●冥王星【めいおうせい】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
冥王星
めいおうせい
Pluto
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知恵蔵
冥王星
(土佐誠 東北大学教授 / 2008年)
出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
朝日新聞掲載「キーワード」
冥王星
(2006-09-14 朝日新聞 朝刊 宮崎全県 1地方)
出典:朝日新聞掲載「キーワード」
デジタル大辞泉
めいおう‐せい〔メイワウ‐〕【冥王星】
[補説]2015年7月、米国の探査機ニューホライズンズが到達、接近観測に成功した。
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監修:松村明
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占い用語集
冥王星
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世界大百科事典 第2版
めいおうせい【冥王星 Pluto】
出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)
冥王星
めいおうせい
Pluto
発見以来長い間、太陽系のもっとも外側の惑星とみなされてきた天体。アメリカ・ローウェル天文台の創立者であるP・ローウェルは、海王星の引力を考慮に入れても天王星の運動の乱れを十分説明できないと考え、海王星のさらに外側に未知の惑星が存在すると仮定して、その位置の推定と検出を試みた。ローウェルの死後も弟子のC・トンボーが探索を続け、1930年、写真観測によって海王星よりも遠い軌道を回る新天体を発見した。位置はローウェルの予測とはかなりずれており光度も予想外に暗かったが、すぐに第9番目の惑星として認められ、英語名プルート、日本ではその和訳として冥王星の名が与えられた。しかしのちに冥王星に衛星カロンCharonが発見されると、力学的計算により冥王星の質量は地球の6倍というローウェルの予想よりもはるかに小さく、地球の500分の1しかないことが判明した。したがって冥王星の発見は力学的予測によるものではなく、それに触発された丹念な写真観測による偶然的な成果といえる。
望遠鏡の性能が飛躍的に高まった1990年代から、海王星よりも遠くを回る小天体である太陽系外縁天体が続々と発見されはじめ、冥王星はその一つであることが判明した。このため国際天文学連合(IAU)は2006年、冥王星を惑星ではなく「準惑星」とし、太陽系外縁天体のなかで最初に発見されたものという位置づけを与えた。現代の太陽系形成論では、冥王星など太陽系外縁天体は、46億年前の太陽系形成時に太陽から遠くにあったため惑星まで成長することができずに、ほぼ微惑星(惑星の一歩手前の小さな原始的天体)のまま残された天体群と考えられている。こうした発見によって、発見以来の冥王星にまつわる疑問が解消された。
冥王星の太陽からの平均距離は39.5399天文単位(59億1510万キロメートル)、公転周期は248.534年だが、軌道の離心率が0.2490と大きい。このため、遠日点と近日点では太陽からの距離が73億8790万キロメートルから44億4220万キロメートルまで大きく変化し、近日点付近では海王星よりも太陽に近くなる場合がある(たとえば1979~1999年の20年間)。軌道傾斜も17.145度で、八つの惑星に比べて大きい。地球から見た平均の明るさは15等級だが、近日点付近での極大光度は13.6等になる。1978年、写真観測によって冥王星の衛星カロンが発見された。衛星の公転周期は6.3867日で、この周期はそれ以前から冥王星の変光周期として知られ、冥王星の自転周期を示すと考えられていた。カロンの軌道はほぼ円形で半径は1万9130キロメートル、軌道の傾斜角は91.6度である。したがってカロンは冥王星の公転軌道とほとんど垂直な面内を回っていることになる。冥王星の直径およそ2400キロメートルに対してカロンの直径は1200キロメートル程度と、比較的大きい。これらの値から冥王星の密度は2.0以下となるので、土星や天王星の衛星などに似た、氷を主成分とする天体と思われる。分光観測から冥王星の表面は凍ったメタンに覆われており、カロンは水の氷に覆われていることがわかっている。
2006年1月、NASA(ナサ)(アメリカ航空宇宙局)は冥王星探査機「ニュー・ホライズンズ」を打ち上げた。皮肉にも冥王星が惑星ではなくなった国際天文学連合総会の半年前だった。だがニュー・ホライズンズには、「太陽系誕生時の生き残りである微惑星」の初探査という、大きな学問的価値が得られたのである。2015年7月に冥王星に最接近し、通過しながら冥王星や衛星カロンの大量の写真やデータを得た。データはその後1年近くかかって地球に送信された。冥王星の表面は思いのほか複雑で、滑らかで白い「海」や黒っぽい山岳地帯があり、天文学者を驚かせた。冥王星は地球の月より小さく太陽から非常に遠いので、すでに冷え切って硬い氷の表面に無数のクレーターという、月のような表面地形が想像されていた。白い滑らかな「海」はおそらく窒素やメタンの氷で、その下には液状の海があると考えられる。滑らかで規則的な模様がある表面は、この地下海の動きでつねに入れ替わり変化していることを物語る。それを囲む「陸」は、メタンか水の氷の山と思われる。クレーターが多く比較的古いが、見事な山脈や3000メートル級の高山があり、冥王星でも造山運動が続いていることを示している。太陽系の極寒の最果てでも、冥王星を突き動かす内部の熱エネルギーがいまも働いている。冥王星は、また新しい謎となった。
[海部宣男 2017年7月19日]
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精選版 日本国語大辞典
めいおう‐せい メイワウ‥【冥王星】
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