●公武合体運動【こうぶがったいうんどう】
旺文社日本史事典 三訂版
公武合体運動
こうぶがったいうんどう
幕末,公(朝廷)・武(幕府)の提携により政局安定をはかろうとした政治運動
大老井伊直弼 (なおすけ) の死後,幕府権威の補強策として幕府老中安藤信正や薩摩・土佐・越前・宇和島の諸藩によって推進され,1862年,孝明天皇の妹和宮 (かずのみや) の将軍徳川家茂 (いえもち) への降嫁が実現した。坂下門外の変('62)後は幕府は主導権を失い,翌年八月十八日の政変で尊攘派が一掃され,公武合体派雄藩大名による政局指導が実現した。しかし,長州藩で藩論が「討幕」に転換すると政局は一転し,尊王・討幕運動に押され,薩長連合の密約('66)により事実上消滅した。のち,かつての公武合体派からは公議政体論が打ち出された。
大老井伊直弼 (なおすけ) の死後,幕府権威の補強策として幕府老中安藤信正や薩摩・土佐・越前・宇和島の諸藩によって推進され,1862年,孝明天皇の妹和宮 (かずのみや) の将軍徳川家茂 (いえもち) への降嫁が実現した。坂下門外の変('62)後は幕府は主導権を失い,翌年八月十八日の政変で尊攘派が一掃され,公武合体派雄藩大名による政局指導が実現した。しかし,長州藩で藩論が「討幕」に転換すると政局は一転し,尊王・討幕運動に押され,薩長連合の密約('66)により事実上消滅した。のち,かつての公武合体派からは公議政体論が打ち出された。
出典:旺文社日本史事典 三訂版
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金澤利明 竹内秀一 藤野雅己 牧内利之 真中幹夫
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