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俳文【はいぶん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

俳文
はいぶん
俳人によって書かれた俳諧趣味を帯びた文章。簡潔洒脱含蓄が深く,多くは俳句を配してある。「俳文」の語は松尾芭蕉時代から使用され,「俳諧の文章」「俳諧の文」とも呼ばれた。代表的な俳文集は,貞門の『山の井』 (季吟,1648) ,『宝蔵』 (元隣,71) ,芭蕉の『幻住庵記』 (90) ,蕉門の『本朝文選』 (許六,06) ,『本朝文鑑』 (支考,1718) ,『和漢文操』 (支考,24) ,蕉門以後の『風狂文草』 (友水,45) ,『鶉衣 (うずらごろも) 』 (也有,87~1823) ,『新花摘』 (蕪村,1797) ,『蝶夢和尚文集』 (蝶夢,99) ,『父の終焉日記』 (一茶,1801) ,『蕪村翁文集』 (蕪村,16) ,『おらが春』 (一茶,52) など。明治以後の正岡子規一派の写生文などは俳文の特色をそなえているが,俳文とは呼ばない。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

はい‐ぶん【俳文】
俳諧的な感覚で書かれた詩的散文俗語・雅語・故事の使用など修辞上に特色があり、簡潔・機知的な表現で含蓄に富む。文にを配したものも多い。松尾芭蕉の「奥の細道」、横井也有(よこいやゆう)の「鶉衣(うずらごろも)」、小林一茶の「おらが春」など。

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世界大百科事典 第2版

はいぶん【俳文】
江戸時代の俳人の手になる一種の詩的散文。散文の要素は当時文学的と意識された伝統的雅文,漢文読みくだし文,和漢混淆文であり,詩の要素はいうまでもなく俳諧性である。文章上の特色は,俗語と雅語,漢語と和語の混淆が著しいこと,和歌,俳句,歌謡の調べ,和歌的な掛詞・縁語,漢詩的対句などが多く,一種のリズムを持つこと,連句に似た飛躍した文脈で,文章の論理性よりも含蓄と余韻を尊ぶことなどがあげられる。初期の貞門,談林時代は,〈俳言(はいごん)〉を伝統的な和文の中にはめこむことで滑稽と卑俗美を出すことに努めた。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

はいぶん【俳文】
俳人の手になる、俳諧はいかい的な味わいをもった文章。簡潔な表現と深い含蓄、句文の照応などが特色。松尾芭蕉の「幻住庵記」、横井也有の「鶉衣」、小林一茶の「おらが春」などが著名。俳諧の文。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

俳文
はいぶん
主として俳人によって書かれた俳諧(はいかい)的な味わいのある文章。簡潔な表現で、省略や飛躍を伴うが、詩的で含蓄に富み、世俗を超越した風流な気分を表すものが多い。多くは短文で、文章に俳句が挿入されることもある。論理より感覚を重んじるが、和漢の故事を引用し、機知的な比喩(ひゆ)を多用し、また滑稽(こっけい)味を強く出すこともある。山岡元隣(げんりん)著『宝蔵(たからぐら)』(1671)が俳文集の最初のものとされているが、それより早い北村季吟著の季寄(きよせ)書『山の井』(1648)の季題解説の部分に俳文の芽生えがあるとも考えられている。「俳文」の語は芭蕉(ばしょう)の元禄(げんろく)3年(1690)と推定される書簡中にみられるのが最初で、芭蕉やその門下の人々によって、「俳諧の文」「俳諧の文章」などともよばれた。芭蕉の紀行文も広い意味での俳文と考えてよいが、狭い意味での俳文は、芭蕉とその門下の俳文を集めた許六(きょりく)編『本朝文選(もんぜん)』(1706刊、のち『風俗文選』と改題)において確立したと考えられる。
 江戸時代を通じて、優れた俳人は優れた俳文を残していることが多く、蕪村(ぶそん)著『新花摘(しんはなつみ)』(1797)、一茶(いっさ)著『おらが春』(1820)などにそれをうかがうことができる。也有(やゆう)著『鶉衣(うずらごろも)』(1787)は、趣味的な飄逸(ひょういつ)の態度が徹底していることと、「続編」「拾遺」をあわせて大部であることによって影響を与えるところが大であった。江戸時代の俳文を大きくみると、風雅の趣(おもむき)を主とする芭蕉の行き方と、飄逸滑稽の趣を主とする也有の行き方の二つの流れがあった。近代においては正岡子規(しき)一派の写生文が俳文の範囲にあり、その門下の高浜虚子(きょし)に『新俳文』(1933)の著がある。[山下一海]
『麻生磯次他校注『日本古典文学大系92 近世俳句俳文集』(1964・岩波書店) ▽松尾靖秋・丸山一彦他校注・訳『日本古典文学全集42 近世俳句俳文集』(1972・小学館) ▽松尾勝郎著『近世俳文評釈』(1983・桜楓社)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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