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免疫グロブリン【めんえきグロブリン】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

免疫グロブリン
めんえきグロブリン
immunoglobulin
脊椎動物の体液中に存在し,リンパ系細胞によって生産される蛋白質で,抗体およびこれと構造・機能上関連をもつもの。体液性抗体ともいい,これによる免疫反応液性免疫と呼ぶ。分子量などに基づいて5つのクラス (IgGIgMIgAIgDIgE) に分けられるが,どのクラスも分子としての基本構造は変らない。分子量5万~7万の重鎖 (H鎖) 2本と,分子量2万 3000の軽鎖 (L鎖) 2本,計4本のポリペプチド鎖で構成されている。このうち細菌やウイルスに対する生体防御上で重要なのは IgGで,血中に最も多量に存在する。 IgAは局所的な生体防御をにない,IgEはアレルギー反応に深く関わっている。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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朝日新聞掲載「キーワード」

免疫グロブリン
異物(抗原)が体内に入ってくると、血液中の細胞が免疫グロブリン(Ig抗体)というたんぱく質をつくり、これが異物にとりついて排除するなどの働きをする。ただ、その働きで花粉症やぜんそくなどのアレルギーが起きることもあり、石坂さんらは、起きるもとになるIgEを見つけた。IgにはほかにG、A、M、がある。
(2017-10-02 朝日新聞 朝刊 山形・1地方)

出典:朝日新聞掲載「キーワード」

デジタル大辞泉

めんえき‐グロブリン【免疫グロブリン】
抗体としての構造・機能をもつ一群血清たんぱく質。血液・リンパ液中に含まれるγ(ガンマ)グロブリンのほとんどはこれで、形質細胞などで生成される。分子の形はY字状をし、抗原結合部位をもつ。略記Ig イムノグロブリン。γ(ガンマ)、α(アルファ)、μ(ミュー)、δ(デルタ)、ε(イプシロン)という重鎖の種類から、IgGIgAIgMIgDIgEの5クラスに分類される。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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栄養・生化学辞典

免疫グロブリン
 イムノグロブリンともいう.抗体,もしくはそれと構造的に,機能的に関連しているタンパク質を総称していう.A,D,E,G,Mの五つのクラスがある.H鎖とL鎖で構成されている.

出典:朝倉書店
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世界大百科事典 第2版

めんえきグロブリン【免疫グロブリン immunoglobulin】
抗体タンパク質の総称。血清のタンパク質は電気泳動によりアルブミンとα‐,β‐,γ‐グロブリンに分画されるが,抗体はほとんどがγ‐グロブリン画分に見いだされ,また,γ‐グロブリン画分のタンパク質の大部分は抗体であることから,抗体タンパク質は古くからγ‐グロブリンと呼ばれていた。1960年代に,抗体には部分的に構造の異なるクラスやサブクラスとよばれるいくつもの種類があるが,すべての抗体タンパク質は類似した基本構造をもつことが明らかとなり,これを免疫グロブリンと総称することになった。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

めんえきグロブリン【免疫グロブリン】
イムノグロブリン(immunoglobulin; Ig)。 γ グロブリンを構成する主要なタンパク質。抗体の本体で、すべての脊椎動物の血清および体液中に含まれる。 B 細胞由来の形質細胞から生産され、性状によって五つのクラスに分けられ、それぞれ特異的な機能を示す。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

