己選択に基づいて、本指針に示すような生活習慣の工夫が推奨されます。以下、この指針に沿って要点を解説します。

①快適な睡眠でいきいき健康生活

・快適な睡眠で、疲労回復・ストレス解消・事故防止

・睡眠に問題があると、高血圧、心臓病、脳卒中など生活習慣病のリスクが上昇

・快適な睡眠をもたらす生活習慣

 ~定期的な運動習慣は熟睡をもたらす

 ~朝食は心と体のめざめに重要、夜食はごく軽く

 定期的な運動習慣は熟睡を促進します。ただし、眠ろうとして急に強い運動をすると、かえって寝つけなくなることもあるため、日常生活のなかで体を動かすように心がけたり、定期的な運動習慣をもつことが重要です。高齢者の場合には、夕方の軽い散歩なども効果的です。

 また、朝食をとることにより、こころと体を目覚めさせ、元気に一日を始めることが重要です。満腹・空腹では安眠できません。おなかがすいて眠れないような時は、夜食におかゆやうどんなどの炭水化物を少量食べましょう。

②睡眠は人それぞれ、日中元気はつらつが快適な睡眠のバロメーター

・自分に合った睡眠時間があり、8時間にこだわらない

・寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減る

・年齢を重ねると睡眠時間は短くなるのが普通

 快適な睡眠を確保するための睡眠時間、睡眠パターンなどは、人それぞれで個人差があります。高齢になるほど、概して必要な睡眠時間が短くなることが報告されており、無理に長時間眠ろうとすると、かえって睡眠の質を低下させることがあることに留意する必要があります。

 また、寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減ってしまいます。快適に睡眠を確保できているかを評価する方法のひとつとして、日中しっかり目覚めて過ごせているかを目安にすることが重要です。

③快適な睡眠は、自ら創り出す

・夕食後のカフェイン摂取は寝つきを悪くする

・「睡眠薬代わりの寝酒」は、睡眠の質を悪くする

・不快な音や光を防ぐ環境づくり、自分に合った寝具の工夫

 就寝の4時間前以降のカフェイン摂取は、入眠を妨げる傾向があります。就寝前にコーヒー、紅茶、緑茶などカフェインの入った飲み物を口にすると、目がさえて眠れなくなります。これらの飲み物が好きな人は、飲む量と時間を考えてほどほどにしてください。

 就寝前の喫煙も、眠りの妨げになるので注意しましょう。睡眠中は胃や腸も休むので、眠る前の2時間以内の重い食事は避けたいものです。

 アルコールは適量なら健康を増進します。しかし、就寝前に飲むいわゆる寝酒を毎日続けると、快適な睡眠の妨げになるため注意しなければなりません。

 アルコールを飲むと寝つきはよくなりますが、夜中や明け方に目がさえて眠れなくなります。眠りには一定のリズムがあり、アルコールを飲むとリズムが乱されるため、こうした現象が起こるのです。寝酒を続けていると、次第にたくさんのアルコールを口にしないと眠れなくなるという問題もあります。

 寝つきの悪い人は、アルコールに頼るよりも睡眠薬を服用するほうが、はるかに健康によいと考えられています。とくに、最近は作用時間の短いタイプの優れた睡眠薬が開発されているので、医師に相談してみるといいでしょう。

 さらには、快適な睡眠のための環境づくりとして、不快な音や光を防ぐ環境づくりや、自分に合った寝具を使うなど工夫することが推奨されます。

 枕は快適な睡眠に欠かせない小道具です。最近ではいろいろなタイプの枕が市販されているので、大きさ、通気性、放熱性、高さ、硬さを総合的に評価して、こだわりをもって選びましょう。寝具店によっては、適切な枕の高さを測ってくれるところもあります。

④眠る前に自分なりのリラックス法を、眠ろうとする意気込みが頭をさえさせる

・軽い読書、音楽、香り、ストレッチなどでリラックス

・自然に眠たくなってから寝床に就く、眠ろうと意気込むとかえって逆効果

・ぬるめの入浴で寝つきよく

 眠ろうとする意気込みが頭をさえさせ、寝つきを悪くします。軽い読書、音楽、香り、ストレッチなど、自分にあった方法で、心身ともにリラックスするよう心がけて、眠たくなってから寝床につくようにすることが推奨されます。

 なかなか寝つけない、つまり入眠困難の原因は、生体リズムの異常のほかにもあります。寝る前にゲームなどで脳を興奮させた場合、カフェインを多く摂取した場合、熱いお風呂に入って体温が上昇している場合、心的ストレスが高い場合など、眠りの準備状態ができていない場合があげられます。また、横になってから寝つくまでの時間は、性格が外交的な人ほど短く感じ、内向的な人ほど長く感じる傾向があります。

