●公共事務【こうきょうじむ】
世界大百科事典 第2版
こうきょうじむ【公共事務】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
公共事務
こうきょうじむ
2000年(平成12)地方分権改革以前の事務分類の一つで、地方公共団体の存立目的たる住民福祉のための非権力的なサービスを提供する事務と地方公共団体自身の存立のための事務をいう。前者の例には学校、図書館、公会堂、文化ホール、病院、保育所、火葬場など公の施設の設置管理や、電気、ガス、上下水道、バス、地下鉄などの事業の経営があり、後者の例には地方公共団体の組織や財政に関する事務があった。これは別名、固有事務ともいい、地方公共団体の本来の事務であるから、とくに法令の制限がない限り、地方公共団体がその自主的判断により処理することができるとされ、国などから地方公共団体に委任された団体委任事務と観念上区別されてきた。こうした考え方はドイツ公法学に由来するもので、日本においても旧憲法下においては、団体委任事務については国が経費の一部を負担し、一般的な監督権を有するのに対し、公共事務は地方公共団体が自らの経費で自主的に運営するものとされるなど、両者の区別の実益があった。しかし、第二次世界大戦後の地方自治法のもとでは、国の監督の仕方も経費の分担の仕方も、事務の種類とは関係なく定められており、地方公共団体の現場では公共事務と団体委任事務の間に区別はないので、この観念をたてる実益に乏しく、公共事務、団体委任事務、行政事務をあわせて自治事務と称し、機関委任事務と対比するのが普通であった。2000年の地方分権改革により、地方公共団体で処理される事務はすべて自治事務と法定受託事務に分類されることとなった。
[阿部泰隆]
『自治体問題研究所編『地方自治法改正の読みかた』(1999・自治体研究社)』
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こうきょう‐じむ【公共事務】
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公共事務
こうきょうじむ
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