免疫グロブリン
めんえきぐろぶりん
immunoglobulin
イムノグロブリンともいう。脊椎(せきつい)動物の血液や体液中にあって抗体としての機能と構造をもつタンパク質の総称で、Igと略記する。血清中のγ(ガンマ)-グロブリンは、ほとんどがIgである。その基本構造は分子量約2万3000のL鎖2本と約5万~7万のH鎖2本がジスルフィド架橋(S‐S架橋)により結合したもので、全体で約15~19万の分子量になる。H鎖の種類、γ、α(アルファ)、μ(ミュー)、δ(デルタ)、ε(イプシロン)により、それぞれIgG、IgA、IgM、IgD、IgEの5クラスに分けられる。IgGには四つのサブクラスがあり、IgAには二つのサブクラスがある。L鎖は各クラスにκ(カッパ)とλ(ラムダ)の2種がある。同じクラスに属するものでもL、H両鎖のアミノ末端から110番目まではアミノ酸配列が多様で、可変領域とよんでいる。これによって個々の抗原に対応して特異的に結合するための立体構造をもつ抗原結合部位がつくられる。分子の形はいわばY字形で、二つの上端が等価の抗原結合部位であるのに対し、下端(カルボキシ末端)側は抗原と結合した抗体が補体や細胞と結合するなどの生物活性を示す部位である。
 IgGは、分子量約15万5000で血清中にもっとも多く、1リットル当り8~18グラム含まれており、すべてがなんらかの抗原に対応する抗体である。IgAは基本単位が分子量約17万で、分子量約50万の三量体をつくっている。外分泌液中にあって粘膜における感染の防御を担っている。IgMは分子量約18万の基本構造の五量体であり、IgDは分子量約17万2000である。IgEは分子量約19万~20万で糖の含有量が多く、アレルギー反応に関与する。ある抗原の刺激を受けた一つのリンパ球B細胞は分化して免疫グロブリンを分泌する形質細胞(抗体産生細胞)となり、この抗原に対応する抗体だけを合成する。骨髄腫(しゅ)はこのような形質細胞が腫瘍(しゅよう)化したもので、一つの抗原決定基に対応する均一な抗体をつくる。ある抗体産生細胞と骨髄腫細胞を細胞融合させ、増殖させることによってこの均一な抗体、モノクローナル抗体(単クローン性抗体)を大量につくることができる。[野村晃司]
『畔柳武雄他編『免疫学叢書6 免疫グロブリン』(1970・医学書院) ▽新版日本血液学全書刊行委員会編『日本血液学全書8 血漿蛋白と免疫グロブリン』(1981・丸善) ▽山村雄一・岸本忠三編『岩波講座 免疫科学1 免疫学入門』(1986・岩波書店) ▽橘武彦著『免疫学への招待』(1986・日本評論社) ▽河西信彦・森洋樹編、田元浩一他著『入門 免疫学』(1989・講談社) ▽Edwin L. Cooper著、西東利男監訳、倉茂達徳他訳『図解免疫学』(1990・西村書店) ▽三浦謹一郎編『蛋白質の機能構造』(1990・丸善) ▽M. J. Owen著、垣生園子他訳『免疫系の認識機構――分子レベルからみた二大レセプターの構造と認識』(1991・南江堂) ▽マックス・ペルツ著、林利彦他訳『生命の第二の秘密――タンパク質の協同現象とアロステリック制御の分子機構』(1991・マグロウヒル出版) ▽赤坂一之編『タンパク質研究の最前線』(1991・さんえい出版) ▽寺田信国編著、佐藤紀朗著『わかりやすい免疫学』(1991・メディカルレビュー社) ▽松本秀雄著『日本人は何処から来たか――血液型遺伝子から解く』(1992・日本放送出版協会) ▽小室勝利編『免疫グロブリン療法』(1992・近代出版) ▽日本生化学会編『新・生化学実験講座12 分子免疫学(3)抗原・抗体・補体』(1992・東京化学同人) ▽奥村康著『免疫のはなし』(1993・東京図書) ▽奥原英二著『一般生化学』(1993・南江堂) ▽松橋直他編『最新臨床免疫学』(1994・講談社) ▽菊地浩吉・菊地由里著『最新免疫学図説』(1995・メディカルカルチュア) ▽菊地浩吉他編『Annual review――免疫(1995)』(1995・中外医学社) ▽奥平博一・宮本昭正著『やさしいアレルギー・免疫学』(1998・日本医事新報社) ▽磯部敬著『免疫異常と腫瘍の接点――モノクローナル免疫グロブリン症』(1998・医薬ジャーナル社) ▽矢田純一編『臨床医のための免疫キーワード100』(1999・日本医事新報社) ▽宮坂信之他編『新版 臨床免疫学』(2001・講談社)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

