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伝染病予防法【でんせんびょうよぼうほう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

伝染病予防法
でんせんびょうよぼうほう
明治 30年法律 36号。伝染病の発生を予防し,発生した伝染病を撲滅することを目的とした法律。伝染病の種類 (法定伝染病指定伝染病) を規定し,各都道府県市町村に清潔方法,消毒方法,予防処置の施行伝染病院,予防委員,検疫委員,防疫監吏などの設置を義務づけるほか,家宅などへの立入り,交通遮断隔離強制収容,物件の使用禁止,死体および家屋などの処分,届け出義務,費用の支弁,国庫の負担などについて規定するが,伝染病の拡大阻止を優先するあまり,患者の人権に対する配慮に欠けた部分が少くなかった。しかし,1996年頃から発症が報告されはじめた病原性大腸菌O-157による感染症の対処の遅れなど,時代に即していない状況となったため,99年4月感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 (感染症新法) が施行された。

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デジタル大辞泉

でんせんびょうよぼう‐ほう〔デンセンビヤウヨバウハフ〕【伝染病予防法】
伝染性が強く生命に危険を及ぼす伝染病を指定し、その予防・対策について定めていた法律。明治30年(1897)制定。平成11年(1999)感染症予防法の施行に伴い廃止

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世界大百科事典 第2版

でんせんびょうよぼうほう【伝染病予防法】

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日本大百科全書(ニッポニカ)

伝染病予防法
でんせんびょうよぼうほう

伝染性が激しく、しかも生命に危険をもたらすおそれのある伝染病を指定し、その予防対策をたてて国民を伝染病から守るために制定された法律。1897年(明治30)施行以来、国内に非常在性の伝染病の国内侵入後および常在性の主要な伝染病の伝播(でんぱ)予防を目的とする種々の法律の中核となった。しかし、予防対策や治療法、および衛生思想の普及が不十分な時代に制定された法律であり、感染者の隔離や感染地域の交通遮断、集会の禁止、強制消毒など、時代にあわない内容となったため、1999年(平成11)廃止、かわって感染症予防・医療法(感染症法、平成10年法律114号)が施行された。

[柳下徳雄]

内容

伝染病予防法には、後述の11種の法定伝染病をはじめ、厚生大臣(当時)が指定し、この法律が適用される指定伝染病2種と届出(とどけいで)伝染病13種が明示され、隔離、治療、消毒、予防接種などの諸規定、予防上必要とされる市街村落全部の交通遮断、諸集会の禁止を含む諸措置、および医師の届出義務、検疫、費用、罰則などが定められていた。法定伝染病は同法第1条に明記され、全面的に同法が適用された。これ以外にも同法の適用を必要とする伝染病があるときは、厚生大臣が指定することになっており、指定伝染病とよばれ、1959年(昭和34)に急性灰白髄炎(ポリオ)、76年にはラッサ熱が指定された。届出伝染病はインフルエンザ、狂犬病、炭疽(たんそ)、伝染性下痢症、百日咳(ひゃくにちぜき)、麻疹(ましん)、急性灰白髄炎(ポリオ)、破傷風、マラリア、黄熱、回帰熱、フィラリア症、つつが虫病の13種で、これらの病気を診断した医師は24時間以内に保健所長に届出をすることが義務づけられていた。

[柳下徳雄]

沿革

伝染病の予防対策として最初に法制化されたのは種痘であり、続いて痘瘡(とうそう)(天然痘)やコレラの流行に応じて個々の予防法規がつくられたが、1880年になって総合的な伝染病予防規則が制定された。これによる対象疾患は、コレラ、腸チフス、赤痢、ジフテリア、発疹(はっしん)チフス、痘瘡の6種が中心となっていた。数回改正されたのち、これにかわって1897年に制定された伝染病予防法では、しょうこう熱とペストを加えた8種が対象疾患であった。伝染病予防法はその後、1922年(大正11)の改正でパラチフスと流行性脳脊髄(せきずい)膜炎が加えられたほか、コレラおよびペストの疑似症も対象とされ、伝染病の病原体保有者(保菌者)も患者と同様に扱われることになった。さらに1954年(昭和29)の改正によって日本脳炎が加えられ、法定伝染病は11種となった。

 1999年の伝染病予防法廃止、感染症予防・医療法施行により、法定伝染病、指定伝染病、届出伝染病の分類は使用されなくなり、かわって、新感染症、1~5類感染症、指定感染症に分類された。

[柳下徳雄]

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精選版 日本国語大辞典

でんせんびょう‐よぼうほう ‥ビャウヨバウハフ【伝染病予防法】
〘名〙 法定伝染病、指定伝染病の予防を目的とした法律。明治三〇年(一八九七)制定。平成一一年(一九九九)感染症法の施行により廃止された。
※風俗画報‐二七五号(1903)大阪府の衛生設備「博覧会に対し、伝染病予防法(デンセンビャウヨバウハフ)を励行し」

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