●写生【しゃせい】
知恵蔵
写生
(井上健 東京大学大学院総合文化研究科教授 / 2007年)
出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
デジタル大辞泉
しゃ‐せい【写生】
出典:小学館
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世界大百科事典 第2版
しゃせい【写生 xiě shēng】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
写生
しゃせい
自然や事物を実際に見たままに描くこと。中国絵画では唐末ごろから、先人の作品を写し描く伝統的な「臨画」の方法に対して、実物を観察描写する写実的傾向が強まったが、「写生」はこの「臨画」に対することばとして使われた。また宋(そう)代からは、動植物など生きたものを直接描写する意味に使用されるようになった。わが国では江戸時代に、オランダ絵画の流入に伴い、円山応挙(まるやまおうきょ)らが写生を重んじた。明治時代になると、このことばはスケッチやデッサンの西洋絵画用語の訳語にあてられた。大正期には、学童を手本の模写から解放して直接自然に親しませようという自由画教育が山本鼎(かなえ)らによって提唱されたが、その普及に伴い、学校の図画教育でも実物を前に置き、あるいは屋外に出て風景などを見たままに描く「写生」が盛んに取り入れられた。
日本での写生の意味は中国の原義とはやや異なるが、その精神はいずれも、直接自然の対象を観察することによって、形式にとらわれずにその物のありのままの姿、ひいてはその内奥にある本質に迫ろうとするものである。それは西洋絵画における写実主義や自然主義の精神と相通じるものを多分にもっているが、両者を直接結び付けて論じることは適当ではない。
[八重樫春樹]
出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典
しゃ‐せい【写生】
(2)明治初期の洋画は、フォンタネージによって「写生」を重視したが、なお「生命を写す」意で用いられた。
(3)生来絵画への愛好の念が深かった正岡子規は、下村為山や中村不折・浅井忠等の洋画家から示唆を受け、その文芸における「写生」概念の確立にも得るところが大きかった。
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