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内分泌系【ないぶんぴけい】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

内分泌系
ないぶんぴけい
endocrine system
ホルモンを生成し,導管を用いずにこれを血液中に分泌する内分泌腺で構成される系統。下垂体,甲状腺胸腺,上皮小体,副腎膵臓ランゲルハンス島精巣卵巣,松果体などがある。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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栄養・生化学辞典

内分泌系
 ホルモンによる体の調節システムの総称

出典:朝倉書店
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最新 心理学事典

ないぶんぴつけい
内分泌系
endocrine system
生体内の情報伝達系のうち,とくに細胞外で化学物質を介して行なわれるもの全体を指して内分泌系とよんでいる。広義にはレニンなどの酵素分泌も内分泌系に含む場合もあるが,基本的には細胞間コミュニケーションの一種であって,標的細胞の受容体に作用するものを指す。さらに細胞外に放出した物質をその細胞自身の受容体で感受する場合を自己分泌autocrine,間質液を通して近傍の細胞に作用する場合を傍分泌paracrine,血中に放出して遠隔の細胞に作用する場合を狭義の内分泌endocrineと区別することがある。なお,神経伝達物質によるシナプス連絡も傍分泌の特殊型である。従来のホルモンhormoneという概念は,血流を介した内分泌で使われる物質を指すが,副腎髄質ホルモンであるノルアドレナリンは脳において神経伝達物質として使われたり,下垂体後葉ホルモンであるオキシトシンoxytocin(OXT)は樹状突起から脳内にも放出を行なっていたりしており,従来の分類には納まらなくなっている。

【下垂体ホルモン】 下垂体pituitaryは脳の視床下部hypothalamusの下に位置する内分泌腺で,大きく前葉と後葉に分かれる。下垂体前葉は視床下部が分泌する成長ホルモン放出ホルモン(GHRH),ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH),副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン(CRH),甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)の4種類の放出ホルモンによって支配され,成長ホルモン(GH),黄体刺激ホルモン(LH)と卵胞刺激ホルモン(FSH)の2種類のゴナドトロピン,副腎皮質刺激ホルモン(ACTH),甲状腺刺激ホルモン(TSH),そしてプロラクチン(PRL。ドーパミンによって調節されていると考えられている)の計6種類のホルモンの分泌を行なっている。これらのうち,GnRH,ACTH,TRHは,視床下部と下垂体,そしてそれぞれの標的器官である性腺,副腎皮質,甲状腺で後述のネガティブ・フィードバックnegative feedbackループを形成し,分泌量の恒常性を維持している。

 一方,下垂体後葉はそれ自身にホルモン産生細胞を含まず,視床下部のバソプレシンvasopressin(ブタなどの一部の動物では,バソプレシンを成す九つのアミノ酸のうち一つがアルギニンからリジンに置換されているため通常のものをarginine vasopressin,すなわちAVPと略記する)産生細胞およびOXT産生細胞の軸索を受け,これらの神経終末から血中にホルモンを放出している。AVPは抗利尿ホルモンantidiuretic hormone(ADH)ともよばれ,腎集合管のV2受容体に作用して水の再吸収を促進しており,またOXTは母親の乳首への乳児による刺激を受け放出され,乳腺平滑筋を収縮させることによって乳汁射出にかかわっている。しかし,これらの神経細胞は,軸索からのホルモン分泌のほか,樹状突起から脳内にも同ホルモンを神経調節物質として放出している。一夫一婦制の社会構造をもつプレーリーハタネズミにおけるつがい形成において,雄ではAVPが,雌ではOXTが重要な役割をしていることから,ヒトにおいてもその役割が注目されている。

【性ホルモン】 主に精巣から分泌される男性ホルモンandrogen,卵巣から分泌される女性ホルモンestrogen,および黄体ホルモンprogesteroneを性ホルモンとよぶ。男性ホルモン,女性ホルモンは総称であり,男性ホルモンの主たるものはテストステロンtestosterone,女性ホルモンの主たるものはエストラジオールestradiolという物質である。これらのホルモンは,コレステロールを原料として作られるためステロイドホルモンとよばれ,細胞膜の透過性が高く,それぞれアンドロゲン受容体,エストロゲン受容体,プロゲステロン受容体とよばれる核内受容体が感知する(細胞膜上の受容体も示唆されている)。性ホルモンに結合した受容体は転写活性因子としてDNAに直接作用し,タンパク質の合成を通して細胞機能に影響を及ぼす。男性ホルモン,女性ホルモンはそれぞれの性に固有だと思われがちだが,卵巣から分泌されるエストラジオールは卵巣で作られるテストステロンからアロマターゼという酵素によって作られ,また男性のさまざまな組織にもアロマターゼが含まれ,組織内でエストラジオールとして作用していることも珍しくない。

