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処分【ショブン】

デジタル大辞泉

しょ‐ぶん【処分】
[名](スル)
取り扱いを決めて物事の決まりをつけること。処理。
「書生下女を差図して家事を―し」〈鉄腸・花間鶯〉
規則・規約などを破った者に罰を加えること。処罰。「処分を受ける」「違反者を厳重に処分する」「懲戒処分
不要なものや余分なものなどを、捨てる、売り払う、消滅させる、など適当な方法で始末すること。「古いノートを処分する」「家を処分する」

公法上、具体的事実や行為について、行政権または司法権を作用させる行為。行政処分強制処分保護処分など。
私法上、処分行為のこと。
[用法]処分・処理処置――「処分(処理・処置)の方法を考える」のように、物や物事の扱いを決めるでは相通じて用いられる。◇「処分」を人に対して使う場合は、「停職処分とする」のように違反・違法行為をした者に罰を加えること。物についていう場合は捨てたり手放したりする意で、「古い家具を処分した」のように用いる。これらは「処理」「処置」では置き換えられない。◇「処理」は「種なしぶどうはホルモン剤で処理される」「汚水処理」「事故の処理が終る」のように物に対して何等かの手を加え、それまでとは違った形にしたり、片づけたりすることで、人に対しては使わない。◇「処置」は「処理」と似ているが、「処理」より一時的で、その当座の扱い、当面の手当ての意が強い。また、物にだけでなく、人にも使うことができる。「けがの応急処置をする」「罹災者には緊急保護の処置を取った」などの場合、「処分」「処理」では置き換えられない。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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そ‐ぶん【処分】
遺産譲与・分配すること。また、その遺産。そうぶん
「御―もなくて、うせさせ給ひにけり」〈栄花・ゆふしで〉

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そう‐ぶん【処分】
そぶん(処分)」の音変化。
「生ける時―してむ」〈落窪・四〉

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日本大百科全書(ニッポニカ)

処分
しょぶん

一般的には物事の片をつけることをいうが、法学上は種々の法領域できわめて多様に用いられる。たとえば、行政権の作用としての行政処分、司法作用としての保護処分・仮処分・強制処分・執行処分などの権力行使を意味することがあり、分野により処分権主義(民事訴訟法)、処分証券(商法)、処分証書(民事法)、保安処分(刑事法)など、種々の用法がある。また、私法上では、管理に対する観念で、既存の権利、事実状態に変更をもたらすものをいい、物権の設定・移転、債権譲渡、相殺(そうさい)などの法律上の処分と、物の毀損(きそん)・滅失・廃毀などの事実上の処分がある。

[阿部泰隆]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

しょ‐ぶん【処分】
〘名〙
① 物事の扱い方について取り決めること。また、それに従って取り扱い、きまりをつけること。処理。
※続日本紀‐大宝元年(701)五月癸酉「太政官処分」
※花間鶯(1887‐88)〈末広鉄腸〉中「書生下女を差図して家事を処分(ショブン)し」 〔世説‐豪爽〕
② 自分の財産を譲渡すること。譲渡することを生前に決定しておくこと。
※令義解(718)戸「若欲同財共居。及亡人存日処分。証拠灼然者。不此令
※米沢本沙石集(1283)九「有徳の房主〈略〉頓死して処分(ショブン)なんどもせざるままに、弟子共処分(ショブン)を論じて中あしくして」
③ 規則・規約を破った者を罰すること。処罰。
※吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉一一「まかり間違って退校の処分を受けても」
④ 不要な物や余分な物などを、売却・棄却・寄贈などして、適宜に始末すること。〔英和外交商業字彙(1900)〕
※弱い結婚(1962)〈小島信夫〉「どうしたってあの自転車は処分してしまわなくっちゃ」
⑤ 権利者が権利を移転・変更・消滅させたり、その目的物を破壊・消滅したりすること。→処分行為
⑥ 行政機関が法令に基づいて権利を設定し、義務を命じ、その他法律上の効果を生じさせる行為。行政処分。行政行為。〔内閣官制(明治二二年)(1889)〕
⑦ 訴訟法上、裁判所の行なう訴訟指揮のための行為。〔民事訴訟法(1926)〕

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そう‐ぶん【処分】
〘名〙 「そぶん(処分)」の変化した語。
※落窪(10C後)四「生ける時そうぶんしてん」

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そ‐ぶん【処分】
〘名〙 (「そ」は「しょ」の直音表記) 生前に約束して、自分の財産を配分すること。また、その財産。そうぶん。
※栄花(1028‐92頃)ゆふしで「この院も、御そぶんもなくてうせさせ給ひにけり」

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