 寝る前(2~3時間前)に入浴をするのもよいでしょう。入浴すると体内の循環がよくなり、体温がいったん上がります。そのあと、体は汗をかいて体温を下げようとしますが、この体温が下がる時が眠りにつきやすい状態なのです。もっとも体温の上げすぎは逆効果になるので、お湯の温度は38~40℃くらいをキープするようにしましょう。

 寝室の温度も重要なポイントです。春秋は20℃、夏は25~27℃、冬は15℃くらいが適温です。寝床の中の温度は体温よりやや低い32~34℃がよいとされています。眠る前に冷暖房器具で室温の調整をしてください。ただし、眠っている時は冷暖房器具のスイッチを切るのが原則です。夏の暑い時などは26~28℃に温度を設定して、タイマーで入眠時の1~2時間だけ使うようにするとよいでしょう。

 朝方、体温は徐々に上昇し、目覚めが訪れます。冬の朝などは、エアコンのタイマーを起床時間の1時間前に合わせ、室温・体温を上昇させると、冬もスッキリと目覚めることができます。

 寝室環境にひと工夫しましょう。眠る時の明るさは、物の色や形が何とか判別できる程度が理想的です。騒音で悩む人は、入眠時にタイマーを使って1時間程度、川のせせらぎなど自然の音を録音したものを流すと、騒音を気にせずに眠りに入ることができます。

⑤目が覚めたら日光を取り入れて、体内時計をスイッチオン

・同じ時刻に毎日起床

・早起きが早寝に通じる

・休日に遅くまで寝床で過ごすと、翌日の朝がつらくなる

 ヒトの脳のなかには、生体リズムをコントロールする体内時計がありますが、日光は、眼を通じて体内時計を刺激し、1日の行動に適したリズムをつくります。

 早起きが早寝に通じることはもちろん、目が覚めたら適度な日光を浴びるようにすることが、快適な睡眠の確保につながります。なお、雨天・曇天でも、室内において、窓際のほうが自然の光を取り入れやすいことがわかっています。

 また、休日に遅くまで寝床で過ごすと、晩に寝つきが悪くなり、翌日の朝がつらくなるので、注意が必要です。

 この調整には、朝の太陽光がひと役買っています。朝、起きたら、ベランダか庭に出て、朝日を浴びてみましょう。自動的に体が24時間周期に調整され、眠気も断ち切れます。

⑥午後の眠気をやりすごす

・短い昼寝でリフレッシュ、昼寝をするなら午後3時前の20~30分

・夕方以降の昼寝は夜の睡眠に悪影響

・長い昼寝はかえってぼんやりの元

 人体の睡眠のリズムとして、午後2時くらいに眠気が生じることが明らかになっています。とくに、睡眠不足の際には顕著になりますが、長い昼寝や夕方以降の昼寝は夜の睡眠に悪影響を及ぼすことが多いため、午後3時前の20~30分の短い昼寝でリフレッシュし、うまく午後の眠気をやりすごすことが推奨されます。

⑦睡眠障害は、専門家に相談

・睡眠障害は、「体やこころの病気」のサインのことがある

・寝つけない、熟睡感がない、十分眠っても日中の眠気が強い時は要注意

・睡眠中の激しいいびき、足のむずむず感、歯ぎしりも要注意

 寝つけない、熟睡感がない、早朝に目が覚めてしまう、十分眠っても日中の眠気が強いことが続くといった睡眠障害は、体やこころの病気の症状として現れていることがあるので、一人で悩まず保健医療専門職に相談しましょう。

 いびきは、眠ることによって狭くなった上気道(空気の通り道である、のどの部分)を空気が通過する際に生じる雑音です。決してよく眠っている証拠ではなく、むしろいびきがひどい時は睡眠の質が悪くなっています。その予防として、肥満の人は減量し、就寝前のアルコールや食べすぎを避けるなど、生活習慣に留意することが重要です。

 ただし、睡眠中の激しいいびきは、背景に睡眠時無呼吸症候群(すいみんじむこきゅうしょうこうぐん)など睡眠の病気がある可能性があり、足のむずむず感、歯ぎしりなどとともに、医師や歯科医師に早めに相談することが推奨されます。

 また、うつ病では、早朝に目が覚めたり、熟睡感がないなどの特徴的な睡眠障害を示します。こうした特徴的な睡眠障害を初期のうちに発見して適切に治療することにより、うつ病の悪化を予防し、さらに近年問題になっている自殺を予防することにもつながります。

 このように、睡眠の問題を改善していくことは、体とこころの健康づくり、さらに「体とこころの病気」の発症や悪化の予防に重要な意味をもつものと考えられます。

和田 高士

出典:法研「六訂版 家庭医学大全科」
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