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列子【れっし】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

列子
れっし
Lie-zi
中国,春秋時代の思想家。名は禦寇 (ぎょこう) 。を唱え,その著書に『列子』がある。実際には,戦国時代末期に列子を祖師とする一派があり,同名の文献を伝えていたが,その後亡びたものらしい。現存の『列子』8編は,道家の説をもととして敷延した魏晋頃の偽作と考えられる。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

れっし【列子】
中国、戦国時代道家の思想家。名は禦寇(ぎょこう)。(てい)(河南省)の人。「荘子」中に説話がみえ、「呂氏春秋」によれば虚を尊んだといわれる。唐代に沖虚真人(ちゅうきょしんじん)と号された。生没年未詳。
中国の道家思想書。8編。の撰と伝えられるが、現行本は前末から晋代にかけて成立したといわれる。故事・寓言・神話を多くのせ、唐代に道教教典として尊ばれ、「沖虚真経(ちゅうきょしんけい)」と称された。

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世界大百科事典 第2版

れっし【列子 Liè zǐ】
中国,古代書名後世《冲虚至徳真経》とも呼ぶ。戦国初期の道家的思想家列禦寇(れつぎよこう)の撰と伝えられるが,現行本8編は,戦国末から漢初にかけて道家末流の手で原形が作られ,以後漸次増修されて,最終的には東晋(317‐420)の張湛の手になった。冒頭の〈天瑞篇〉は道家思想の原理的記述を主とするが,他の諸編はおおむね道家的真理処世を説く説話群によって構成されており,一種の道家的説話集である。なお,列禦寇その人については《荘子》に出てくるが,伝記,事は不明である。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

列子
れっし

生没年不詳。中国古代の思想家。道家(どうか)の代表者、またその著作とされる書物。名は禦寇(ぎょこう)。鄭(てい)の人。老子(ろうし)の弟子、あるいは関尹子(かんいんし)の弟子、あるいは老商子(ろうしょうし)の弟子などといわれ、また荘子(そうし)の先輩ともされるが、その事績は不明である。『列子』や『荘子(そうじ)』の書中に列禦寇の説話がみえるが、いずれも事実とは定めがたく、ために人物の実在を疑う説もある。

[金谷 治 2015年12月14日]

『列子』と思想

書物は8編で、晋(しん)の張湛(ちょうたん)の注がついている。著作の時代ははっきりせず、書中に戦国末の人名があったり、漢代に流行した緯書(いしょ)説と同じ生成論があったり、仏陀(ぶっだ)を思わせるような「西方の聖人」を疑う説があったりするために、明(みん)のころから疑われ、今日では魏(ぎ)・晋(しん)間(3世紀ごろ)の偽作とする説が有力である。ただ、内容には、『荘子』と重なるところで『列子』のほうが古くみえるところもあり、古い資料によりながら修飾を加え、また新しく書き加えたというのが真相であろう。したがって、純粋な列子の思想は明らかにしがたいが、『呂氏春秋(りょししゅんじゅう)』で「虚を貴んだ」といわれているのを根拠にすると、利害得失の念にとらわれない虚心の処世を善しとしたものであるらしい。『老子』のいう無為、無知、無欲などに通ずる思想であろう。『列子』では、天地の生成変化を論じて形と気と質の三者が混じた「太易(たいえき)」をその始源に置き、死生の往反を説いて神仙的養生説にも及び、運命を説き夢を説き、激しい快楽説を唱えるなど、さまざまに特色のある記事が少なくないが、また『荘子』をはじめとする他書との重複文も多い。

 列子の像は、『荘子』のなかでも「風に御(ぎょ)して行く」などといわれて仙人めいた風貌(ふうぼう)もあるが、『列仙伝』や『神仙伝』ではまだ仙人として著録されない。しかし、唐代になると、道教の信仰に伴って荘子や尹文子(いんぶんし)とともに神格化され、冲虚真人(ちゅうきょしんじん)と号して祀(まつ)られた。書物も『冲虚真経』とよばれ、宋(そう)代では『冲虚至徳真経』ともなって尊重された。

[金谷 治 2015年12月14日]

『福永光司訳注『中国古典文学大系4 列子』(1973・平凡社)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

れっ‐し【列子】
[一] 中国戦国時代の道家の思想家。名は禦寇(ぎょこう)。虚(きょ)の道を得た哲人として伝えられるが、その伝記は明らかでなく、「荘子」の中にその名が登場する。唐代に沖虚真人の称号をおくられた。
[二] 中国の道家の典籍。八巻。(一)の撰と伝えられるが、実際には前漢の後半に至って始めて出現し、現行本は、さらに六朝道家の手が加えられている。戦国以来の伝説的道家思想として、情欲を去り心を虚しくして自然に従うべきことを説く一方、六朝の思想である快楽主義、神仙思想、仏教思想の影響が見える。沖虚真経。

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