●催馬楽【さいばら】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
催馬楽
さいばら
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デジタル大辞泉
さいばら【催馬▽楽】
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世界大百科事典 第2版
さいばら【催馬楽】
[語源および沿革]
催馬楽の語源については諸説あり,一定しない。外国語に基づくとする説,雅楽関係のほかの曲名がなまったとする説,馬子歌に起因するという説などがある。
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日本大百科全書(ニッポニカ)
催馬楽
さいばら
平安時代の歌謡。もと風俗歌であった歌謡を、外来音楽である唐楽(とうがく)風に編曲して歌ったもの。おもに宮廷貴族の祝宴、遊宴の場で、大和笛(やまとぶえ)、和琴(わごん)、琵琶(びわ)などの伴奏で、笏拍子(しゃくびょうし)を打ちながら歌われた。旋律の違いで、律(りつ)・呂(りょ)の二つに分類される。文献上の初見例は、『三代実録』貞観(じょうがん)元年(859)10月23日のくだりに、薨去(こうきょ)された尚侍広井(ないしのかみひろい)女王が催馬楽歌をよくされたとあるものであるが、その20~30年前の仁明(にんみょう)天皇のころが催馬楽流行の一頂点であったらしい。『源氏物語』の巻名にも「梅枝(うめがえ)」「総角(あげまき)」「東屋(あずまや)」などの催馬楽の曲名がみえている。催馬楽の名義については、諸国から貢物を大蔵省に納める際、貢物を負わせた馬を駆り催すために口ずさんだ歌であったからとする説、神楽(かぐら)歌の前張(さいばり)の拍子で歌ったからとする説、唐楽の『催馬楽(さいばらく)』の曲調で歌ったからとする説、譜本の律旋冒頭にある『我が駒(こま)』の歌詞「いで我が駒早く行きこそ」によったとする説など諸説あるが、確かなところは不明である。
内容は多様だが、民衆の生活感情、とくに男女の恋愛を歌ったものが多い。一方で、大嘗祭(おおにえのまつり)の風俗歌、新年の賀歌などもみいだされる。その内容からみて、奈良時代の末から平安時代の初めにかけて発達、完成したものらしい。歌謡の形式は多く不整形だが、『あな尊と』『梅が枝』など短歌形式に還元されるものも少なくない。平安中期に源家(げんけ)、藤(とう)家の2流が生じて催馬楽を伝え、律旋は『我が駒』『沢田川』など25首、呂旋は『あな尊と』『新しき年』など36首、計61首が残されている(ほかに『簾中抄(れんちゅうしょう)』には、律旋2曲、呂旋4曲の名をあげている)。
催馬楽は宮廷芸能として長く続いたが、室町時代にはほとんど廃絶した。しかし、1626年(寛永3)後水尾(ごみずのお)天皇の勅令により『伊勢海(いせのうみ)』が再興されたのを最初に順次再興され、1876年(明治9)宮内庁楽部の選定曲として『安名尊(あなとうと)』『山城(やましろ)』『席田(むしろだ)』『蓑山(みのやま)』『伊勢海』『更衣(ころもがえ)』の6曲が、さらに1931年(昭和6)には『美作(みまさか)』『田中井戸(たなかのいど)』『大芹(おおせり)』『老鼠(おいねずみ)』の4曲が再興されて加えられた。現行曲は宮内庁の雅楽公演などで、管絃(かんげん)の唐楽演奏の合間に演奏されることがある。
[多田一臣]
『土橋寛・小西甚一校注『日本古典文学大系3 古代歌謡集』(1957・岩波書店)』▽『山井基清著『催馬楽訳譜』(1966・岩波書店)』
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精選版 日本国語大辞典
さいばら【催馬楽】

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旺文社日本史事典 三訂版
催馬楽
さいばら
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