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分子間力【ぶんしかんりょく】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

分子間力
ぶんしかんりょく
intermolecular force
電気的に中性分子の間に働く力で,引力斥力がある。通常,原子も分子の1種と考える。引力は遠距離まで働くが,斥力は近距離のみで有効である。引力には,双極子モーメントをもった化合物間に生じる静電引力,双極子モーメントをもった化合物が他の化合物を分極して生じる誘起効果による力,双極子モーメントをもたない分子間に働くファン・デル・ワールス力,電子供与体と電子受容体との両分子間の電荷移動力などがある。分子間力の近似的表現としてよく使用されるものは,分子間距離を r とすると,分子間力のポテンシャル U(r)=-A/rmB/rn である。これをレナード・ジョーンズのポテンシャルという。前項は引力,後項は斥力を表わし,m=6,n=12 がよく使われる。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

ぶんしかん‐りょく【分子間力】
分子と分子との間に働く力。遠距離では引力、近距離では反発力となる。

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世界大百科事典 第2版

ぶんしかんりょく【分子間力 intermolecular force】
分子の間に働く力。通常の気体を冷やしていくと凝縮して液体になり,さらに固体になるのは,分子間に働く力による。また現実の気体が理想気体状態方程式からずれを示すこと,気体の流れに粘度があること,気体を急に膨張させると温度が下がること(ジュール=トムソン効果)などから,気体分子の間に力が作用していることはわかっていた。例えば気体の状態方程式に関しては,古くから種々の補正式が提出されている。代表的な補正式はファン・デル・ワールスの状態方程式 (Pa/V2)(Vb)=RTここでVは1molの気体の容積,Pはその圧力,Tは絶対温度,Rは気体定数,a,bは気体の種類による定数

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

分子間力
ぶんしかんりょく
intermolecular force

分子と分子との間に働く力をいう。一般に分子は、きわめて近づいたときは反発する力を及ぼし合うが、すこし離れていると、互いに引力を及ぼし合い、この両者が重なり合っている。このうちの反発力は、交換反発力とクーロン反発力によって生ずるもので、主として近距離で強く働くので近距離力ともいう。引力はファン・デル・ワールス力(主として分散力)によってかなり遠くまで強く働くので、遠距離力ともいう。距離rにある分子間力のポテンシャルは、

のような式で表される。実測値ではm=6,n=8~12である。μ(ミュー)とν(ニュー)とは、それぞれの物質によって決まる定数である。この式の第1項は引力、第2項が反発力を表している。距離が近くなれば(rが小さくなれば)第2項が強くきいてくるし、遠くになると(rが大きくなれば)第1項のほうが強くきいてくることになる。

[中原勝儼]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

ぶんしかん‐りょく【分子間力】
〘名〙 分子相互の間に働く力。斥力と引力とがある。

出典:精選版 日本国語大辞典
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化学辞典 第2版

分子間力
ブンシカンリョク
intermolecular force

分子間に作用する力で,大別して次の二つの種類がある.その第一は,かなりの近距離においてのみ有効で,距離が遠くなるにつれて急激に減少する斥力である.この力は,パウリの原理に由来するもので,分子がある程度以上近づいて電子雲の重なりが生じ,電子の交換相互作用が起こることによるものであるから,交換斥力とよばれる.この力の本質は化学結合力と同じであるが,原子価が飽和している分子の間では斥力となり,原子価が飽和していない場合(原子や遊離基など)には引力となることだけが違っている.この力があるために,物質をある程度以上圧縮するには非常な力を要する.第二は,比較的遠距離においても有効な引力である,ファンデルワールス力電荷移動力がこれである.このうち,ファンデルワールス力はさらに,有極性分子間にはたらく配向力と誘起力,有極性・無極性を問わずすべての分子間にはたらく分散力に分けられる.また,電荷移動力は電子供与体Dと電子受容体Aとの間にはたらく引力で,非結合構造D…Aと電荷移動構造D-Aとの間の共鳴による安定化に相当する.上に述べたように,分子間力は遠距離でもかなり有効な引力とかなりの近距離でしかはたらかない交換斥力からなっているので,そのポテンシャルエネルギーは引力と斥力の二つの項からなる形で表されるが,J. Lennard-Jonesによって-λ rm + μ rnの形が提唱されており,通常,m = 6,n = 12とおくと実験との一致がよい.Lennard-Jonesは第二ビリアル係数Bを上記のポテンシャルを使って計算し,実験値と比較した([別用語参照]レナード・ジョーンズのポテンシャル).また,これ以外に気体の粘性率の測定や固体の凝集エネルギーなども,分子間力のポテンシャルを決定するための情報を与える.

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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