 性ホルモンの調節には,視床下部のGnRH,下垂体のFSHがかかわっている。視床下部GnRH産生ニューロンは,下垂体門脈にGnRHを放出し,下垂体のLHおよびFSHの放出を刺激する。FSHは卵巣におけるエストラジオール,精巣におけるテストステロンの分泌を引き起こす。そしてこれら性ホルモンは,視床下部に作用してGnRHの分泌を抑制することで一定の分泌量を保っている(ネガティブ・フィードバック)。しかし,女性では28日の性周期があり,排卵直前にポジティブ・フィードバックに切り替えられ,LH,FSH,エストラジオールの大量分泌surgeが生じ,排卵の引き金となる。

【脳の性分化】 哺乳類の性決定は性染色体によって決定される。XとYの染色体のうち,XXをもつ個体が雌に,XYの個体が雄となる。これはY染色体上にSryとよばれる精巣決定遺伝子があるため,未分化な性腺が精巣へと分化するためである。Sryがないと性腺は自然に卵巣へと発達する。個体に精巣が作られると,そこからテストステロンの分泌が開始される。この胎児期のテストステロンは外生殖器を男型,すなわちペニスへと誘導する。一方,テストステロンは脳にも作用し,脳機能も男型へと発達させる。生殖器・脳とも女型になるのにホルモンは必要としない。このような発達初期のホルモン効果は,作用時期が厳密に限られていること,不可逆的な変化であることから形成作用organizational effectとよばれ,成熟後の可逆的な活性作用activational effectと区別されている。

 女型の脳は,GnRHの周期的分泌を行なって性周期(月経周期)を調節し,またさまざまな女性特有の行動を発現させる。一方,男型の脳はGnRHの持続的・恒常的な分泌をすることでテストステロンを一定に保ち,男性的な行動を引き起こすように働く(性的二型行動という)。ホモセクシャルなど性パートナー決定や性同一性にも,胎児期のテストステロンがかかわっていると考えられている。男性ホルモンは副腎皮質でも作られているため,先天性副腎過形成症congenital adrenal hyperplasia(CAH)の女子では脳の性分化障害が報告されている。典型的には,6歳男児に自由画を描かせると寒色を多く使って乗り物などを鳥瞰的にあるいは積み重ねて描くことが多く,6歳女児では暖色系で家や人物,動物,花などを地面の上に横一直線に並べて描くことが多い。しかし,CAH女児では男児のように寒色系で乗り物を鳥瞰的に描くことが報告されている。

【副腎髄質ホルモン】 副腎adrenal glandは腎の上部に位置する内分泌器官で,髄質とよばれる中央部分と皮質とよばれる周辺部分とに分けられる。副腎髄質からは2種類のアミン系ホルモン,アドレナリンadrenalinとノルアドレナリンnoradrenalinが分泌される。いずれも脳や交感神経に直接作用し,心拍や血圧の上昇などストレス反応にかかわる。一方,副腎皮質は外側より球状帯,束状帯,網状帯の3層から成り,球状帯からは鉱質コルチコイドの一種であるアルドステロンaldosteroneが,束状帯からは糖質コルチコイドの一種であるコルチゾールcortisolが,網状帯からは副腎性アンドロゲンであるデヒドロエピアンドロステロンdehydroepiandrosterone(DHEA)が分泌される。コルチゾールは,視床下部CRH,下垂体ACTHとともにネガティブ・フィードバックを形成し,急性ストレス反応として分泌が増加する。

【松果体ホルモン】 松果体pineal glandは,脳の上丘上部にある内分泌器官であり,メラトニンmelatoninの産生と分泌を行なう。哺乳類以外では網膜と松果体の両方が光を感知し,それぞれがメラトニンを分泌しているが,哺乳類では網膜だけが光を感知し,その信号を受けて松果体だけがメラトニンを分泌している。メラトニンは,体内時計の座である視交叉上核suprachiasmatic nucleusに作用し,日周期と体内時計を同期させている。 →神経系 →神経伝達
〔近藤 保彦〕

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