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分業【ぶんぎょう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

分業
ぶんぎょう
division of labour
広義には,社会的あるいは個別的に,ある仕事や労働分割して専門化し,それぞれの部門や行程を分担して行い目的を達すること。作業場内などでの技術的分業と,社会における生産諸部門や職業への分化である社会的分業が含まれる。狭義には,技術的分業をさし,労働生産力の増進を目的として,一人でできる労働を数人に分割することを意味する。この意味での分業概念は A.スミスが確立した。スミスによれば,分業は,同一労働者が単純作業を繰返すため熟練を増す,場所や道具の移動がない,労働を簡略にする機械が発明され,また多様化するなどの点から,労働の生産力を増大する最大の要因とした。分業による生産力の増大は,マニュファクチュア時代に極大であり,工場制生産ではその意義は減退する。この意味では,マルクスは分業を協業の一発展形態としてとらえ,マニュファクチュア時代を特徴づけるものとした。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

ぶん‐ぎょう〔‐ゲフ〕【分業】
[名](スル)
手分けして仕事をすること。「時間がないので分業して進める」

㋐生産の全工程を分割し、異なった労働者によって分担されること。個別的分業。
㋑社会的総労働が各産業部門に分割・専門化されること。社会的分業。

出典:小学館
監修:松村明
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世界大百科事典 第2版

ぶんぎょう【分業 division of labor】
労働の分割を意味する。高度に能率化した技術的分業と複雑に専門化した社会的分業は産業化社会の大きな特徴である。しかし,分業の事実そのものはどの社会においても一般的に存在した。未開のエスキモー社会では,生活の細部にわたって男の仕事と女の仕事が厳密に分割されていた。インドのヒンドゥー社会では,厳格な内婚制と儀礼的義務によって細分化された職業カーストが複雑な分業関係を形づくっていた。中世ヨーロッパの封建社会では,生れや身分と結びついて固定化された職業,仕事の体系が神の与えた秩序とみなされた。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

ぶんぎょう【分業】
スル
手分けをして仕事をすること。
division of labour 生産の過程を分割し、分担した工程を専門的に作業する労働形態(個別的分業)。また広く社会の成員の間で、職業分化など経済的・技術的・社会的に分化された役割を担う形態(社会的分業)。 → 協業

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

分業
ぶんぎょう
division of labour英語
Arbeitsteilungドイツ語
生産過程をいくつかの部門・工程に分け、異なった人々がこの分割された特殊的部分に専門的に従事することをいう。分業には、社会的総労働が社会のさまざまな産業部門やさらにそれらの産業部門において種々の職業に区分され、個々人がこうして細分化された職業に専門的に従事する社会的分業と、マニュファクチュアに典型的にみられるように、多数の労働者が資本家の所有する作業場に寄せ集められ、個々の労働者が分割された種々の生産工程を専門的に担う作業場内分業とが存在する。いずれの分業にあっても、個々の生産者は特定の作業に専門的に従事することによって、労働の熟練が高まり、異なった作業間の移動に伴う労働時間のむだが縮小し、労働用具が特殊化された作業に適合的に改良かつ多様化されることによって労働の生産力が上昇する。
 社会的分業は、原始共同体内における性および年齢の差という生理学的な基礎のうえに自然発生的に発展するが、共同体内部で生産手段の共有のもとで社会的分業が行われている限り、それは商品生産とは結び付いていない。異なった諸共同体の間で物々交換が始まり、それがやがて商品交換へと発展していくが、それによって各共同体は商品交換を媒介として連関させられ、社会的な全生産の相互に依存しあう生産部門に転化させられる。商品交換が共同体の内部に浸透し、生産手段の私的所有を生み出してゆくにつれて、社会的分業が発展すると同時に商品交換も発展していく。このような商品交換の一定程度の発展を歴史的前提として資本主義が発生する。
 資本制的生産は、同一作業場内に集められた多数の労働者が資本家の指揮のもとに同一商品の生産に従事する単純協業という形で出発するが、それは、生産工程が分割されて各労働者が特定の工程のみを専門的に担当する分業に基づく協業(マニュファクチュア)に早急に移行する。ここで作業場内分業が本格的に登場する。マニュファクチュアは、道具の機械への転化に伴って機械制大工業へ移行するが、これによって作業場内分業がいっそう発展する。ここでは機械が生産の主体であり、特殊化された諸機械の間に配分される労働者は、特定の機械を専門的に操作する機械の付属物に転化し、労働者の資本のもとへの実質的包摂が完成する。マニュファクチュアに典型的にみられる作業場内分業は、社会的分業の特定の発展を前提として発生するが、逆に社会的分業に反作用してそれを発展させる。機械制大工業に移行すると社会的分業はいっそう発展する。それによって供給される原料や半製品や労働用具等の分量が増加するに伴って、原料や半製品の加工が分化していき社会的生産部門が多様化するからである。作業場内分業は資本家の専制的支配のもとに計画的に編成されているのに対して、生産手段の私的分散的所有に基づく社会的分業においては無政府性が支配している。[二瓶 敏]
『K・マルクス著『資本論』第1巻第4篇(向坂逸郎訳・岩波文庫/岡崎次郎訳・大月書店・国民文庫) ▽A・スミス著『国富論(諸国民の富)』第1篇(大河内一男監訳・中公文庫/大内兵衛・松川七郎訳・岩波文庫)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

ぶん‐ぎょう ‥ゲフ【分業】
〘名〙
① 手分けをして仕事をすること。仕事を分けて受け持つこと。
※文明論之概略(1875)〈福沢諭吉〉四「過分の功労と称するに足らず、唯分業の趣意に戻らざるのみ」
② 生産の全行程をいくつかに分け、多数の労働者が各行程を分担して生産物を完成すること。また、その組織。
※明六雑誌‐四〇号(1875)人世三宝説・三〈西周〉「分業の法起らざるを得ずして社交の体立たざるを得ざる所なり」

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