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公示の原則【こうじのげんそく】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

公示の原則
こうじのげんそく
一定の法律関係や事実関係の存否については,常に外部から認識しうるなんらかの外形公示),たとえば登記,登録,占有などを伴うことを必要とし,もしこれを欠くときは,このような法律関係や事実関係の存否を第三者に対して主張できないとする原則。すなわち,実体的には権利があるにもかかわらず,公示がないために,その権利の存在は否定される。公示の不存在(欠缺〈けんけつ〉)の効果として,このような法律関係ないし事実関係の存立がすべて否定される場合と,当事者間では有効に存立するものとして取り扱われるが,第三者に対する関係では存立が否定されうる場合とがある。前者の場合に,公示は,法律関係ないし事実関係の成立ないし有効要件となり,後者の場合は対抗要件となるといわれる。たとえば,会社設立登記は会社設立の成立要件であり(会社法49),不動産移転登記(→不動産登記)は権利移転の対抗要件である(民法177)。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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世界大百科事典 第2版

こうじのげんそく【公示の原則 Grundsatz der Offenkundigkeit[ドイツ]】
物権(所有権地上権抵当権など)は債権と違い,排他性,すなわち同一物の上に同内容の物権は併存しえないという性質をもっている。したがって,たとえばAが自己所有の土地Bに譲渡した場合には,Bがその土地に所有権を取得し,Cが重ねて同地上に所有権を取得することは許されない。だが譲渡当事者であるA,B以外の第三者Cにとってみれば,土地がAからBに譲渡されたという事実を知らない場合がむしろ普通であろう。とくにAがその土地をBから借りて使用している場合とか,Bに無断で使用している場合はなおさらである。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

公示の原則
こうじのげんそく
権利関係の変動を外形的手段で外部に認識しうるように示すという原則をいう。とくに不動産の所有権の移転や抵当権の設定のような物権の変動は、物権が物の支配を内容とする強力な権利であり、しかも取引の前提となる権利であるから、これを公示すべきものとされ、民法は、不動産登記法の定めるところにより、これを登記しないと第三者に対抗することができないとしている(民法177条)。すなわち、公示の方法として登記を対抗要件とするにとどめるので、物権の変動の当事者間では登記をしなくても物権変動の効果は生じるが、登記をしないとこれを第三者に主張することができないとする。公示の原則を徹底して登記を効力要件とし、登記をしなければ物権変動の効果が生じないとする外国の立法もある。動産の物権変動については、引渡しが対抗要件とされる(民法178条)。この引渡しは緩やかに解され、たとえば動産の買い主が目的物を売り主に預けておくという占有改定(民法183条)をしたときでも、買い主は引渡しを受けたとして、第三者に対し、動産の所有権の主張をすることができる。公示の原則は、ほかに、指名債権の譲渡(民法467条)、婚姻の届出(民法739条)、会社の設立の登記(会社法49条)、手形上の権利の移転(手形法11条・13条)、特許権移転の登録(特許法98条)などの場合に認められており、重要な権利関係の変動をそれぞれの場合に特有の方法で公示すべきものとされている。[川井 健]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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