めんえき‐グロブリン【免疫グロブリン】
〘名〙 (グロブリンはglobulin) グロブリンの一群の総称。動物体液、分泌液中に含まれ、免疫反応に重要な役割を果たす。

出典:精選版 日本国語大辞典
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四訂版 病院で受ける検査がわかる本

免疫グロブリン

基準値

■免疫グロブリンの種類、おもな働きと基準値

免疫グロブリンとは、血清蛋白のグロブリンのひとつγガンマ-グロブリン(→参照)のこと。免疫に関与していることから免疫グロブリン(lg)と呼ばれ、次の5つに分類される。

  

《免疫グロブリン:IgG

 [働き]血液中に存在して、体内に侵入してきた微生物、異物と戦う。補体(蛋白)を活性化する。

 [基準値]800~1700mg/dℓ

  

《免疫グロブリン:IgA

 [働き]唾液や消化液、痰などに存在して、粘膜での防御機構の主役を演ずる。

 [基準値]100~400mg/dℓ

  

《免疫グロブリン:IgM

 [働き]抗原による刺激後、最も早く出現して微生物、異物と戦う。補体(蛋白)を活性化する。

 [基準値]40~240mg/dℓ

  

《免疫グロブリン:IgD

 [働き]Bリンパ球の分与に関与する?(今のところ、まだよくわかっていない)

 [基準値]2~10mg/dℓ

  

《免疫グロブリン:IgE

 [働き]アレルギー、寄生虫の排除に関与する。

 [基準値]20~140U/mℓ

免疫の活動状態を調べる検査です。微生物や病気によって、さまざまな免疫の値が変動します。

感染症ではIgM抗体とIgG抗体が増加

 人の体内に、細菌やウイルスなどの微生物(抗原)が侵入してくると、それらを攻撃して身を守ろうとする機構が働きます。この防御機構を免疫機構と呼び、白血球のひとつリンパ球が、その主役を演じています。

 免疫グロブリンは、リンパ球から分化した形質細胞で合成される蛋白で、抗原として侵入してきた微生物と結合し、これらを排除するように働きます。

 免疫グロブリンは現在、上のの5つが知られています。微生物が体内に侵入して免疫機構に認識されると、まずIgM抗体がつくられて血液中に増加します。続いてIgG抗体が産生・増加して血液中に現れます。

 したがって、微生物に感染したか否かは、血液中のIgM抗体とIgG抗体を測定することで推測することができます。とくにIgM抗体は、感染早期に変動するので、感染症の診断に用いられています。

■免疫反応のしくみ


アレルギーではIgEが増加

 アレルギーとは、免疫機構の働きが生体にとって不都合な反応をおこす現象のことです。アレルギーがあるとIgE抗体が増加して、気管支喘息ぜんそくやアトピー性皮膚炎、花粉症などを発症します。

 そのアレルギーが、どのアレルゲン(アレルギー源になる物質)によるものなのかは、種々のアレルゲンとIgE抗体とを反応させて、最も反応の強い物質で鑑別します(→参照)。

低下すると感染しやすくなる

 微生物や病気により免疫機構そのものが障害されると、免疫グロブリンがつくられにくくなり、対抗できなくなって感染しやすくなります。

M蛋白血症、肝臓病、膠原病などでは反復測定

 免疫グロブリンは、感染症の診断のほか、多発性骨髄腫などのM蛋白血症の観察、肝臓病や膠原病こうげんびょうの慢性化や活動性を推測するのに用いられます。このため反復測定して、その増減により原疾患の治療や生活指導を行います。

 検査は、免疫学的手法により測定されます。検査当日の食事は普通にとってかまいません。

疑われるおもな病気などは

◆高値→骨髄腫、原発性マクログロブリン血症、慢性肝炎、肝疾患、膠原病、悪性腫瘍など

◆低値→無γ-グロブリン血症など

医師が使う一般用語
「アイジー」=immunoglobulinの略Igから

出典:法研「四訂版 病院で受ける検査がわかる本」
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化学辞典 第2版

免疫グロブリン
メンエキグロブリン
immunoglobulin

[同義異語]イムノグロブリン

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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