●分業【ぶんぎょう】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
分業
ぶんぎょう
division of labour
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デジタル大辞泉
ぶん‐ぎょう〔‐ゲフ〕【分業】
1 手分けして仕事をすること。「時間がないので
2
㋐生産の全工程を分割し、異なった労働者によって分担されること。個別的分業。
㋑社会的総労働が各産業部門に分割・専門化されること。社会的分業。
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世界大百科事典 第2版
ぶんぎょう【分業 division of labor】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
分業
ぶんぎょう
division of labour 英語
Arbeitsteilung ドイツ語
生産過程をいくつかの部門・工程に分け、異なった人々がこの分割された特殊的部分に専門的に従事することをいう。分業には、社会的総労働が社会のさまざまな産業部門やさらにそれらの産業部門において種々の職業に区分され、個々人がこうして細分化された職業に専門的に従事する社会的分業と、マニュファクチュアに典型的にみられるように、多数の労働者が資本家の所有する作業場に寄せ集められ、個々の労働者が分割された種々の生産工程を専門的に担う作業場内分業とが存在する。いずれの分業にあっても、個々の生産者は特定の作業に専門的に従事することによって、労働の熟練が高まり、異なった作業間の移動に伴う労働時間のむだが縮小し、労働用具が特殊化された作業に適合的に改良かつ多様化されることによって労働の生産力が上昇する。
社会的分業は、原始共同体内における性および年齢の差という生理学的な基礎のうえに自然発生的に発展するが、共同体内部で生産手段の共有のもとで社会的分業が行われている限り、それは商品生産とは結び付いていない。異なった諸共同体の間で物々交換が始まり、それがやがて商品交換へと発展していくが、それによって各共同体は商品交換を媒介として連関させられ、社会的な全生産の相互に依存しあう生産部門に転化させられる。商品交換が共同体の内部に浸透し、生産手段の私的所有を生み出してゆくにつれて、社会的分業が発展すると同時に商品交換も発展していく。このような商品交換の一定程度の発展を歴史的前提として資本主義が発生する。
資本制的生産は、同一作業場内に集められた多数の労働者が資本家の指揮のもとに同一商品の生産に従事する単純協業という形で出発するが、それは、生産工程が分割されて各労働者が特定の工程のみを専門的に担当する分業に基づく協業(マニュファクチュア)に早急に移行する。ここで作業場内分業が本格的に登場する。マニュファクチュアは、道具の機械への転化に伴って機械制大工業へ移行するが、これによって作業場内分業がいっそう発展する。ここでは機械が生産の主体であり、特殊化された諸機械の間に配分される労働者は、特定の機械を専門的に操作する機械の付属物に転化し、労働者の資本のもとへの実質的包摂が完成する。マニュファクチュアに典型的にみられる作業場内分業は、社会的分業の特定の発展を前提として発生するが、逆に社会的分業に反作用してそれを発展させる。機械制大工業に移行すると社会的分業はいっそう発展する。それによって供給される原料や半製品や労働用具等の分量が増加するに伴って、原料や半製品の加工が分化していき社会的生産部門が多様化するからである。作業場内分業は資本家の専制的支配のもとに計画的に編成されているのに対して、生産手段の私的分散的所有に基づく社会的分業においては無政府性が支配している。
[二瓶 敏]
『K・マルクス著『資本論』第1巻第4篇(向坂逸郎訳・岩波文庫/岡崎次郎訳・大月書店・国民文庫)』▽『A・スミス著『国富論(諸国民の富)』第1篇(大河内一男監訳・中公文庫/大内兵衛・松川七郎訳・岩波文庫)』
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精選版 日本国語大辞典
ぶん‐ぎょう ‥ゲフ【分業】
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