●分子間力【ぶんしかんりょく】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
分子間力
ぶんしかんりょく
intermolecular force
出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
デジタル大辞泉
ぶんしかん‐りょく【分子間力】
出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
世界大百科事典 第2版
ぶんしかんりょく【分子間力 intermolecular force】
出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.
日本大百科全書(ニッポニカ)
分子間力
ぶんしかんりょく
intermolecular force
分子と分子との間に働く力をいう。一般に分子は、きわめて近づいたときは反発する力を及ぼし合うが、すこし離れていると、互いに引力を及ぼし合い、この両者が重なり合っている。このうちの反発力は、交換反発力とクーロン反発力によって生ずるもので、主として近距離で強く働くので近距離力ともいう。引力はファン・デル・ワールス力(主として分散力)によってかなり遠くまで強く働くので、遠距離力ともいう。距離rにある分子間力のポテンシャルは、
のような式で表される。実測値ではm=6,n=8~12である。μ(ミュー)とν(ニュー)とは、それぞれの物質によって決まる定数である。この式の第1項は引力、第2項が反発力を表している。距離が近くなれば(rが小さくなれば)第2項が強くきいてくるし、遠くになると(rが大きくなれば)第1項のほうが強くきいてくることになる。
[中原勝儼]
出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
精選版 日本国語大辞典
ぶんしかん‐りょく【分子間力】
出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
化学辞典 第2版
分子間力
ブンシカンリョク
intermolecular force
分子間に作用する力で,大別して次の二つの種類がある.その第一は,かなりの近距離においてのみ有効で,距離が遠くなるにつれて急激に減少する斥力である.この力は,パウリの原理に由来するもので,分子がある程度以上近づいて電子雲の重なりが生じ,電子の交換相互作用が起こることによるものであるから,交換斥力とよばれる.この力の本質は化学結合力と同じであるが,原子価が飽和している分子の間では斥力となり,原子価が飽和していない場合(原子や遊離基など)には引力となることだけが違っている.この力があるために,物質をある程度以上圧縮するには非常な力を要する.第二は,比較的遠距離においても有効な引力である,ファンデルワールス力,電荷移動力がこれである.このうち,ファンデルワールス力はさらに,有極性分子間にはたらく配向力と誘起力,有極性・無極性を問わずすべての分子間にはたらく分散力に分けられる.また,電荷移動力は電子供与体Dと電子受容体Aとの間にはたらく引力で,非結合構造D…Aと電荷移動構造D+-A-との間の共鳴による安定化に相当する.上に述べたように,分子間力は遠距離でもかなり有効な引力とかなりの近距離でしかはたらかない交換斥力からなっているので,そのポテンシャルエネルギーは引力と斥力の二つの項からなる形で表されるが,J. Lennard-Jonesによって-λ r-m + μ r-nの形が提唱されており,通常,m = 6,n = 12とおくと実験との一致がよい.Lennard-Jonesは第二ビリアル係数Bを上記のポテンシャルを使って計算し,実験値と比較した([別用語参照]レナード・ジョーンズのポテンシャル).また,これ以外に気体の粘性率の測定や固体の凝集エネルギーなども,分子間力のポテンシャルを決定するための情報を与える.
出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
東京工業大学名誉教授理博 吉村 壽次(編集代表)
信州大学元教授理博 梅本 喜三郎(編集)
東京大学名誉教授理博 大内 昭(編集)
東京大学名誉教授工博 奥居 徳昌(編集)
東京工業大学名誉教授理博 海津 洋行(編集)
東京工業大学元教授学術博 梶 雅範(編集)
東京大学名誉教授理博 小林 啓二(編集)
東京工業大学名誉教授 工博佐藤 伸(編集)
東京大学名誉教授理博 西川 勝(編集)
東京大学名誉教授理博 野村 祐次郎(編集)
東京工業大学名誉教授理博 橋本 弘信(編集)
東京工業大学教授理博 広瀬 茂久(編集)
東京工業大学名誉教授工博 丸山 俊夫(編集)
東京工業大学名誉教授工博 八嶋 建明(編集)
東京工業大学名誉教授理博 脇原 將孝(編集)
Copyright © MORIKITA PUBLISHING Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの項目は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
「分子間力」の用語解説はコトバンクが提供しています。
●分子間力の関連情報