●光学ガラス【こうがくガラス】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
光学ガラス
こうがくガラス
optical glass
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デジタル大辞泉
こうがく‐ガラス〔クワウガク‐〕【光学ガラス】
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世界大百科事典 第2版
こうがくガラス【光学ガラス optical glass】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
光学ガラス
こうがくがらす
optical glass
レンズ、プリズムなどのように、光の反射、屈折によって画像を伝送する光学素子の材料となる高い均質度をもったガラス。屈折率nd(波長587.6ナノメートルに対するもの)とアッベ数νdの二つの光学定数の組合せにより200種以上のガラスがある。1609年にイタリアのガリレイが凸、凹両レンズを組み合わせた望遠鏡で天体観測をしていることから、ガラスは人間が最初に開発した機能性材料といえる。
ガラスの屈折率は光の波長によって変わる(このことを分散とよぶ)から、1枚の凸レンズでも実像は結ぶが、色収差のため像が明瞭(めいりょう)でない。このほか球面収差なども除いて像の精度を高めるため、光学定数の異なる凸、凹レンズ数枚を組み合わせて光学系をつくりあげることが多く、そのため光学ガラスの種類がしだいに増えて現在に至っている。1980年代ごろから、球面収差を除去しレンズの枚数を少なくするために、非球面レンズが広く使用されるようになっている。ガラスの種類としては、屈折率が比較的低くて分散も低い凸レンズ用のクラウン系と、組成に酸化鉛を含むため高屈折率で高分散の凹レンズ用のフリント系になるが、その後、部分分散の異なるバリウム系が加わり、さらに新しくランタン系、リン酸塩系、ホウ酸塩系、フッ化物系、フツ・リン酸系など各種のガラスが開発されている。
光学ガラスは典型的な多品種少量生産で、種類ごとにるつぼで溶融し、高均質を得るため攪拌(かくはん)をする。るつぼ材は耐火粘土または白金で、焙焼(ばいしょう)炉のほか高周波炉も使われる。また、1970年代から、大量生産のために白金炉を用いた連続生産が行われている。
[境野照雄・伊藤節郎]
『泉谷徹郎著『光学ガラス』(1984・共立出版)』▽『作花済夫・伊藤節郎・幸塚広光・肥塚隆保・田部勢津久・平尾一之・由水常雄・和田正道編『ガラスの百科事典』(2007・朝倉書店)』
出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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化学辞典 第2版
光学ガラス
コウガクガラス
optical glass
きわめて均質な,透過率の高い,精密な光学定数をもった光学器械用のガラス.光学定数は図のような広範囲にわたり,200種類を超える.図中の屈折率 nd はフラウンホーファー線のd線(587 nm)に対する屈折率,アッベ数 νd は光学ガラスの分散の程度を測定する量である.
大別するとアッベ数が50~55以上のものをクラウンガラス,それ以下のものをフリントガラスとよぶ.歴史的にはクラウン(K),フリント(F)が早くからつくられ,その中間のKF,LLF,LF,高屈折のSFが続き,さらにクルツフリント(KzF),ホウケイクラウン(BK),BaOの入ったBaK,BaLK,BaLF,BaF,BaSF,SK,SSK,ZnOを含むZKなどへと発展した.日本では,O. Schottの影響を受けて軽バリウムフリントをBaLF(Barium-Leicht-Flint),特種クラウンをSSK(Schwer-Schwer-Kron)などのように表している.フッ化物やリン酸塩を使ったFK,PK,PSK,La2O3を加えたLaK,LaFは比較的新しい.このように多くの種類を必要とするのは,レンズ設計上の自由度を増して各種の収差を除くためである.近年,宇宙船観測やICのマスク焼付けのため,従来よりはるかに高い均質度と光学定数の精度が要求されている.
出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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