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信仰【しんこう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

信仰
しんこう
pistis; fides; faith; Glaube; foi
一般に絶対的他者 (神,キリストに代表される人格的他者およびその他の超自然的存在,あるいは自然的存在) もしくは絶対的自己への信頼的,合一的態度であり,学識は必ずしも信仰の成立に不可欠な要素ではない。したがって信仰の形式はさまざまであり,アニミズムや祖先崇拝にみられるような素朴なものからユダヤ教,仏教,キリスト教,イスラム教におけるようにすぐれた教典と伝統を有するものまである。また信仰の形式については同一の宗教内部でも異なる場合がある。たとえば仏教においては親鸞のように他力本願を唱える者と禅宗のように自力を主張するものがある (→自力・他力 ) 。キリスト教ではパウロが信仰の概念の形成に大きな役割を果し,信仰を希望とともに神に対する3つの徳の一つとして位置づけた。彼によれば,「信仰とは望んでいる事柄を確信することであり,まだ見ぬものを確認することである」。スコラ神学では信仰の概念がさらに精密化され,トマス・アクィナスは信仰を「神の恩恵により促された意志の働きによって神の真理へ同意する知性的行為」と定義した。プロテスタントでは M.ルターが信仰における無条件的信頼性の優位を強調したが,以後プロテスタントの正統主義においては再び主知主義的色彩が強められた (→義認 ) 。今日,特に弁証法神学者の間では再び,無条件的信頼という宗教改革者の精神に立返る努力がなされている。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

しん‐こう〔‐カウ〕【信仰】
[名](スル)《古くは「しんごう」》
神仏などを信じてあがめること。また、ある宗教を信じて、その教えを自分のよりどころとすること。「信仰が厚い」「守護神として信仰する」
特定の対象を絶対のものと信じて疑わないこと。「古典的理論への信仰」「ブランド信仰

出典:小学館
監修:松村明
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世界大百科事典 第2版

しんこう【信仰 faith】
信仰は宗教の基礎概念であり基本態度であるが,それだけに定義の困難なものである。どの宗教にも崇拝対象があり祭儀行為がありながら,信仰はより自覚的な態度であるので,すべての宗教にこれがあるとはいえず,あってもさまざまの段階をもっている。ギリシア人は一般に信仰pistisよりも知識を重んじたので,信仰は知識以下で,臆測doxaと同じものとみなしていた。ギリシア人の宗教性は不死へのあこがれを基盤とするもので,その深さは悲劇における苦悩の意識や自然のにあるデーモン的なものの発見などにうかがわれ,ソクラテスに見るように敬虔のにも欠けることはない。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

しんこう【信仰】
スル
古くはしんごうとも
神仏などを信じ崇あがめること。経験や知識を超えた存在を信頼し、自己をゆだねる自覚的な態度をいう。 仏教に厚い-を寄せる 神を-する
人を信じうやまうこと。 三郎の為人ひととなりを益々景慕し、弥々いよいよ-する心を生じた/薄命のすず子 お室信心補説欄

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

信仰
しんこう
faith英語
foiフランス語
Glaubeドイツ語
神仏のように、自分にとって究極的な価値や意味をもっている対象と全人格的な関係をもち、その対象に無条件に依存し献身する心的態度をいう。経験できぬ不確実なものを主観的に確実であると思い込むことではない。宗教的体験や儀礼を繰り返すことによって、しだいに人格の内部に一定の心的態度が信仰として形成される。信仰は個人生活を統合する中心の役割を果たすと同時に、その信仰の表現である信条、組織、制度などにより、共同体の生活を統合する活動の中心にもなっている。[藤田富雄]

信頼との区別

幼児の母親に対する態度のように、人間と人間との間に形成され、相手の人格にすべてを一任する心的態度が信頼である。任せきるという点で信仰と共通するが、信頼の対象である人間は有限で究極的ではないから、相手の自由意志に任せる信頼は、つねに裏切られる危険と情緒的不安が付きまとう点では、信仰とはまったく異なる。[藤田富雄]

信念との区別

人間は、直接の体験や他人の経験の範囲内で思考するが、合理的な思考形式によって、一般に確実で検証されたものと承認されるとき知識が生まれる。知識は学問研究によって絶えず改変されるから、つねに知識は不確実で不完全なものにすぎないが、仮説として承認される知識もある。このような認知的な心的態度が信念であるが、信仰は知情意の経験の全体にわたり、さらに経験を超えたものにも関係するので、既成の思考形式を超えて新しいものを生み出す可能性をもつ。科学が進歩すれば信仰は不要になるというような考え方は、信仰と信念との混同から生じるといえる。[藤田富雄]

信仰の変化

信仰対象、心的態度、社会や文化の状況などによって、信仰の形態は異なる。人間形成の過程においても、幼児期から老年期に至るまでに信仰は変化するのが当然である。とくに青年期は宗教的関心が高まって信仰が動揺するから、入信や改宗という回心現象が強くみられる。また、信仰はしだいに深まっていくもので、成熟した宗教的人格の備えている価値は聖者性とよばれ、聖者となることが信者の理想であり、信仰の極致であると考えられている。[藤田富雄]

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