●会田安明【あいだやすあき】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
会田安明
あいだやすあき
[没]文化14(1817).江戸
江戸時代後期の和算家。通称算左衛門,字は子貫,号は自在亭。 16歳のとき,十日町の中西流岡崎安之の門に入って算術を学んだ。 23歳のとき江戸に出て,御家人株を買って御普請役として利根川,鬼怒川などの改修工事に従事したが,天明7 (1787) 年役を免じられ,のち,数学者として生きた。初め本多利明に師事したといわれている,関流に対抗して最上 (さいじょう) 流という一派を立てた。関流の藤田貞資,その門下の神谷定令らとの 20年にわたる論戦は有名である。楕円の周を求める算法,楕円規,対数の理論,零約術に会田の創意があるとされている。刊行されたものは『改精算法』『当世塵劫記』『算法古今通覧』『算法天生法指南』など少数であるが,稿本は 2000冊余に及ぶ。
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デジタル大辞泉
あいだ‐やすあき〔あひだ‐〕【会田安明】
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デジタル版 日本人名大辞典+Plus
会田安明 あいだ-やすあき
延享4年2月10日生まれ。岡崎安之(やすゆき)にまなび,江戸で一時,幕府につかえる。天明5年「改精算法」を出版して関流の藤田貞資(さだすけ)を批判し,以後論戦は20年におよぶ。最上流(さいじょうりゅう)開祖を称した。文化14年10月26日死去。71歳。出羽(でわ)山形出身。姓は一時,鈴木。字(あざな)は子貫。通称は算左衛門,彦助。号は自在亭。名は安旦ともかく。編著に「算法天生法指南」など。
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世界大百科事典 第2版
あいだやすあき【会田安明】
江戸中期の数学者。通称算左衛門,字は子貫,号は自在亭という。山形の七日町に生まれ,山形で数学を学ぶ。さらに数学を学ぶために江戸へ出る。そのころ有名であった藤田貞資の弟子になろうとしたが,感情のもつれから成功しなかった。会田は藤田の著書《精要算法》(1781)を訂正した《改精算法》(1785)を出版した。この出版により,藤田の弟子の神谷定令によるきびしい攻撃を受けた。会田は自分の塾を最上流と名づけ,藤田の関流と対抗した。
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日本大百科全書(ニッポニカ)
会田安明
あいだやすあき
(1747―1817)
江戸後期の和算家。名は「やすあきら」とも読み、安旦と書くこともある。山形に生まれる。幼名重松。若くして郷里で岡崎安之(やすゆき)について数学を学ぶ。学んだのは天元演段(天元術を使って問題を解く)までである。のち江戸に出て幕臣の株を買い、鈴木彦助と称し、各地の治水工事に従事した。同僚とともに職を辞め、会田姓に復して、数学によって身をたてようとした。当時和算の第一人者とよばれた関流の藤田貞資(さだすけ)の門に入ろうと思い、その高弟神谷定令のつてによって貞資に面会を求めたが、ささいなことから口論になり、そのまま立ち戻った。そのころ藤田貞資の著『精要算法』が良書として有名であったので、これを標的として『改精算法』を著してこの書を攻撃した。藤田派はこれに応じて逆批判の書を出版し、安明はまた再批判の書を刊行するなど、その争いは20余年に及んだ。この争いの間に安明の学力はめきめき上達し、ついに最上(さいじょう)流開祖を名のるようになった。最上流の名はその生地最上(もがみ)から出ており、また最上(さいじょう)の流儀という意味もある。著書千数百巻、そのうち版になったのは『当世塵劫記(じんごうき)』『算法古今通覧』『算法天生法指南』などである。このうち『算法天生法指南』は1810年(文化7)の刊で、点竄(てんざん)術を詳細に説明した最初の書物である。代表的な公式を系統的に解き、一種の公式集の観がある。この後、関流でも点竄術の自習書を出したが、『算法天生法指南』はこれらのうちでもきわめて系統的で出色のものである。
[大矢真一]
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会田安明 (あいだやすあき)
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精選版 日本国語大辞典
あいだ‐やすあき【会田安明】
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